スピン(SPIN)は、高額商品や大型商談の成約に効果的とされる営業術のことである。スピン式営業術とも言われる。クロージング技法では効果を発揮しない、複雑な商品に効果的な営業手法といわれている。手法の内容は、様々な質問を顧客に投げかけながら相手の意志を確認するコミュニケーション方法である。
各質問の目的はつぎのような手順がある。
S(Situation Question)=状況質問:顧客を理解(顧客の状況を把握する)
P(Problem Question)=問題質問:潜在ニーズを明確化(顧客に問題を気づかせる)
I(Implication Question)=示唆質問:問題の重要性を認識させる(問題の大きさを認識させる)
N(Need-Payoff Question)=解決質問:ニーズを自覚させる(理想のあるべき状態をイメージさせる)
この手順で一番重要となるのは、顧客に語ってもらい、売り手は聞き手に徹することである。売り手の言いたいことを、顧客の口から語ってもらうことがポイントとなる。そのうえで、笑顔やうなずきによってコミュニケーションをとり、質問はできるだけ短く「Yes」か「No」では答えられない質問をする(どうして?など)ことにより、さらに多くの情報を入手できる。