法令等の周知義務とは、使用者が労働者にたいして周知させる義務があるものを指す。周知させる内容は、以下のとおりである。(労働基準法第106条)
1)労働基準法の趣旨
2)労働基準法に基づく命令の要旨
3)労働基準法に基づく労使協定
4)就業規則
5)労使委員会の決議
周知方法は、常時各作業場の見やすい場所への掲示や備え付け、書面交付、または厚生労働省令で定められた方法を取る必要がある。
なお3の「労働基準法に基づく労使協定」とは以下の協定のことである。
・労働者の貯蓄金の委託を受けて管理しようとする場合の協定
・賃金の一部を控除して支払うことについての協定
・1ヶ月単位の変形労働時間制についての協定
・レックスタイム制についての協定
・1年単位の変形労働時間制についての協定
・1週間単位の非定型的変形労働時間制についての協定
・休憩時間の一斉付与の適用除外についての協定
・36協定
・事業場外労働における業務の遂行に通常必要とされる時間についての協定
・専門業務型裁量労働制の対象業務についての協定
・年次有給休暇の計画的付与についての協定
・年次有給休暇中の賃金についての協定
5の「労働基準法に基づく労使委員会の決議」とは次のとおりである。
・企画業務型裁量労働制の対象業務
・企画業務裁量労働制の対象労働者からの苦情処理に関する措置を労使委員会の決議で定めるところにより使用者が講じること
なお、これらの周知義務に違反した際は、30万円以下の罰金に処される。