PMBOKとは、アメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI:Project Management Institute)が提唱する、プロジェクトマネジメントのための標準的なフレームワーク手順をまとめたものである。通称は「ピンボック」。
PMBOKの目標は、可能な限り高品質で、低コストで、納期を早く(QCD)であり、それを実現するために計画を立て、実行することである。PMBOKは以下の8つのマネジメント項目と、それを統合的に管理する“統合マネジメント”の10つの知識エリアで構成される。
1)スコープ(開発の目的とその範囲)
2)タイムスケジュール
3)コスト管理
4)品質管理
5)人的リソースの管理(顧客、開発サイド含む)
6)コミュニケーション(コミュニケーションの方法と適用シーンの決定)
7)リスク管理
8)調達管理
これら8つの項目を統合(インテグレーション)してマネジメントしながら、計画立案・実施していくことで、「各領域をきちんとやる」のではなく、バランスをとりながら、QCDを実現することを目指す。
たとえば事前にタイムスケジュールや品質において起こり得るリスクを認識し、何か問題が起こった際のコミュニケーションの方策や対処法などを決めておくことで、トラブルの長期化を防止する効果がある。こうしてプロジェクトの提案段階から評価に至る一連のプロセスにPMBOKを適用することで、プロジェクトをより効果的に実施できるようになる。
従来はQCDのみ管理することでプロジェクトを進めるケースが多かったが、これではプロセスを管理できず、結果的にQCDも達成しにくいという課題があった。そこでプロセス段階からきちんと管理するという考えが広がっていった。