球体のネットワーク

最近、デジタルトランスフォーメーションに注目が集まっています。あなたも社内で経営陣がデジタルトランスフォーメーションの重要性について口にしている様子を見聞きしたこともあるのではないでしょうか。
一方でデジタルトランスフォーメーションにどのように取り組めばいいのかわからないという声もあります。そこで今回は、デジタルトランスフォーメーションの事例をご紹介します。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

デジタルトランスフォーメーションとは、テクノロジーによってビジネスモデルを大きく変えることと定義されます。近年ではデジタルディスタラプターと呼ばれる、デジタルによって既存のビジネスモデルを大きく変える企業が誕生しています。例えばFacebookはその一つです。

Facebookは、それまで匿名が主流だった日本のインターネット世界に実名を公表する文化を築き上げました。その結果、インターネット上のつながりがバーチャルからリアルなものになり、仕事のやりとりもFacebook上で実現できるようになったのです。

現在では電話やEメールではなく、Facebookメッセンジャーで仕事のやり取りをする方も多いのではないでしょうか。このように、デジタルトランスフォーメーションとは、既存のビジネスや仕組みを根本的に変えることを意味しています。

デリバリー専門店を実現したUber Eats

料理宅配
ではデジタルトランスフォーメーションの事例として他にはどのようなものがあるのでしょうか。最初の事例としてUber Eatsを紹介します。

Uber Eatsは、都市部を中心にフードデリバリーサービスを提供しています。配達依頼の方法はとても簡単です。まずユーザーがデリバリーしてもらいたいものをアプリで選びます。次にアプリからオーダーを受け取った飲食店が、近くにいる配達員にアプリを使って配達を依頼し、最後に配達依頼をアプリで受け取った配達員が配達するものを飲食店にとりにいき、ユーザーの自宅に訪問して配達を完了します。

Uber Eatsは2つの意味でデジタルトランスフォーメーションを実現しています。まず、配達業者を一般人にしたことです。誰でも一度配達員として登録すれば、空いている時間を活用して収入を得ることができます。配達員の収入は配達1件あたり数百円になるそうです。Uber Eatsは今では副業で収入を得たい、移動時間を収入に変えたいという方に人気の仕事になっています。

そして2つ目は、これまでデリバリーに対応していなかった飲食店をデリバリー対応にしたことです。さらには、コロナ禍での需要の高まりによって、デリバリー専門店も急増しました。コロナの長期化もあり、今では新旧問わず多くの店がデリバリーサービスを定番化しています。

ネットワーク効果をオンラインで実現したメルカリ

次にご紹介したいのがメルカリです。いまではメルカリを使って個人間で売買することが当たり前になっています。個人間売買は以前からヤフオク!のような、インターネットオークションが担ってきました。しかしこれだけメルカリが流行っているのはなぜなのでしょうか。一体メルカリの何が優れているのでしょうか。

メルカリがこれまでの個人間売買の仕組みを変えた大きなポイントが2つあります。
1つ目は発送方法の敷居を大きく下げたことです。ユーザーは「メルカリ便」を活用すれば、コンビニでラベルを発行して簡単に発送することができます。しかも従来の個人間売買で必要だった「ユーザー間の個人情報のやり取り」を不要にしたことで、個人情報漏洩の心配をなくしたことがサービスの信頼性を高めました。メルカリは、ユーザー同士で安心して売買できる場をつくることに成功したのです。

もう1つのポイントは、これまで入札形式が中心だった個人間売買に固定価格制を導入したことです。値段が吊り上がっていくオークション制ではなく、ユーザーが売りたいものを決まった価格で販売する仕組みを取り入れました。同時に本やDVDであればバーコードを読み取って出品でき、相場価格で販売できるように自動的に設定が行われます。メルカリは出品する手間を省くことで出品のしやすさを大きく向上させました。こうした信頼性と簡単さにより、メルカリは個人間売買の取引件数を大きく伸ばすことに成功したのです。

部品発注の納期短縮を実現したミスミ

デジタルトランスフォーメーションはBtoCだけの話だけではありません。BtoBでもデジタルトランスフォーメーションが行われています。特に有名な事例として機械部品商社のミスミの事例が挙げられます。

ミスミは従来から機械部品のカタログ販売に取り組んできました。以前の機械部品業界は発注を受けて部品をカスタマイズするビジネスモデルが主流でした。そこでミスミは部品を標準化することで短納期かつ大量発注を実現可能にしたのです。

そのミスミが新たなサービスとして立ち上げたのが「meviy(メヴィー)」です。「meviy」は発注者が設計データをアップロードするだけでAIが自動的に納期と価格を即時回答するサービスです。しかもデジタルデータを即時加工するサービスが含まれており、設計データによっては即日発送することが可能です。

「meviy」を使えば、カスタマイズが必要な部品も3D CADデータがあれば即時加工することができるようになりました。これにより例えば開発部門のプロトタイプ制作も従来かかっていた時間から90%以上も時間を削減することに成功しました。ミスミは、部品加工のビジネスモデルを大きく変えているのです。

1杯のコーヒーを安否確認に変えたネスレ

最後にアナログのビジネスモデルを展開していた企業がデジタルトランスフォーメーションにより新たなビジネスモデルを構築した事例をご紹介します。

食品メーカー大手のネスレ日本は、ネスカフェブランドを中心にコーヒーを提供してきました。従来はコーヒーの粉を販売するビジネスモデルでした。そこに新たなに登場したのがネスレのコーヒーマシンです。ネスレのコーヒーマシン「バリスタ・i(アイ)」は、単にコーヒーをつくる機械ではありません。専用アプリを使用すれば、コーヒーを飲むたびにポイントがたまります。

さらにコーヒーマシンの起動状態を家族などに通知することも可能です。この通知機能により、例えば遠方にいる家族がコーヒーを飲んでいるかどうか判断して安否を確認することができます。また、ネスレ側はコーヒーマシンを通じてユーザーがコーヒーを飲む頻度やコーヒーの濃さなどの味の好みをデータとして取得することもできるのです。

ネスレはこうしたデータを今後、健康管理サービスなどに役立てていくことも検討しています。このように、ネスレはコーヒーを売るビジネスから、人々に健康と安心を提供するビジネスへと変貌を遂げつつあるのです。

今回はデジタルトランスフォーメーションの事例を紹介してきました。どの事例もすごく大きな取り組みではなく、小さな工夫や改善が大きな変革へとつながっています。デジタルトランスフォーメーションは特別なことではありません。ちょっとした課題や悩みをデジタルで解決するだけでもデジタルトランスフォーメーションになるかもしれません。ぜひみなさんも取り組んでみてください。

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