賃金の非常時払いとは、労働者が非常時に宛てる費用を請求した場合においては、使用者は支払期日を繰り上げ、すでになされた労働に対する賃金を支払わなければならない制度である。
「非常時」とは、以下の4つを指している。
1)出産、疾病、災害
2)労働者の収入によって生計を維持するものの出産、疾病、災害
3)労働者またはその収入によって生計を維持するものの結婚、死亡
4)労働者またはその収入によって生計を維持するもののやむ得ない事由による1週間以上の帰郷
「労働者の収入によって生計を維持する者」とは、親族にかぎったものではなく、事実上労働者の収入によって生計を維持しているかどうかで判断される。
なお、これは「賃金の前借り」とは異なる制度である。賃金の前借りは、支払日前に労働者が使用者から賃金相当額を借り入れることにより、労使間で金銭消費貸借を行うことをいう。
関連用語
賃金支払形態
賃金台帳
賃金支払の5原則
賃金積上げ方式
賃金表