マネジメント人材においては、年間1,000回以上は口にすると思われる「成果」という言葉をどのようなモノとしてとらえているでしょうか。
ある方は「売上」「利益」「商品の販売数」「取組みの回数」。また別の方は、「商品の品質」「サービス品質」「業務品質」など。加えて「目標に対する達成度」「お客様の満足度」などをイメージする方もいらっしゃるでしょう。

同じ社内であっても、答えはまちまちなケースも多いものです。試しに、周囲の方に質問をしてみてください。想定以上にばらばらな答えが返ってくるはずです。

これだけ一般語、特に企業内では日常的に用いられている言葉にも関わらず、意外に定義が明確になっていない言葉は多いものです。裏を返すと、下位者からは「言葉の意味するものが」はっきりしないことで上位者の意図する行動につながっていないケースもあるのです。

したがっていくらマネジメントが「成果を上げろ!」と声高に叫んでも、その言葉を聞いた下位者は、「上司が言っている成果が何かよくわかっていないために、何をしたらいいかわからない」といった状態を生じさせている場合もあります。「行動のぶれ」や「行動の未徹底」は何も実行者の能力が低いことによってのみ引き起こされるものではなく、組織内でその意味することが共有されていないことで行動が適切に行われない場合もあるのです。

余談ですがコンサルティングの現場ではこのように、「一般的に多様・活用されていながらも、実は意味や定義が明確になっていない(なんとなくは理解されている)言葉」を"マジックワード"などと呼んだりします。

我々が定義する「成果」とは

成果とは
「成果」=「量」×「質」×「会社が求めるもの」で示すことができると考えています。

  • 「量」:「売上」「利益」「数量」など定量的に捕捉できるもの
  • 「質」:「サービス品質」「業務品質」「価値」「お客様の満足度」など
  • 「会社が求めるもの」:「会社方針との整合性」「自社の考え方との合致度」など

特に、最後の「会社が求めるもの」忘れがちですが非常に重要なものです。
いくら「量」や「質」が高くても、「会社が求めるもの」との整合性や合致度が低ければ、それは自社で上げるべき「成果」と言えない場合もあります。
すなわちもの3つを全て適切に満たして初めて「成果」が『成果』であると言えるのです。

当然ですが各企業の現場によってそれぞれ「量」「質」「会社が求めるもの」は異なります。
したがって、企業内において「成果」を共有するためにはその1つ1つの意味することを定義したうえで組織内で適切にすり合わせ、齟齬無い状態を作ることが、必要になります。

「成果」の定義が、収益貢献のための活動の第一歩になるのです。
その共有により組織ごとに共通の「成果」が浸透してはじめて組織が一体となった「成果貢献への取り組み」が実践できます。

ぜひ、皆さんも「成果」の再定義から始めてみませんか。

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