MBTIを活用し個人特性に合わせた人材マネジメントを

2024年6月1日 2024年5月31日

北川麗奈

1. 管理職が抱える部下育成問題
2. MBTIとは？
3. MBTIから見る個人の性格特性
4. これからの人材マネジメントとは

管理職が抱える部下育成問題

時代の変化に伴い、部下に対しての接し方も変化してきています。しかし、時代の変化に対応しきれず、どのように部下に接したらいいかわからない管理職が多いことが実態です。以下はマネジメントで発生する主な問題点です。

フィードバックの不足

部下がどのように業務を進めているかについてのフィードバックが不十分だと、部下は自己評価ができず、成長の機会を失います。また、改善点がわからないために同じミスを繰り返すこともあります。

一方的なコミュニケーション

上司が一方的に話し、部下の意見やフィードバックを受け入れない場合、部下は自分の意見が尊重されていないと感じ、モチベーションが低下します。

コミュニケーションスタイルの違い

上司と部下のコミュニケーションスタイルが異なる場合、互いに理解しづらく、効率的なコミュニケーションが困難になります。例えば、上司が厳格で直接的なスタイルを好む一方で、部下が柔軟で協力的なスタイルを好む場合です。

信頼関係の欠如

信頼関係が築けていない場合、部下は上司に対して本音を言いづらくなり、重要な情報が共有されないことがあります。また、問題が発生しても報告を避けることがあります。

文化や価値観の違い

異なる文化的背景や価値観を持つ部下と上司の間では、コミュニケーションのスタイルや期待される行動が異なることがあり、これが誤解や摩擦の原因になることがあります。

MBTIとは？

MBTI（Myers-Briggs Type Indicator）は、心理学的な性格診断ツールです。人々の性格を16種類のタイプに分類し、個々の特性や行動傾向を理解するのに役立ちます。このタイプ分類は以下の4つの二項対立の軸に基づいています。

外向的（Extraversion, E）対内向的（Introversion, I）: エネルギーの源が外部（人や活動）か内部（思考や感情）か。
感覚（Sensing, S）対直感（Intuition, N）: 情報を受け取る際に現実的で具体的な事実に注目するか、抽象的で将来の可能性に注目するか。
思考（Thinking, T）対感情（Feeling, F）: 判断を下す際に論理と客観性を重視するか、感情と人間関係を重視するか。
判断（Judging, J）対知覚（Perceiving, P）: 生活や環境を計画的かつ秩序立てて進めるか、柔軟で臨機応変に対応するか。

これらの組み合わせにより、例えば「INTJ」や「ESFP」といった具体的な性格タイプが示されます。MBTIは自己理解や他者とのコミュニケーションの改善、職業選択の助けになるとされています。

MBTIから見る個人の性格特性

管理職は、部下一人ひとりの性格特性に合わせて部下に接することが理想です。人によってはコミュニケーションを多く求める人もいれば、必要な時だけコミュニケーションを求める人もいます。さらに、人によっては、論理的なコミュニケーションを求める人もいれば、感情的なコミュニケーションを求める人もいます。性格特性を理解できないままに接すると、知らないうちにコミュニケーションエラーが発生し、信頼関係に影響を及ぼします。そのため、管理職は、個人の性格特性に合わせ、部下のモチベーションを向上させることができるコミュニケーションを行っていくことが求められます。