ナーチャリングとは、顧客を育成し、自社と顧客とのつながりを深めていくための施策です。事業にとってさまざまなメリットがあるため、取り入れたいと考えている企業も多いでしょう。ナーチャリングを上手に進めるためには、よく内容を知ることが大切です。本記事では、ナーチャリングの概要やメリットとともに、手法、成功させるためのポイントなどを解説します。

ナーチャリングとは

ナーチャリングとは、顧客の育成を意味する言葉であり、主にマーケティングやセールスの分野で使われます。例えば今後顧客になる可能性がある見込み客を育てる、1度商品・サービスを利用した顧客をリピーターに育てるなどがナーチャリングに当たります。

ナーチャリングを行うメリット

ナーチャリングを行うことで、企業はさまざまなメリットを期待できます。例えば次のようなメリットが考えられるでしょう。

営業を効率的に進められる

ナーチャリングは営業を効率的に進めたい場合に非常に有効な施策です。なぜなら、ナーチャリングは顧客としての可能性がある層を育てる方法なので、成功につながりやすいのです。例えば、全く自社の商品・サービスに興味のない層を、顧客になるまで開拓していくのはとても大変。まず商品・サービスに興味を持ってもらうところからスタートしなければならないため、手間も時間も多くかかります。また、労力をかけても最終的に顧客になってくれるとは限りません。その点、ナーチャリングは既に商品・サービスに一定の興味を持っている層を上の段階まで育成するので、目標到達までの道のりをコンパクトにでき、また顧客獲得に失敗しにくいのです。

離脱顧客の掘り起こしができる

ナーチャリングを行えば、離脱顧客の掘り起こしも可能です。例えば1度商品・サービスを利用し、その後の利用がない顧客に対してナーチャリングで上手くアプローチできれば、再び顧客になってくれる可能性があります。

顧客離れを防げる

例えば商品・サービスの利用期間終了間際になると、顧客が離脱する可能性が高まります。しかし、終了前のタイミングでナーチャリングを行い、顧客の興味をまた引き付けることで、更新をしてもらいやすくなります。ナーチャリングには、顧客離れを防ぐメリットもあるのです。

売上アップにつながる

ナーチャリングで商品・サービスの良さをより幅広い顧客に理解してもらえれば、さらに多くの売上が期待できます。見込み顧客の育成に成功すれば、新たな売上につながるはずです。また、既存顧客の育成が進めば、これまでより上位の商品・サービスを購入してくれる可能性もあります。

顧客別のナーチャリングの手法

ナーチャリングにはさまざまな手法があり、どのような顧客を育成したいのかによって、適切な手法は異なります。ここでは、顧客別のナーチャリング手法を解説します。

見込み顧客に対するナーチャリング手法

見込み顧客の育成は「リードナーチャリング」と呼ばれます(見込み顧客を「リード」と言うことに由来)。Web広告やメールなどで商品・サービスについて発信し、興味を持ってくれている層に対し、さらにアプローチします。リードナーチャリングでは、セミナーなどの対面で行う営業のほか、DM・メルマガ・ステップメールなど非対面の営業、いわゆるインサイドセールスが多く用いられるのも特徴です。インサイドセールスを活用することで、人的なコストを抑えつつ、大きな効果を期待できます。

既存顧客に対するナーチャリング手法

既に商品・サービスを購入している顧客に対しては、購入の継続や、さらに大きな金額の購入をしてもらえるようナーチャリングを行います。具体的には、アップセルやクロスセルなどの手法で、商品・サービスをより幅広く紹介し、興味を引くのがポピュラーです。既存顧客は見込み顧客よりも商品・サービスへの興味レベルが高いため、比較的コストをかけずにナーチャリングを実施できるというメリットもあります。

