ただ行うだけでは意味がない!社内研修の目的を達成するには?

当たり前のことですが、研修は何かしらの目的があってやるものです。しかし、日々仕事をしているといつの間にか研修自体が目的化していることもありますよね。また、毎年実施している研修であれば目的を考えなくなってしまっていることもあります。そこで今回は研修の目的について改めて考えていただくために、研修の目的の立て方、目的の達成方法についてご紹介します。

研修は何のためにやるのか?

そもそも研修は何のために実施するのでしょうか。改めて目的を考えてみましょう。
まず、研修は人材育成のひとつの手段であることを認識しましょう。人材育成の手段には、大きくOJTとOff-JTの分類があります。OJTでは通常業務の中で、上司や先輩社員が実務で必要な知識やノウハウを教え、実践的に育成をしていきます。

そしてOff-JTでは、実務を離れた社内外で研修を実施し、知識やスキル、理論などを体系的に学習します。さらに研修には集合研修や1対1の個別研修、他社交流が可能な公開型研修などの形式があります。また、OJTとOff-JT以外にも、SD(自己啓発)による人材育成もあり、eラーニングや通信教育、資格取得制度によって育成を図ることが可能です。

このように、人材育成の手段は研修以外にも複数存在しています。そのため、目的によって研修が本当に効果的な手段なのか考えましょう。目的は経営状況や会社の戦略、方針によって決まります。

研修が必要になるからには、何かしらスキルや知識を社員に習得してもらうことが目的としてあるはずです。会社の戦略や経営における必要性から、社員にどのようなスキル・知識が必要なのかを考えたうえで目的を設定しましょう。

そしてその上で研修が本当にベストな手段なのか検討を行う必要があります。

研修目的を設定するには?

研修目的を設定するには、いま社員にどのようなスキルや知識が求められているのかを分析しましょう。研修目的の設定には大きく4つのステップがあります。

①経営環境の分析を行う

中期経営計画や会社の方針から経営環境を分析しましょう。SWOTやPESTなどのフレームワークを用いてもよいでしょう。そうすることで、経営上必要な人材を具体化することができます。

②経営陣や現場にヒアリングを行う

経営環境を分析して簡単な仮説を立てたら、その仮説をもとに経営陣や現場にヒアリングを行いましょう。いまどんなことで困っているのか、知識・スキルでどのようなことが必要なのか聞いてみましょう。

③いま必要なスキル・知識を整理する

環境分析とヒアリング結果を整理し、会社の成長を実現するためにいま必要なスキル・知識を整理しましょう。ここでは必要なスキルの優先順位や期間、予算、育成対象などの検討が必要です。

④整理したスキル・知識の習得方法を検討する

整理したスキル・知識からOJT、Off-JTまたはSDのどれが効果的か考えましょう。場合によっては社員を配置転換するなど、アサインメントが有効な場合もあります。研修だけに絞らず、幅広い手段を選択できるようになります。

研修目的は単に担当者だけで考えるのではなく、会社にとっていまどんな知識・スキルが必要かという観点で経営陣や現場も巻き込みながら考えると、より良い効果が期待できます。

目的別の研修

研修の目的が決まったら、目的別に研修を設計しましょう。
研修には先程紹介したように、さまざまな方法があります。育成の目的に合わせて以下のような方法を検討しましょう。これらの方法を組み合わせることも効果的です。

座学

集中的に知識をインプットするなら座学が有効でしょう。ただし習熟度を上げるためにケーススタディや発表演習なども盛り込みましょう。

アクションラーニング

特定のテーマについて解決したいならアクションラーニングが有効です。アクションラーニングは実際の経営課題をテーマとして受講者に取り組んでもらう方法です。これにより会社の課題を本当に解決するとともに、受講者の問題解決力やチームワークを高めます。

講演・薫陶(くんとう)

社員の視点を引き上げ、視野を広げたいなら外部有識者による講演や経営者による薫陶もおすすめです。特に経営者による薫陶は次世代リーダーにとても有効です。経営者になるには経営者の視点を知る必要があるからです。

コーチング・個別指導

特定の人材を強化したいなら、1対1のコーチングや個別指導も有効です。個別指導は集中的に特定の知識・スキルを強化する方法です。技術指導や経営者育成に最適の方法でしょう。

研修はいち手段でしかない

ここまで解説してきましたが、研修はあくまでも何かを解決する一手段でしかありません。
あなたが解決したい課題は何でしょうか。社員の能力を強化したいのでしょうか、あるいは組織のコミュニケーション上の問題を解決したいのでしょうか。

現在の人材開発の主流である「7:2:1」モデルでは、実際の経験から学ぶことが7割、人間関係を通じて培うものが2割、研修やOff-JTから学ぶものは1割であると言われています。OJTが7割だとすると、上司・先輩や同僚、部下の経験を知ることや、自分の行動に対してのフィードバックを受けることが2割、Off-JTやSDは1割程度ということになります。

つまり、研修だけでは人は育ちません。研修はあくまでも実践をサポートする方法です。特に、環境変化の激しい現代では学んだ知識がすぐに陳腐化してしまいます。そのような社会環境の中では知識の習得に時間をかけることは効果的な方法ではありません。それよりも実践力を養うことに時間をかけるべきです。

一方、組織のコミュニケーションを活性化させたいならワークショップを開いて互いの本音を話し合うことも有効な手段です。ただしその場合もワークショップが全てを解決すると思わず、コミュニケーションツールを変更するなど、職業での実践をサポートする仕組みと合わせて実施しましょう。

研修を実施するなら、解決したい課題と、解決するために最適なソリューションを全て洗い出し、課題に対して研修という方法が最適かどうか検証する必要があります。

研修の効果測定


研修を実施したら目的を達成できたか効果測定をする必要があります。研修の効果測定は大きく3ステップで行われます。

あらかじめKPIを決めておく

まず目的に対してどうなれば達成となるのか、測定可能なKPIを決めておきましょう。受講者の満足度だけでなく、受講者の到達度、費用対効果など具体的な指標を決めることが重要です。

目的の達成度を測る

KPIを決めておけば、あとは測定方法です。アンケートや受講者のレポートなど、研修実施後の成果物により目的を達成したかどうか調べましょう。研修を実施する前と実施した後のデータを収集・比較することも効果的です。

振り返りを行う

最も重要なのが振り返りを行うことです。受講目的の達成度から振り返りを行い、次回に向けた改善点やフォローが必要かどうかを検討しましょう。

研修はやりっぱなしにするのではなく、必ず目的に対する到達度を計ることが重要です。こうすることで真の問題解決手段として研修を活用することができます。

関連キーワード
お知らせ
お役立ち情報①

【人事のプロが語る、本音のコラムを公開中】

人事を戦略に変える専門家たちが様々なテーマを解説し、"どうあるべきか"本音 で語っている記事を公開しています。きっとあなたの悩みも解消されるはずです。

お役立ち情報②

【お役立ち資料を無料ダウンロード】

基礎的なビジネスマナーテレワーク規定、管理職の方向けの部下の育て方評価のポイントまで多種多様な資料を無料で配布しています。ぜひご活用ください。

おすすめの記事