目標設定と動機付けによってチームの方向性を定める
組織マネジメントが最大限成果を発揮するためには、管理職自身の力量や行動が必要不可欠です。しかし、任された本人はもちろん、その役職に据えた経営者サイドも、管理職がどのような行動をすればよいか理解していないケースもあります。自分が行うべき方向性が把握できていない状況下では、管理職が適切な成果や結果を生み出すことができません。
管理職に求められている行動は「推進行動」「支援行動」「動機形成」「目標設定」の4つ。これらを実践することで組織が変化します。特に高い次元で目標が達成できているほど、チーム全体の仕事レベルが向上しています。経営者や人事部門は、管理職の担当者の意識や行動を改革するため、まずは社員に対して目標設定と動機づけを行うことが大切です。
目標設定でチームを動かす
目標設定とは、社員が組織として同じ旗(目標やビジョン)に向かうにあたって必要な要素です。会社の掲げる目標やビジョンを達成するには組織的な行動が重要。末端社員は経営者からは遠く、経営者のメッセージや方針の共有が難しいです。だからこそ、上司が部下に対して分かりやすく目標を提示することで、チームが一丸となって行動できるようになります。
管理職は、一般社員と違い、ある程度の経営資源や裁量を与えられています。その分、どのようにして成果を生み出すか考えなければなりません。経営目標に応じて明確な目標設定を行い、社員を上手にコントロールすることが求められます。まずは管理職にリーダーシップを持ってもらうことから始めましょう。
動機形成によってチームの熱を高める
動機形成とは、社員が会社で働く上で必要な理由づくり。例えば、上司が部下の能力や特性を理解した上で業務を割り当てるということも、動機形成のひとつになります。すべての社員がモチベーションを保てるわけではありません。中には、自分の役割を理解できず、いつまでもスタートできないという社員がいることも事実です。
管理職は社員一人ひとりの適正を見抜く能力が求められます。この能力をアセスメントスキルと言われることもありますが、普段の言動や行動、面談を元に彼らのキャラクターを理解し、それぞれに合った役割を与えることが仕事になるのです。
積極的に参画するだけの意欲を持たせるように働きかけ、社員のモチベーションを高めることで、組織の温度感を上げていくことも管理職の役割です。自分自身が管理者としての強みや弱みを把握することで、今後どのように改善するかというアクションをしましょう。
推進・支援行動によりチームを動かす
仕事全体やプロジェクトに対する目標設定や社員の適性に応じた仕事の割り当てを行った後、実際に組織として運用開始しなければなりません。そして、管理職に求められていることは、部下の積極的な行動を促すこと。スタートしてからも改善活動を継続し、チーム全体を動かさなければなりません。
推進行動はリーダー自らが動くことでチームの士気を高めるアクション。まず自らがやってみせ、組織全体のモチベーションを上げることが大切です。この行動が、部下が自発的にやってみようというきっかけ作りにもなります。
しかし、仕事の中でつまずいてしまった社員に対する支援行動も必要です。実は、管理職は後方からサポートすることこそが最重要課題という考え方もあります。目標設定と動機形成だけでなく、実務の中でのフォローも行いましょう。
推進行動により上司が見本を示す
推進行動とは上司自身が率先して意思決定を行い、所属部門の目標達成や円滑な業務ができるように促すものでもあります。リーダーシップが発揮される瞬間であり、意思決定のレベルとスピードが要求されることも少なくありません。この推進行動は組織がひとつの目標に向けて走り出すためには大切なファクターであり、それを達成するための推進行動がチームの士気を高めるのです。
管理職自身がプレイヤーとして積極的に動く必要はありません。しかし、プレイヤーとしてまったく表に出ないのも部下のやる気を失う原因になります。マネジメントを行いながらも、リーダーとして手本を示す行動をすることで部下のモチベーションを引き出せるため、ある程度は具体的に行動することも大切です。
支援行動によって部下を育てる
支援行動は上司が部下のサポートを行い、円滑な業務遂行の妨げになる事柄を解消するというものです。管理職の仕事には、できなかった社員に対して成功体験を積ませることも含まれています。
売上の数値が上がるなどのように、担当者自身の功績になるわけではありません。しかし、組織全体の結果が出ることになるため、後ろから社員育成に努めることも大切なのです。
実は、支援活動こそがマネジメントにおいて最も重要だと考えられています。個々の能力に大きな差はなく、本人のやる気や上司のサポートによって変化します。人は無限の可能性を秘めていますが、本質を引き出さなければ、その可能性を引き出すことにも繋がりません。管理者が後方から支援することで、チーム環境の把握と組織活性化に導くとともに、社内の改善活動をより促進できるのです。
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