新型コロナウイルスの影響は、企業に大きな影響を与えました。業績へのインパクトだけではなく、働き方の急激な変化をもたらしています。多くの企業の人事部は、コロナウイルスの感染拡大防止に加え、テレワークの導入などの対応に追われました。そして今後も対応すべき課題が山積みです。コロナウイルスが人事に与えた影響と今後の課題、そして対策について解説します。

コロナウイルスが企業に及ぼした変化

今年猛威をふるった新型コロナウイルスは、企業に大きな変化を及ぼしました。

業績へのインパクト

世界中でロックダウンが起こり、日本でも緊急事態宣言が発令され、外出の自粛などの要請を受けました。世界の経済活動が止まることで、多くの企業にとって業績悪化は避けられない状況となりました。安泰といわれていた鉄道、航空などの交通業界に加え、日本を代表するメーカーも赤字決算を発表するほどです。業績への影響はこれからさらに本格的になると予想されています。

働き方の変化

感染拡大防止のため、オフィスワークを制限しテレワークを導入する企業が増えました。在宅勤務に加えて、どうしても出社が必要な職種ではオフィスを分散する動きもみられました。混雑する電車通勤を避けるために時差出勤や、車での通勤を推奨する企業もあります。新型コロナウイルスは、働き方に大きな影響を与えています。

次は新型コロナウイルスが人事に与えた影響について考えてみましょう。

コロナショックで浮かび上がった人事の3つの課題

今回のコロナショックで、人事領域では大きく3つの課題が浮上しました。

業績悪化による人員整理の必要性

経済活動が停滞したことにより、急激に業績が悪化したため人員整理の検討を行う企業も出てきました。具体的には派遣社員や契約社員の更新打ち切り、さらには業績低迷者のリストラまで検討されています。企業の業績悪化は、このような人員整理という目に見える形で表れてくるでしょう。

ジョブ型の働き方の必要性

テレワークが普及する中で、雇用制度の見直しも広がっています。物理的に仕事を管理することが難しいテレワークでは、仕事を成果で管理する方法が最適です。仕事を成果で管理するためには、ある程度、仕事の範囲や役割が予め定められている必要があります。仕事の範囲と役割に対して成果はどうだったのか評価するためです。そのため人事では従来のメンバーシップ型雇用に代わり、仕事の範囲と役割を厳密に定義するジョブ型雇用を導入する動きが始まっています。

人事評価の難しさ

テレワーク環境では、物理的に上司が部下の仕事ぶりを評価できないため、プロセス評価や能力評価を導入する企業では評価が難しいという課題が出てきています。そのため人事制度の運用変更や改定を検討する企業が増えています。たとえば、ジョブ型雇用を実現する職務型の人事制度導入などが挙げられます。

このように人事は、新型コロナウイルスの影響により大きな変革の必要性に迫られています。

コロナショックによるリストラへの対応方法

先述の通り、業績悪化により、人員整理を検討している企業も少なくありません。今後のリストラに対して、人事はどのように対応するべきなのでしょうか。

2008年のリーマンショックでは、業績悪化にともない多くのリストラ・人員整理が行われました。今回のコロナショックでもそれに迫る不況水準となるため、採用を絞るだけでなく人員整理も視野に入れるべきでしょう。とはいっても、日本の法律は雇用を守る制度になっているため、一律にリストラをすればよいわけではありません。個人業績や成果に応じた人員整理を行うことで、本当に必要な人材を企業に残すことが必要です。

採用制限や人員整理は企業に長期的な影響を及ぼします。短期的視点だけでなく、中長期的視点も考えて対応しましょう。

ジョブ型雇用の導入方法

ジョブ型雇用の導入方法
テレワークでは、個人の裁量が大きくなります。また成果で評価することが適しているため、ジョブ型の雇用制度がテレワークに適しているでしょう。しかしながらジョブ型雇用制度の実現には、人事制度の構築・運用だけではなく会社のスタンスや働き方、マネジメント手法などをすべて「ジョブ型」の考え方に転換する必要があります。長らくメンバーシップ型雇用を続けてきた日本企業にとって、これらは大きな転換といえます。

採用や要員計画、業務分担や異動、育成方法など検討項目は多岐にわたるため、ジョブ型雇用を導入したのはよいが、運用できていないといった事態にならないよう、「テレワークだから」「コロナだから」ではなく、今後の外部環境変化に対応できる組織づくりを念頭に置くことが重要です。

ジョブ型はアフターコロナ時代の主流の人事制度になりうる考え方です。今から段階的に検討しましょう。

テレワークでの人事評価運用方法

テレワークでは、成果で評価する方法が人事評価として適しています。成果型の評価とはどのように運用すればよいのでしょうか。

次のような要素を取り入れることで成果型の評価を実施することが可能です。

成果に着目し、成果までのプロセスや行動を定義する

成果型の評価を行うには、まず成果が何かを定義しなければなりません。また単に成果を定義するだけでなく、成果に至るまでのプロセスや、成果に必要なスキルを定義し、成果とどのような関連があるのかを明らかにすることで、プロセスやスキルを成果から推測できる状態にするといいでしょう。そうすることで、成果物のみを評価するのではなく、その前段階のプロセスを評価することも可能になります。そのためには、定期的な1on1を実施することなどが効果的です。

成果物の記録

成果物と達成基準について上司と部下で合意が得られたら、そのことを記録することが必要です。また、可能であれば成果物は年単位のものではなく、年単位の目標に対して段階的な成果物を定めておくとよいでしょう。つまり目標に対していくつかの成果物があるイメージです。こうしたいくつかの成果物と達成基準について記録し、定期的に進捗状況の確認を行いましょう。

成果物と達成基準による評価

達成基準は可能な限り数値で測れる具体的な基準がよいでしょう。そのうえで基準に対して50%、100%、120%といった水準で評価がどうなるのかを部下や社員に示します。この時、達成基準100%の時の評価だけでなく、基準が未達だった場合の評価も示しておくことが重要です。こうすることで社員は評価が良かった場合、悪かった場合のイメージをすることができます。

このようにテレワーク環境では、成果物と達成基準をもとに評価を行うのがよいでしょう。

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