ワークライフバランスが叫ばれる中、福利厚生を重視する求職者は増えてきています。中には、ユニークな福利厚生で注目を集めている企業も少なくありません。従業員のニーズともマッチすれば、モチベーションアップにもつながるでしょう。ここでは、日本だけでなく、世界にも目を向けながら、ユニークな福利厚生を導入している企業を紹介していきます。
福利厚生とは
ユニークな福利厚生について調べていく前に、まずは福利厚生について詳しく知る必要があります。
福利厚生の基礎知識
福利厚生は、通常の給与に加えて支給される、非金銭報酬のことです。これは、法定福利厚生と法定外福利厚生の二つに分けられます。法定福利厚生には健康保険や労災保険などが含まれ、企業側が必ず設けるように法律で定められています。そのため、すべての社員に提供しなければなりません。
一方、法定外福利厚生は、企業がそれぞれ独自に定めているもので、特に決まりなどもありません。そのため、企業によってその種類や内容も様々です。法定外福利厚生として、代表的なものとしては、手当や補助金、キャリア支援制度、特別休暇などが挙げられます。また、出産や子育て、介護支援に関するものや、社員同士のコミュニケーションを深めるもの、飲食関係など多岐にわたっています。独自性を強めて、思わずあっと驚く福利厚生を定めている企業も少なくありません。
ユニークな福利厚生を設けるメリット
社員が喜ぶユニークな福利厚生を導入すると、次のようなメリットが考えられます。
・他の企業との差別化が図れる
・注目を集めやすいため、人材確保につながる
・社員のモチベーションアップにつながる
・社員の定着率向上が狙える
・生産性の向上が期待できる
・企業のイメージアップになる
しかしながら、あまりに独特すぎる福利厚生を導入すると、社員が気軽に使うことができず、利用価値のないものとなってしまうため注意が必要です。社員がしっかり活用できるものかどうか、そして、社員にプラスとなるものかどうか、あらかじめしっかり検討してから導入するようにしましょう。また、導入するにはコストもかかるため、しっかり運用できる福利厚生を選んでおくことも大切です。
ユニークな福利厚生を設ける日本企業
日本企業の中には、優秀な人材を確保し、定着させるために、福利厚生を工夫しているところが増えてきています。
株式会社リクルートホールディングス
心身のリフレッシュのために、STEP休暇という制度を設けています。これは、3年ごとに最大28日間まで連続して有給休暇を取得できるというものです。休暇の使い方は自由なので、リフレッシュのために旅行したり、スキルアップのために短期留学をしたりすることも可能。また、年次有給休暇を連続4日以上利用した場合は、5万円のアニバーサリー手当が支給されます。一年度で一回のみですが、毎年度利用可能です。休んだ上にお金がもらえる、嬉しい制度と言えるでしょう。
株式会社OKUTA
株式会社OKUTAは、住宅やマンションのリフォームを手掛ける会社です。この会社では、ワークライフバランスに注目した福利厚生を導入しています。軸となっているのは、OKUTAスーパーフレックスで、これはコアタイム無しの完全フレックス制度のこと。そのため、一人一人の都合に合わせて仕事を進めていくことが可能です。また、テレワーク制度も整っており、時間だけでなく場所にもとらわれる必要がありません。育児や介護など、家族も大切にしながら働いていける仕組みが整っています。
株式会社ZOZO
ファッション通販サイトなどの運営をしている株式会社ZOZOでは、FRIENDSHIP DAYという福利厚生を設けています。部署ごとの垣根を越えて従業員同士が絆を深められるよう、プレゼント交換やボウリング大会など様々な取り組みが行われています。また、ビジネス部門においては、千葉/つくば/宮崎手当というものも用意されています。拠点を置いている地域の活性化を狙って作られたという、地元愛溢れる制度です。指定エリア内に住むと、毎月3~5万円の支給が受けられます。そして、会社の近くに住むことになるため、通勤の負担も減らせるというメリットも。約7割が利用しているという、人気の制度です。
Sansan株式会社
名刺管理サービスや名刺アプリを手掛けている会社です。「どにーちょ」という制度を使えば、平日と休日の勤務日を入れ替えることができます。休日ならではの静かな環境を活かして、業務の生産性や効率を上げるために導入されました。また、仕事と家庭を両立させるための福利厚生も考えられています。OYACO制度では、育児をサポートする様々なサービスを利用する際に、補助が受けられます。この制度は、小学校6年生までの子供がいる従業員が対象となっており、サポートを受けられる期間が長いことも特徴です。
世界には驚きの福利厚生を持つ企業も
世界に目を向けてみると、実にユニークな福利厚生を持つ企業がいることに驚かされます。もちろん、文化や歴史の違いなどもありますが、福利厚生の案を考える際は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
アメリカの大手IT企業であるGoogleは、福利厚生が手厚い企業としても有名です。まずは、食事の無料提供です。ビュッフェスタイルで様々な食材が並んでおり、いつでも好きな時に利用できます。そして、会社の敷地内にはジムやマッサージなどの施設も完備されており、健康管理に役立てられるでしょう。仕事で高いパフォーマンスを発揮するには、そこで働いている人がまず健康的であることが大切です。これらの福利厚生はすべて、社員に対して必要な投資だと考えられているのでしょう。
Epic
Epicは、アメリカにある医療テック企業です。ここで働く人は、5年に一度、旅行を目的とする4週間の有給休暇を取得することができます。ホームページには、これまでにこの休暇を利用して訪れた国が、写真と共に紹介されています。普段とは異なる環境に身を置き、リフレッシュしたり、新たな刺激を受けたりすることは、社員にとっても、そして会社にとっても有益だと考えているのでしょう。さらに驚くべきポイントは、今まで足を運んだことのない国を訪れる場合は、Epicがその旅費や宿泊代を補助してくれるということ。社員だけでなく、同伴者一名分もサポートしてくれるという太っ腹ぶりです。
アルバイトでも利用できる福利厚生
アルバイトを多く雇っている企業であれば、アルバイトに対しても福利厚生を充実させてみてはいかがでしょうか。ここでは、アルバイトへの福利厚生を充実させている企業を紹介していきます。
セブン・イレブン
セブン・イレブン店舗で働いているアルバイト向けには、教育制度や表彰制度、独立支援制度など様々なサポートが設けられています。また、本部が推奨している福利厚生サービスに加入している店舗で働く場合は、育児や介護、スキルアップ、グルメ、そしてレジャーやエンタメなど、様々なサービスや施設を割引価格で利用することが可能です。
オリエンタルランド
ディズニーランドやディズニーシーを運営するオリエンタルランドは、アルバイトに対する待遇もよいと評判を集めています。まずは、従業員食堂を設けて、働く人を健康面でもサポート。また、月5万円を上限としていますが、交通費も支給され、有給休暇の取得も可能です。その他に、様々なキャスト特典もあるという充実ぶり。まさに、楽しみながら働ける職場と言えるのではないでしょうか。
魅力的な福利厚生で企業のイメージアップを
魅力的な福利厚生は、人材確保や定着率の向上のために大きな役割を果たしてくれます。そして、企業のイメージアップにもつながるでしょう。もちろんユニークさだけでなく、従業員にとって親しみやすく利用しやすいものである必要もあります。総合的に検討しながら、それぞれの企業にとって最適な福利厚生を設けてみてはいかがでしょうか。
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