企業を取り巻く環境は変化しており、必要とされる変化に対応できない企業は、社会の一員として認識されない時代になっています。社会で起きている問題を自社の課題と考えて取り組むことが各企業に求められており、多くの企業が参画し始めているのが、SDGsです。こちらでは、企業SDGsに取り組むべき必要性と得られるメリット、SDGsを浸透させるための研修内容を紹介します。

企業がSDGsに取り組むべき必要性

各企業は、SDGsを理解したうえで目指すべき方向性を明確にし、必要な研修を行っていくと、効果的にSDGsを推進できます。それにはまず、SDGsの必要性を考慮するとよいでしょう。

社会情勢の変化

各企業がSDGsに取り組む必要があるのは、社会情勢の変化が一因です。SDGsは、2030年までに持続可能な世界を目指すため、2015年の国連サミットで国際社会の目標とすることを提唱し、だれもがSDGsの当事者となりました。SDGsが掲げる17の目標は、国や個人だけでなく、企業としても取り組めるもの、企業でなければ取り組めない目標も多く設定されています。利益を追求するだけの姿勢や、財務諸表重視の態度に固執する企業は受け入れられなくなっています。

環境問題は待ったなしの状況

国連のサミットでは、SDGs目標の提唱とともに、SDGsに取り組まないと、将来どのような世界が待ち受けているかも明らかにしました。このまま何もしないと地球の環境が損なわれることは、毎年のように起きる自然災害や、南極・北極の氷が解けて地球温暖化が進んでいる実情から理解できます。厳しい現実を突きつけられ、多くの人の危機感が高まっており、SDGsに真剣に取り組まなければと考える企業が増加する要因となっています。会社としても、事業を展開する状況が悪化すれば、肝心の企業活動もままならなくなるため、SDGsに取り組むことは重要です。

企業にとってSDGsがメリットとなる理由

SDGsは、企業にとって必要というだけでなく、取り組むことには大きなメリットがあります。メリットを理解すると、SDGsを積極的にとらえられるに違いありません。

新たなビジネスチャンスにつながる

SDGsで明らかになった課題は、見方を変えれば企業にとってのビジネスチャンスといえます。SDGsが必要なのは、これまで重視されなかったり、本格的に事業参入されなかった分野がメインとなるからです。すでに各社で事業化された成熟した分野ではなく、新たなビジネスモデルを構築し可能性を広げられる分野で、競合他社がそれほどいない状態で勝負できるのが、SDGsに取り組む利点です。アイデア次第で、社会のニーズに合った新規事業の開拓は可能ですし、それが自社を支える新たな柱となるかもしれません。既存事業での競争が激化しているなど、打開策を探している企業は特に、SDGsを軸に自社のビジネス展開を検討できるでしょう。

企業のイメージアップに貢献

SDGsに取り組むと、企業イメージが良くなることもメリットといえます。近年では、自社製品やサービスをダイレクトに宣伝するのではなく、社会が直面している課題や将来の懸念に取り組む姿勢や理念を前面に出したコマーシャルが多くなっています。これらの傾向は、SDGsを意識していることがうかがわれ、人々に与える印象も良い方向に変化させています。SDGsの取り組みが明確になるにつれ、「こういう取り組みをしている企業の商品を買おう」と考える人が少なからず出てきました。企業イメージが、売上や利益に結び付くケースが増えていることは、SDGsに取り組む利点となります。

自社商品やサービスの価値が向上

提供する商品やサービスにプラスアルファの価値が生まれることも、SDGsに取り組むメリットです。今まで廃棄されていた素材を使って製品を生み出したり、設備を改良して二酸化炭素の排出を抑える努力をすると、社会問題に敏感な消費者は「多少値段が高くても環境問題に資する取り組みをしている会社のサービスを利用しよう」と考えるようです。環境や社会問題への意識の高さは、現代のトレンドとなっています。消費者の意思決定を左右する要因の一つとなるのが、企業のSDGsへの取り組み度合いです。SDGsを企業運営に取り入れ、消費者に理解されるようアピールを続けると、商品やサービスの価値向上に役立つことでしょう。

