非金銭報酬とは、従業員の組織に対する取り組みや貢献に対して、金銭による報酬ではなく「機会」や「場」、「休暇」などを提供することで報いることである。
非金銭報酬は、給与やボーナスなどで報いる方法(金銭報酬)とは異なり、提供するものが無形であることが多く、可視化し難い。これに該当する報酬内容の区分や分類は企業によって異なるが、非金銭報酬から従業員が得る価値を軸に考えると、大きく2つにと考えられる。
1)外発的なもの:賞賛や承認、権限、権力など
2)内発的なもの:やりがいや面白さ
金銭報酬から得ることのできるベネフィットは、市場における一般的な価値基準の明確化や統一が図れており、報酬の度合いが計りやすい。しかしお金によるモチベーション向上には上限があるとも言われている。
一方非金銭報酬から得ることのできるベネフィットは、一般的な価値基準の明確化や統一が図れているわけではなく、また従業員や組織の単位によっても基準が異なるため、報酬の度合いが計りにくい。
よって、非金銭報酬を効果的に機能させるためには、前もって従業員や組織の「価値基準を明確にし、統一を図ること」が重要となる。そのうえで個人や組織の価値基準に沿った報酬内容を確定し、運用すると良い。金銭的報酬をある一定レベルまで上げたあとは、非金銭的報酬をバランスよく取り入れることが重要となる。