図式尺度法とは、人事考課の方法のひとつで、評価要素ごとに段落的な評価基準の目盛りを設定し、該当項目をチェックしていく方法のことである。世の中で最も普及している、簡単な評価方法評価とされる。評価の目盛りは5~7段階が適切であるといわれるが、段階が多い場合と少ない場合それぞれにメリットデメリットがある。
評価の段階が多い場合
メリット:達成状態が細かく設定できる
デメリット:1段階の差の基準がわかりにくい
例)達成率 80%と79%の「1%の差」を示しにくい
評価の段階が少ない場合
メリット:1段階の差が明確であるため評価者にとって評価しやすい
デメリット:段階を一つ引き上げる、一つ引き下げるハードルが高く、結果として中央化傾向を引き起こしやすい
例)達成率100%と50%と0%がある場合、50%に集中しやすい
図式尺度法のメリット
・評価者にとっても被評価者にとっても理解しやすいこと
・評価結果が自動的に数値に換算できる簡便性
図式尺度法のデメリット
・数値で換算できるため結果値より逆算して各項目の評価をする逆算化傾向が発生することが挙げられる
逆算化傾向を改善するためには、各項目の評価の観点を明確にする、または目盛りにある達成状態を明確にするなど評価基準を明確にすると同時に、評価者トレーニングによって評価者の目線を合わせることが効果的である。