次世代リーダーの素養とは?

次世代のリーダーをどのように選抜したらよいのかというご相談を最近多くいただくようになりました。このような悩みを抱えているお客さまとお話しすると、意外にも次世代をどのような人材に任せたいのかが明確になっていなかったり、次世代リーダーのイメージが人事部長と社長、役員の間でばらばらだったりするケースがよくあります。

次世代リーダーを選抜する上で、はじめの一歩は、「次世代リーダーに必要な素養」「次世代リーダーに求められる人材像」についてすり合わせの場を持つことです。人事部を含めた経営幹部の中で、明確に定義することは、当然のように感じる場合もあるかもしれません。しかし実はこのはじめの一歩が揃うかどうかは、大変重要な取り組みです。なぜなら、次世代のリーダーに求められる人材像は、自社の次世代のビジネスの成功を担える人材の定義であるからです。つまり、自社は将来的にどのような戦略でビジネスの成功を描いているのかが共有されていない限り、次世代リーダーの人材像や次世代リーダーの素養が、ずれてしまう可能性があるためです。そのため、この次世代リーダーの人材像は、会社のビジョンや中長期経営計画に直結するものである必要があります。

以下、さまざまな企業で次世代リーダーに必要な素養として挙げられることの多い項目をご紹介します。

企業戦略と一致する次世代リーダーに必要な素養

対応力と実行力

VUCAの時代と言われている昨今、変化の激しい外部の環境や、複雑な内部の課題に対して柔軟に対応し、戦略を遂行する、つまりやり切ることが求められます。企業のビジョンや戦略を実現するためには、市場の環境変化に対して柔軟に対応する力と、描いた戦略をやり切る実行力が必要です。

共感力と巻き込み力

リーダーシップの定義は多々ありますが、さまざまなリーダーシップ定義の中で共通していることは、「フォロワーがいること」です。誰からも話を聞いてもらえない、相手にされない人がリーダーになってもうまくいかないことは、想像しやすいことかと思います。まさに、リーダーシップを発揮する人には、その人の味方になる人やその人のいうことを聞いて力を貸してくれる人、賛同してくれる人がどれほど多くいるかが重要です。つまりリーダーとは、多くのフォロワーから支持されることが、リーダーの入場切符です。

フォロワーとなってくれる人をつくるために必要なことは、周囲の人の気持ちや感情に共感することです。リーダーは単に指示や命令を出す人ではなく、人の気持ちを一つにまとめ、相互依存的に協働し合いながら共通の目的に向かって導く存在とも言い換えられます。特にリモートワークを導入している会社や、目の前にいつもメンバーがいるわけではない環境で仕事を進める場合も多くあります。そのような業務環境でも、日常のちょっとしたメールや電話、オフィスで見かけたときの様子に気を配り、ひと声かけるという行動を大切にされている方もいます。リーダーに求める機能を実現するためには、一人一人の気持ちや感情に寄り添って共感し、共通の目標に向かってチームを動かしていく巻き込み力が重要です。

鳥と虫のバランス視点

リーダーとして求められる素養によく挙げられる視点として、経営視点と現場視点の双方を見る視点を併せ持つことを期待される企業が多くあります。バランスを取ることほど難しいことはないと思いますが、難しいことだからこそ、次世代リーダーに求められる企業が多くあります。現場で起きている不満の声に耳を傾け、解決しつつ、一方では経営的な視点で全体最適を見据えた判断をすることが期待されます。

第1回は、次世代リーダーに求められる素養という観点でお伝えしました。第2回は、次世代リーダーの素養を見極める具体的手法をご案内します。

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