昨今の変化が求められる時代において、過去の成功事例や経験値では正解が見えない時代に突入しています。そんな中でビジネスマンは、何を基準に、何を元に、選択していけば良いのだろうか。ビジネスマンを取り巻く情報、知識などが多岐にわたる中でどのように選択し、決断して行動していけば良いのだろうか。その答えはビジネスマン本人の中にしかありません。

ビジネスマンに最良の選択、決断を支えるのがビジネスコーチングです。

ビジネスコーチングとは?

最近、様々なところで「コーチング(Coaching)」と言うワードは出てきています。言葉は聞いたことがあっても、受けたこともないし、学んだこともない方が多いのではないでしょうか。今回は、「コーチング(Coaching)」はどんなものかを簡単にご説明していきたいと思います。

<コーチングの定義>

「コーチングとは、思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くことである」出典:ICF Japan chapter

コーチングの歴史

コーチングの歴史

コーチングはcoach、すなわち「馬車」と言う言葉に由来します。コーチが使われるようになったのは1500年代と言われています。馬車の役割は、「馬車に乗った乗客を目的地まで送る/乗客が望むところまで送り届ける」ことです。コーチとは主役ではありません。必ず乗客となる相手が主役になります。主役の望むところへ側でサポートしていくのが本当のコーチと言えます。

ビジネスコーチングとは

ビジネスコーチングとは、ビジネス領域に特化したコーチングのことを指します。
会社の組織目標と個人の価値観と言う要素が含まれるために、ライフコーチングよりも
少し複雑であることが多いです。

なぜビジネスコーチングが求められるのか?

現在は、変化し続けることが前提の世界になってきています。そして、グローバル化、情報化、技術革新にともない企業競争が激化し続けています。経営環境も同様に変化し続ける時代になり、高度経済成長期から積み上げてきた前例や経験に基づくやり方は通用しなくなっています。

また、個人と組織の関係性も変化してきています。高度経済成長期から長らく、組織は終身雇用や年功序列といった保障を軸に求心力を発揮していていましたが、企業にとらわれず個々の能力を引き出す機会を保障するという時代になりました。さまざまな変化にともない、企業は変化し続ける組織をつくり上げること、個人は自ら選択し決断し続けることが求められています。

コーチングが注目を集めている背景には、社会の環境変化により過去の成功体験の限界や個人の価値観の多様化、世代間ギャップの拡大により、トップダウンによる指示命令の方法では人が動かなくなってきたことがあります。また、変化の厳しい現代では、膨大な情報から自分に必要な情報を選択しなければなりません。そして、現場では自主的に判断するだけでなく、複眼的な視点を持てる人材が必要とされ、その育成が急務となっています。

つまり、ビジネスで必要とされているのは、お互いに個々の意思を伝えあえる、質の高いコミュニケーションが行えることなのです。この様な背景から、コーチングが担う役割が大きくなってきていいると言えるでしょう。

ビジネスコーチングの活用目的と効果

ビジネスコーチングの活用目的と効果

コーチングには下記の様なメリットがあります。

  • 心の奥底から本音で話せることで気づきが生まれる
  • 自分らしさの「軸」に気づき、自分を信じる力に気づく
  • 意思決定の質の向上
  • ビジネスの悶々としたものがクリアになる
  • メンバーコミュニケーションの質の向上に気づく
  • 自己成長(企業成長)にむけた自己変革
  • 組織全体にも変化が生まれる。迷い、不安との新たな関わり方が変化する
  • 自分を制限していることが自覚でき、意識的に行動できる
  • 周りに左右されず、意識的に選択する力に気づく

つまり、ビジネスコーチングでは自らが考えて選択し行動できる人材を育てることができるというメリットがあります。

ビジネスコーチングの導入と活用方法

ビジネスコーチングには、コーチングの基本的な知識や経験、スキルだけでなく、ビジネスに関する豊富な経験と知識も必要とされます。

コーチングする相手は、ビジネスの中で迷い、藻掻いているクライアントが多い中で信頼関係の構築や課題や悩みの共感と理解が求められます。従ってビジネス経験に乏しいコーチでは難しい場面が多いと思われます。

ビジネスコーチング導入におけるポイント

① 信頼関係(協働関係)の構築

コーチングの効果を高めるには、クライアントとコーチの関係性が重要になってきます。
その関係を協働関係と表現したりします。協働関係の定義として、ICF JAPAN では下記の様に定義しています。

<協働関係の定義>
コーチングの関係、プロセス、計画的および目標に関して明確に合意するために、クライアントおよび関連する利害関係者と協力している. コーチング全体についての合意だけでなく、各コーチングセッションについても合意を確立している。出典:ICF Japan chapter

この協働関係は、最初に築いてしまえば終わりではありません。コーチングを続けていく中で、共に強固な関係にしていくものです。この協働関係の質がコーチングの結果の質に繋がります。

② コーチャブルであるかどうか

コーチャブルとは、「コーチングを受け入れられる姿勢や資質」の事を意味します。

クライアントが、コーチングの効果をよくするために、自分の気づき、コーチからのフィードバック、共に決めた行動を受け入れ、身にしていくことができる状態。コーチングをしっかり受けられる状態です。

コーチャブルな資質とは下記の様なことが挙げられます。

正直さ/謙虚さ

コーチングでは、自分の現状理解(気づき)と行動設定が必要となります。そして、コーチはこれを側で助けるのですが、クライアントが正直さ、謙虚さに欠けると現状理解すらできなくなります。

諦めずに努力を厭わない姿勢

コーチングでは、自分の心や感情にあるものをコーチと共に見に行きます。そしてクライアントは新たな領域に気づき、新たな領域に一歩出すことは、誰しも怖いことであると思います。そこで必要なことは、自分自身の本質を見つけに行くことをコーチと共に諦めない姿勢です。

常に学ぼう(経験/チャレンジ)とする意欲

コーチングからの気づきから、行動にチャレンジして、そこから生まれる新たな気づきを大切にする意欲です。
この様なコーチャブルかどうかも、コーチングの結果に繋がってきます。

③ なんちゃってコーチング

コーチングはとても難しいスキルでもありながら、少し学び始めると魅力的なスキルに感じられるかも知れません。そして、スキル/経験不足のままに安易にコーチングを実施してしまうと、下記の様な問題が発生しかねません。

―問題や課題の答えを待てずに、アドバイスしてしまう
―詰問を繰り返して、クライアントを追い詰めてしまう
―具体的なアクションの成果を求めてしまう

この様な事が出てきてしまうと、クライアントにとってコーチングは苦痛な場になり、本来の有益な効果はでず、結果としてコーチングだけでなく、コーチが仕事上のマネージャーである場合には、マネージャー自体に不信感が出てきてしまいます。

まとめ

ビジネスコーチングとは、ビジネスの領域でのコーチングです。昨今の変化し続ける時代に、変化し続ける人と組織が必要になっていることもありコーチングが必要とされています。そして、ビジネスコーチングでは自らが考えて選択し行動できる人材を育てることができるというメリットがあります。

コーチングは決して手軽で簡単なスキルではありません。スキルや経験の不足している人のコーチングでは、悪影響を及ぼし兼ねません。導入はしっかりとスキルと経験を積んだコーチに依頼することがオススメです。

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