ナーチャリングを成功させるためのポイント

それでは最後に、ナーチャリングを成功させるため意識しておきたいポイントを紹介します。

ナーチャリングの質を高める

ナーチャリングは、単に顧客に対してあれこれ働きかけをすれば効果が出るというわけではありません。メールを送るにしても、広告で発信するにしても、その内容が顧客にとって有益で魅力的なものでなければ、育成は失敗に終わるでしょう。数を打つだけでなく、顧客の興味を引き、その商品・サービスを利用しようと思わせるような内容がなければ無意味です。ナーチャリングの手法とともに、その手法で何を訴求するかもしっかり検討しましょう。

ある程度集客がある状態で行う

ナーチャリングは、見込み顧客や既存顧客が、ある程度多く存在する状態でなければ効果も薄いものになってしまいます。まだ集客が十分でない状態なら、まずは自社の商品・サービスに興味を持ってくれる人を増やすところから始めてください。ナーチャリングはその後です。

顧客の動きを予想しながらアクションを考える

ナーチャリングは顧客の動きを予想して、シーンごとにどのようなアクションを起こすか考えることも大切です。例えばセミナーを開催したり、メールを送ったり、セールスを行ったからと言って顧客がこちらの思うような行動をとってくれるとは限りません。顧客からのリアクションがないことも想定し、次にどのようなアクションを起こすのか考えておく必要があります。この場合はこう対応するなど、あらかじめさまざまな予想図を描きながら、ナーチャリングを進めていきましょう。

データの分析を行い必要に応じて手法の改善を図る

ナーチャリングが上手く進まない場合、そこには必ず原因があります。ナーチャリングの過程で得られたデータを分析し、状況を把握することが大切です。問題があるならそれを洗い出し、必要に応じて手法などの改善を図ることも、目標を達成するために重要なポイント。ナーチャリングがしっかり成果につながっているのか、逐次分析しながら、より効果的な手法を考えましょう。

すぐに効果が見えなくても焦らない

これは営業手法全般に言えることですが、すぐに結果を焦らないことも非常に大切です。ナーチャリングを行った後、すぐに目覚ましい効果が見られるわけではありません。マーケティングやセールスは、顧客にアプローチを行い、ニーズとのギャップを修正し、また改善したアプローチを行う、この繰り返しです。また、効果的なセールスであっても、それが顧客に浸透していくまでには時間がかかります。結果がなかなか見えない焦りから、的外れなセールスなどを行ってしまうと成功するものもしません。ある程度長期的な目を持ち、落ち着いて行いましょう。

優良顧客に対するナーチャリングも重要

顧客の中でも商品・サービスを長期的に購入している・大量に購入しているなど、特に優良な層に対してもナーチャリングは必要です。優良な顧客だからと放置していると、別の会社の商品・サービスに顧客が興味を移す可能性もあります。優良顧客にずっと自社の顧客でいてもらうためには、既に営業は完了していると安心せず、さらに満足度を高められるようナーチャリングを行うことが大切です。

ナーチャリングで顧客開拓や顧客離れの予防などを成功させよう

ナーチャリングは、新規顧客の開拓・顧客離れの予防など、顧客の獲得に幅広く効果を発揮する施策です。ただし、実施すればそれで自動的に効果が上がるわけではありません。今回紹介したような成功させるためのポイントなどを押さえながら、顧客の種類に応じ適切な手法でアプローチすることが大切です。ぜひこの記事を参考に、自社でどのようなナーチャリングを進めていくか考えてみてください。

この記事を読んだあなたにおすすめ!

こちらの記事もおすすめ!
お役立ち情報
メルマガ無料配信

お役立ち情報満載!ピックアップ記事配信、セミナー情報をGETしよう!

人事のプロが語る、本音のコラムを公開中

人事を戦略に変える専門家たちが様々なテーマを解説し、"どうあるべきか"本音 で語っている記事を公開しています。きっとあなたの悩みも解消されるはずです。


お役立ち資料を無料ダウンロード
基礎的なビジネスマナーテレワーク規定、管理職の方向けの部下の育て方評価のポイントまで多種多様な資料を無料で配布しています。ぜひご活用ください。