テイラー・システム

テイラー・システムとは、20世紀はじめにフレドリック・テイラーによって確立された、マネジメント法のひとつである。工場の作業者を効率的に管理する手法を示したもので、「科学的管理方法（Scientific Management）」とも呼ばれている。
テイラーは、当時問題になっていたその場しのぎ的な「成り行き経営」や非効率な業務遂行、怠業などの問題を解決するため、作業をいくつかのユニットに分け、ユニットごとの動作や作業完了までにかかる時間を調査した。さらに、1日の標準的な作業量を定め、どのような人材でもその仕事量を達成できるような、作業の手順や工具などの標準を定めるなどの管理法を確立した。
このマネジメントにより、経営者側は作業を「管理」することが可能となり、生産性の向上やコスト削減に寄与した。

つまりこの管理法の原理は、
１）課業（1日の標準的な作業量）管理：1日のノルマ量の設定
２）作業や工具などの標準化：生産工程における標準的作業時間と、作業に使う工具や手順などの標準化
３）作業管理のために最適な組織形態：生産計画の立案・管理の専門部署を現場から分離して作った
の３つから成る。

このシステムを人材マネジメントに活かせば、たとえば、ある一定の作業をある一定の時間内に終えられない従業員に対しては、より効率的な動き（仕事の仕方）をトレーニングすることができる。
またテイラーは、一定の時間内に基準量に達した場合と達しなかった場合で、貸率変動させることで、従業員の仕事意欲を掻き立てようとする仕組みを考案。これは現在の、従業員のモチベーションを向上させようとするインセンティブや成果主義にも通じる考え方である。