メンタルヘルス(mental health)とは、労働者の心の健康づくりのことである。世界保健機関(WHO)では「自身の可能性を認識し、日常のストレスに対処でき、生産的かつ有益な仕事ができ、さらに自分が所属するコミュニティに貢献できる健康な状態」と定義している。近年、仕事や職業生活に不安や悩み、ストレスがあると訴える労働者が増えていることから、メンタルヘルスの重要性は強く叫ばれている。日本においては、特にバブル崩壊後のリストラを背景にした少数精鋭での業務遂行によっておきた業務量の増加、または成果主義の追求により、従業員の心的負担が増大している。
うつ病などの精神障害の労災請求および認定件数も増加傾向にあり、企業におけるメンタルヘルス対策の重要性が増している。
企業は、厚生労働者が2015年に公表した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(改正)で示された「4つのケア」を継続的かつ計画的に行うことが求められる。
1)セルフケア
2)ラインによるケア
3)事業場内産業保険スタッフによるケア
4)事業場外資源によるケア
2015年12月1日からは、従業員50名以上の職場で年に1度、定期的にストレスチェックを実施することを義務付けられた。
このような背景もあり、近年、特に大企業においてメンタルヘルスへの取り組みを行う企業が増加している。