シェアードサービス(shared service)とは、複数のグループ会社内にある人事・経理・情報システムなどの間接部門の業務をひとつに集約することで、業務効率化おのびコスト削減を図る経営手法である。
業務の集約をすることで、各会社に重複してあった業務や、重複人材のスクラップが可能となり、コストの見直し、削減につながる。さらに集約を図る際、業務標準化を推進する必要があるため、結果として画一的で均一なアウトプットの創出が可能になり、一定業務品質の維持につながる。 最終的には、業務のノウハウを蓄積し、プロフィットセンターとして業務の受託など外販をしていくことを視野に入れるケースもある。
こうしてシェアードサービスは、アメリカのGE社(ゼネラル・エレクトリック)が導入したことが起源であり、各社・各部門に散らばっていた経理業務を1つの部門に集約することで各部門の業務簡素化を実現する目的で実施された。 その後ERP (Enterprise Resource Planning 企業資源計画)がアメリカの大企業などで導入されたことにより、さらにシェアードサービスの活用が広がっっていったとされる。
日本においても、1997年に純粋持株会社が解禁された以降法整備が進み、グループ経営が推進されるようになってから、多くの企業が導入している。バブル崩壊後の不況や情報技術の急速な発展を背景に、業務集約化や標準化を図り、業務の効率化やコスト削減、品質向上を実現する目的で活用例が増えてきた
しかし導入時には、業務統一化に向けて膨大な調整や労力、開発費もかさみ、、運用時には単純化された業務を担う人材の動機づけやキャリアパスに対する取り組みが必要があるなど、課題も多い。
シェアードサービス対象の例: 経理部門、財務部門の一般会計業務や財務業務、総務部門、人事部門の給与計算業務や社会保険業務、情報システム部門のヘルプデスク業務、物流部門の受発注業務など