退職金の前払い制度とは、退職時に支払われていた退職金を廃止して、給与あるいは賞与といった手当てに上乗せして支払う制度である。昨今、企業のバランスシート上に現れる退職給付債務の問題を解消するため、または日本版401K(確定拠出年金)などの法制化により、課税上、従業員に不利にならない支払い方法が整備されてきたために、この前払い制度が増加傾向となっている。
退職金を前払いにすることの企業側のメリットは、退職金を各期で清算できるため、積立不足の懸念がなくなることだ。従業員側のメリットは、中途退職によって退職金の算定が不利にならないことである。