公平理論とは、J.ステイシー・アダムスらによって提唱されたもので、モチベーションや報酬に関する理論である。具体的には、仕事の対価として得られる「報酬」が労働者のやる気に繋がる考え方である。たとえば 「自分の仕事量や投入量(Input)の対価としての報酬(Outcome)」と 「他者の仕事量や投入量(Input)と対価としての報酬(Outcome)」を 比較してそこに不公平さを感じた場合、解消し公平となるような行動をとろうとする。
※Inputは「努力、経験、学歴、能力」、Outputは「給与水準、賃上げ、表彰」など ここでの「公平」とは「自分の投入に対する報酬比が、他者のそれと等しい場合」に存在する。 自分(a)の投入Ia、自分が得た成果Oa、他者(b)の投入Ib、他者が得た報酬 Ob、とすると、公平と不公平には次のようなパターンが存在する。
・Oa/Ia = Ob/Ib 自分の投入量に対する出力の割合が、他者と同等だと公平な状態
・Oa/Ia < Ob/Ib 自分の投入量に対する出力の割合が、他者より低いと不公平な状態
・Oa/Ia > Ob/Ib 自分の投入量に対する出力の割合が、他者より高くいと不公平な状態
これらを等価状態にするためには、
・自己のパラメータを変え
・Oaを変える(例:報酬を増やす(或いは減らす)ことを要請する)
・Iaを変える(例:自己の努力を増やす(或いは減らす))
・他者のパラメータを変える ・他者の投入量と報酬の比を変える(例:他者の努力を増やす(或いは減らす)ことを要請する)
・比較対象を変える(例:自己の投入と結果の比と等しい他者にする) などがある。
また、比較そのものを避けるため退職することも考えられる。 このように不公平と感じるのは単に給与の絶対額ではなく、他者との比較によってもたらされるのだ。公平性があるかどうかは、本人の主観的判断によるもなので評価する側はコントロールしづらい。 評価者に求められるのは、、結果(賃金など)に対する公平性が担保できないとしても、その結果までの「プロセス」に対する公平性を確保することだ。