クローズド・ショップ制(closed shop)とは、使用者が採用する雇用者は、採用時に特定の労働組合に加入していなければならないという制度である。脱退などで組合員でなくなった場合には、解雇するという協定になっており、労働組合が労働力の供給を独占しながら労働力の維持・強化を図るという趣旨がある。
これは、18世紀半ばのイギリスの産業革命を背景にヨーロッパ諸国(産業別労働組合が存在する国)においてはよく見られる制度だが、日本においてはあまり見られない。
誕生の背景にあるのはイギリスの産業革命である。これにより機械が発達したことで、熟練労働者よりも低賃金で働く未熟練労働者を工場は雇うようになっていった。そこで熟練労働者たちは、自らのスキルに対する対価を維持する未熟練労働者と一緒に職業別組合を結成していった。同組合は技能に即した賃金を設定し、それに見合わない処遇での労働を拒めるようになった。
クローズド・ショップ制のメリットは、使用者側にとっては熟練した技術を有するものの確保につながり、労働者にとっては自分たちのスキルを活かした職務に当たれるということである。しかし現在では、クローズド・ショップ制を規制する国が増えている。