賃金表とは、職能、職務、勤続年数、年齢、学歴などの条件ごとに賃金支給額を定義した一覧表である。たとえば、号棒表、昇給表、複数賃率表などがこれに当たり、昇給方針と昇給管理方法によって使われる賃金表も変わってくる。各賃金表にはつぎのような特徴がある。

号棒表:等級ごと、号ごとに賃金額を記載した賃金表
メリット:人件費に関する予算が立てやすい
デメリット:年功的な運用になりやすい、人事考課が賃金表に反映できない

昇給表:等級ごとの昇給額、あるいは昇給率のみを記載した賃金表
メリット:号棒表に比べてシンプルで分かりやすい。号棒表と同じように等級ごとの基準額や上限額を毎年の業績によって変更できる

複数賃率表:号棒表を基準としながらも、各号に複数の賃金額を設定し、毎年の評価によって賃金額を決定する賃金表
メリット:年功序列的な運用に、洗い替え方式(キャンセル:同一等級内での査定が累積されない)の要素を加味できる。極端な成果主義が馴染まない組織や、努力が業績にあまり直結しない場合などに、従業員のモチベーション喚起のための手法として用いられることが多い

上記のような賃金表を使うことにより、企業にとっては計画的な賃金管理を行うことができるメリットがある。また社員に対しても賃金の公平性を示し、納得性を担保できる。しかし、賃金表のもっとも重要な機能と役割は、賃金水準を維持・向上させることと言える。
なお賃金表は固定ではなく、物価の上昇や昇給管理方法の変更、賃金改定などにより随時改定される必要がある。

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