優良な投資先として認知される

SDGsの取り組みは、投資対象として適格かどうかを判断する基準にもなっています。これまでは、企業価値を推し量るうえで、業績や財務状況が主な指標とされてきました。ですがこれからは、SDGsで提唱されている環境や社会問題に真摯に取り組む姿勢や企業倫理が重視されていくでしょう。

財務諸表など目に見える資料からは判断できない、環境・社会・ガバナンスを意味するESGは、実際に企業投資の新たな判断基準として注目されています。日本では2017年7月に、GPIFである年金積立金管理運用独立行政法人がESG投資を本格的にはじめ、株式投資運用で活用されているようです。海外での取り組みはさらに先進的で、気候変動リスクにどういった戦略を持っているかを企業に情報開示するよう求めていく姿勢を鮮明にしています。将来、環境リスクの開示があたりまえのように要求される時代が到来してもおかしくないといえます。

SDGsの研修内容をステップごとにご紹介

SDGsは、一夜にして始められるものではないため、社内にSDGsの理念が浸透するよう、少しずつ着実に歩を進めていく必要があります。そのために役立つのが、SDGs研修です。一口にSDGs研修といっても、自社がSDGsをどれほど推進できているかで、研修内容は異なってきます。つまり、目的意識を持ち、自社の立ち位置に最適なSDGs研修を行っていく必要があるということです。

まず、SDGsにまったく取り組んでおらず、自社で取り組みを始めるかどうかを検討する段階であれば、SDGsの基礎知識を研修内容とできるでしょう。SDGsを理解し、企業で取り組む必要性やどんなメリット・デメリットがあるかを知るのに役立つ内容を選択します。こちらの研修は、従業員全員というよりも、経営層やSDGsを推進する立場にあるメンバーを中心に行うとよいかもしれません。上層部や実際にSDGs推進の先頭に立つ人員に対して研修を行うことで、自社で取り組むSDGsの方向性など、ベースとなる部分が形成されるはずです。

SDGsの取り組みを進めることは決まっているものの、具体的な内容がはっきりしていないケースでは、SDGsを自社との関係で、事業を絡めて考えるのに資する研修を行うとよいでしょう。こちらも、経営陣やSDGs推進担当者が対象となります。SDGsの理解を深め、短期的ではなく、長期目標に据えるのに役立つ内容を研修として扱うなら、方針を決定するのに役立つはずです。

自社で取り組むべきSDGsの方向性が決定した後、実際にSDGsに取り組む方法や手順を学べる研修を行うと、実現に向けて大きく前進します。こちらの研修では、目標達成までの期間設定や取り組み完了後に成し遂げられていることなどをイメージし、各従業員に浸透させるための具体案をディスカッションする場とできます。この研修も引き続き、経営層やSDGs推進担当者が対象となります。

前述の骨子や具体案が策定されたなら、全従業員に向けた研修に入ります。従業員向けの研修では、経営陣やSDGs推進担当者が受けてきた研修のエッセンスを凝縮した内容とし、SDGsの理解や自社の方針のほか、所属する業界や各事業分野で当てはめたい内容に特化して行うと、自分事としてとらえられるに違いありません。研修は、基礎的な内容を学ぶ場合は座学やe-ラーニングが適していますが、SDGsの大切さや、一人一人がどのように実践できるかを学ぶには、ゲーム形式など体験型にした方が効果的です。

SDGs研修は、新入社員と一般社員、役員では内容を変えた方がよいケースも多く見受けられます。SDGs推進担当に人事のスタッフを加え、自社の事情を加味した研修プランを立てると効果的なものになるようです。自社が親会社の場合は、子会社にもSDGsの方針が伝わるよう、責任をもって研修を実施していく必要があります。

SDGs研修のポイント

自社でSDGsの策定に取り組む担当者や経営陣は、SDGsの基本を把握し、取り組みを進める必要性やメリットを理解するための研修を初期段階で行うとよいでしょう。SDGsを会社の方針としたところで、自社の目標や具体的に取り組む内容を詰めていきます。最後に、全従業員がSDGsを体得し実施できるよう、座学と体験型研修を組み合わせて行うのが効果的です。

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