「安全管理者」とは、法定の業種とその他の条件を満たす事業場の場合、選任しなければならない役職である。(労働安全衛生法第11条第1項)
選任された担当者は、作業場を巡回して設備に危険なところがないか、作業員の作業に危ない点はないかなどのを確認して、問題があれば安全策を講じるなどのことをする必要がある。

政令に定める業種及び規模は以下のとおりである。
1)業種
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業(物の加工業)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業
2)規模
常時50名以上の労働者(アルバイト、パート等を含む)を使用する事業場
安全管理者は業種及び規模に応じて、「専属」でなければならない。

選任基準は以下である。
建設業、有機化学工業製品製造業、石油製品製造業:300名以上
無機化学工業製品製造業、化学肥料製造業、道路貨物運送業、港湾運送業:500名以上
紙・パルプ製造業、鉄鋼業、造船業:1000名以上
上記以外の業種の場合、労働災害に関する条件を満たしている2000名以上の事業場も該当する。

安全管理者資格を取得するためには、厚生労働省によって定められている研修・講習を受講する必要があり、なおかつ以下の条件を満たす必要がある。

以下のいずれかに該当し、また厚生労働大臣が定める研修を終了したもの

1)大学又は高等専門学校で理科系統の正規の過程を修めて卒業した者で、その後3年以上産業安全の業務に従事した経験を有する
2)高等学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後5年以上産業安全の実務に従事した経験を有する
3)大学、高等専門学校で理科系統の課程以外の正規課程を修め卒業した者で、その後4年以上産業安全の実務に従事した経験を有する
4)高等学校や中等教育学校において理科系統の学科以外の正規学科を修め卒業した者で、その後6年以上産業安全の実務に従事した経験を有する
5)7年以上産業安全の実務に従事した経験を有する
6)その他(職業訓練課程修了者関係など)

労働安全コンサルタント

※2名以上の安全管理者を選任する場合においては、安全管理者のなかに「労働安全コンサルタント」が選任されている場合は、労働安全コンサルタントのうちの1名は専属でなくても構わない。

選任された安全管理者が遂行する業務には、つぎのようなものがある。
1)建設物、設備、作業場所または作業方法に危険がある場合における応急措置または適当な防止の措置
2)安全装置、保護具その他危険防止のための設備・器具の定期的点検および整備
3)作業の安全についての教育及び訓練
4)発生した災害原因の調査及び対策の検討
5)消防及び避難の訓練
6)作業主任者その他安全に関する補助者の監督
7)安全に関する資料の作成、収集及び重要事項の記録
8)その事業の労働者が行なう作業が他の事業の労働者が行なう作業と同一の場所において行なわれる場合における安全に関し、必要な措置

事業者は、安全管理者を選任した時には、選任報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
また、安全管理者がやむを得ない理由によって職務を行えない時には、代理者を選任する必要がある。

関連用語

統括安全衛生管理者
安全衛生推進者
衛生管理者

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