コア人材とは、一般的には企業の事業の中核として支えている人物、人材、必要不可欠となる業務を担っている人材、あるいは経営をコントロールする側の人材のことを指す。しかし用語に明確な定義はなく、企業によって捉え方は様々だ。
近年では、目まぐるしい時代の変化に対応するため、経営のスピード化、効率化、また新規事業創出を図る企業が増加しており、各々の組織において、ビジョン~戦略立案~事業創造をしていく経営マインドを持った人材が求められている。ところが人材採用が難しい時代において、即戦力としてのコア人材を採用し、また定着させることは容易ではなく、また一朝一夕に育成することもできない。
くわえて従来の日本の人材育成手法(ジョブローテーションなど)では、専門知識の習得や、ゼネラリスト人材の育成には有効であっても、ビジョン策定・戦略立案・事業創造を網羅できる人材育成は難しいとされている。
コア人材を育成するためには、まず自社におけるコア人材を定義し、コアポジションへ昇格するためのキャリアパスを明確化することが重要だ。
さらに、過去の能力や業績評価履歴だけでなく、コンピテンシーなどのアセスメントを実施することが望ましい。育成していく必要のある内容とは、経営知識の習得の他に、企業の理念やビジョン、方針への理解なども含まれる。
企業がコア人材を育成するためには、企業内部研修、外部教育機関への派遣、ストレッチポスト(新規事業立上げ、戦略策定等)への登用などが有効である。
また、コア人材と対峙する定型的業務を行う非正社員人材を「フロー人材」と呼ぶ。企業は人的資源管理において、コア人材とフロー人材をいかに効率よくミックスさせていくを考える必要がある。