ABCDE理論とは、臨床心理の権威、アルバート・エリス(アメリカ)が創始したカウンセリング理論である。たとえば、ものごとのネガティブな部分にばかり視点が向いてしまいがちな人は、このABCD理論を身につけることで、ものごとを多面的に捉えられるようになり、ネガティブ思考をトレーニングすることが可能となる。
アルバート・エリスが提唱する理論によると、基本的な心理モデルとして定義ABCDEとはそれぞれ下記のようになる。
A=Affairs,Activating Event:客観的な外部からの出来事・生活環境
B=Belief:客観的な外部からの事象をどのように受け止めるのか・考え方
C=Consequence:結果(気分・感情・行動)
D=Dispute:反論・反駁・自問自答
E=Effective New Belief,Effective New Philosophy:効果
エリスの考えによると、人間の不適応な感情や気分といった類は、A=客観的な出来事によって直接引き起こされるのではなく、B=捉え方や考え方によって引き起こされるとなる。起きた出来事は変えられないが、その出来事をどうとらえるか(合理的な思考なのか非合理的な思考なのか)は自分で変えられるということだ。
そしてもし、ネガティブな感情になってしまった場合、その考えを自問自答することで(D)、良い受け止め方に修正する(B)、というプロセスを踏むことで、良い結果や効果(E)、をもたらすというのが一連の流れだ。
ネガティブな思い込みを変容させることで、「感情の適応・気分の改善」といった効果を生み出すことが出来るとされる。