シルバー人材センターとは、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得るとともに、ボランティア活動をはじめとするさまざまな社会参加を通じて、地域社会の活性化に貢献することを目的とする組織である。創設の経緯は、日本社会における高齢化が進んだことで、定年後も有意義に健康的に過ごしたい、仕事を続けたいと希望する高年齢者が増えたため、昭和50年に東京で「高齢者事業団」が設立されたのがきっかけである。これを機に、全国各地に同様の事業団の設立が広まっていった。その後、国が国庫補助を行うことを決めたことで、名称が「シルバー人材センター」に統一された。昭和61年には「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」において国及び自治体には高年齢者の就業機会の確保のために必要な処置を講ずるよう努めることが責務とされ、シルバー人材センターは法的に認められた。シルバーセンターは、現在、原則として市区町村単位に置かれている。国や地方公共団体の高齢社会対策を支える重要な組織として、各都道府県知事の許可を受けた公益法人である。

シルバー人材センターの運営は、会員となった地域の高年齢者が自主的に行っている。また役員(理事等)は、会員の互選により決まるもので、国市町村によって運営されているものではない。
シルバー人材センター受注システムは、まず地域の家庭や企業、公共団体などから請負、または委任契約により仕事を受注する。そして会員登録している高年齢者の中から適任者を選び、その仕事を遂行していただくという流れだ。
センターの会員になるためには、センター趣旨に賛同したうえで入会手続きをする必要があり、シルバー人材センターから仕事の提供を受けた会員は、その内容に従って仕事を遂行し報酬を受け取る。
仕事内容は、事務や公園清掃、駐車場管理、毛筆筆耕、家事援助などがある。一般的な委託費よりも安価なため、多くの企業に利用されているが、地域の一般業者と比較して安価なため、民業事業者を圧迫しているという批判もある。

シルバー人材センター会員と仕事の発注者には直接雇用関係はなく、また会員とセンターの間にも雇用関係はない。会員は請負または委任で働く「個人事業者」である。そのため労働災害保険の適用はされない。よって各センターは各々で団体傷害保険に加入している。ただし過去には、就業先から直接指揮・命令、管理・監督を受けている状況で事故が起きたため雇用関係があったとして、「労働災害保険」が適用された判例もある。
さらに、たとえ請負状態であったとしても、危険な仕事において事故が発生したケースには、センターが安全な仕事を提供しなかったとして「安全配慮義務違反」が認定され、損害賠償を命じられたこともある。

関連用語

再雇用制度
定年制

関連記事

お役立ち情報
メルマガ無料配信

お役立ち情報満載!ピックアップ記事配信、セミナー情報をGETしよう!

人事のプロが語る、本音のコラムを公開中

人事を戦略に変える専門家たちが様々なテーマを解説し、"どうあるべきか"本音 で語っている記事を公開しています。きっとあなたの悩みも解消されるはずです。


お役立ち資料を無料ダウンロード
基礎的なビジネスマナーテレワーク規定、管理職の方向けの部下の育て方評価のポイントまで多種多様な資料を無料で配布しています。ぜひご活用ください。
こちらの記事もおすすめ!