企業の経営者や人事担当者は将来的な事業計画を考え、マネジメントや人材獲得・育成に取り組んでいるでしょう。そのような立場の方が認識しておきたいのが「ムーンショット目標」です。こちらでは、ムーンショット目標の詳細をお伝えするとともに、企業としていつから取り組みを始めるべきかを決める要素、メタバースとの関係についてご紹介します。
- 1. ムーンショット目標とは
- 1.1. 2050年までに人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
- 1.2. 2050年までに超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
- 1.3. 2050年までにAIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
- 1.4. 2050年までに地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
- 1.5. 2050年までに未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出
- 1.6. 2050年までに経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現
- 1.7. 2040年までに主要な疾患を予防・克服し、100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現
- 1.8. 2050年までに激甚化しつつある台風や豪雨を制御し、極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現
- 1.9. 2050年までにこころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現
- 2. 会社としてムーンショット目標をいつから始めるかを決める要素
- 3. ムーンショット目標とメタバースとの関係
- 4. ムーンショット目標を現実のものとするために各企業が取り組めること
ムーンショット目標とは
2050年までに人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
2050年までに超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
2050年までにAIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
2050年までに地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
2050年までに未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出
2050年までに経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現
2040年までに主要な疾患を予防・克服し、100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現
2050年までに激甚化しつつある台風や豪雨を制御し、極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現
2050年までにこころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現
多様性を重視しつつ、共感や創造性を高める技術を作り出し、心豊かに暮らせる社会を目指します。ムーンショット目標により、現実社会から仮想空間にシフトしていく上で、社会が大きく変わることによる心の揺らぎを解消する施策は重要です。2030年までには心と深く関係がある文化・伝統・芸術を調査し、安らぎや活力を増大させる要素を解明する技術を作り出していくのが目標です。
会社としてムーンショット目標をいつから始めるかを決める要素
ムーンショット目標9つのうち8つは2050年までが期限とされ、残りの1つはさらに早く2040年が期限です。ゴールを達成すべき時期は明確にされていますが、それぞれの目標の難易度は企業の実情により異なります。そして、各企業がムーンショット目標を達成するのに必要とされる次のことにどれだけリソースを割けるかにも依存します。登用できる資産やスキル、リソースが潤沢であれば、短期間に目標を達成することも可能かもしれませんが、そうでない企業は早くから準備する必要があるでしょう。
ターゲット設定
ムーンショット目標を達成するには、各企業が独自のターゲットを絞ることが大切です。ターゲットは社内全体で共有することがポイントになりますので、キーワードを決め、考え方や取り組み方を明確にする必要があります。長期的なターゲットのほかに、ルーフショットも決めておきます。ルーフショットとは屋根に届くほどのショットのような、少しの努力や改善により達成できる目標です。大きな目標の達成に至る難易度の低いステップを細かく設定することで、実現の可能性が高まります。
プロジェクトマネジメント
実現にはハードルがいくつもあるムーンショット目標の達成には、綿密な計画が欠かせません。いつまでにどのレベルに達するべきかに加え、到達すべきクオリティを決定し、進捗状況を管理することが重要です。
チームワーク
ムーンショット目標は経営者が旗を振るだけで成し遂げられるほど簡単なものではありませんが、社内が一致団結して目標に向かう上で情熱を伝えられるのは経営者と言えます。組織力やチームワークが発揮できる環境を作るのも、経営者並びに人事担当者の重要な任務です。
モチベーションの維持・向上
ムーンショット目標は、達成までに長い時間がかかります。そのため、モチベーション維持は欠かせません。モチベーションを維持したり向上させるには、人事評価の質を高め、働く従業員が納得できる人事システムの確立も大事になります。
ムーンショット目標とメタバースとの関係
ムーンショット目標に取り組む上で、メタバースの理解を深めておくことも大切です。こちらでは、メタバースの定義や必要性が増した理由について考えたのちに、ムーンショット目標とメタバースとの関係を考察します。
メタバースの意味と意義
メタバースとは、アバターを使ってネットワーク上に設けられた仮想空間にアクセスする技術のことですが、仮想空間そのものを指す場合もあります。世界各地からアクセスし、コミュニケーションできる仮想空間では自分の分身であるアバターを使って活動します。空間内を自由に移動したり、他の人と交流したり、仕事や買い物など現実の日常生活と変わらない行動が仮想空間でできます。アバターでの活動は年齢による体の衰えや居住地などの制約がなく、現実社会よりも自由度が高いところがメリットとされます。
メタバースの必要性が増した理由
メタバースがとりわけ注目されるようになった一つの要因は、新型コロナウイルスと言われています。感染症蔓延により移動制限が設けられたり、非接触のコミュニケーションを取る必要がありました。さらに、オンラインゲームの普及やVR映像技術の向上もメタバースを現実的に考えるうえで役に立っています。ゲームや映像にアクセスする一人一人が遠く離れていても同じ体験をし、容易に意思疎通ができることでメタバースは身近な存在になりつつあります。
ムーンショット目標とメタバースとの関係
現時点でもメタバースは遠隔地医療を可能にしたり、世界中の人が集まってコミュニケーションする場を提供しています。この点がムーンショット目標にも生かされると考えられます。会社から離れた場所に住んでいたり、身体的な障がいを抱えて通勤できない人でも、自分の経験や能力、個性を生かして自由に仕事ができるようになれば、社会全体の生産性を上げられます。誰もが必要とされて制限が壁にならず、各個人が幸福や自由を獲得できる世の中になることがムーンショット目標のゴールと言えます。
ムーンショット目標を現実のものとするために各企業が取り組めること
ムーンショット目標は、内閣が主導する形で2050年または2040年までの実現を目指しています。企業としてムーンショット目標に資する努力を続けることは、会社の成長や良質な人材獲得に役立つはずです。まずはムーンショット目標の趣旨を理解することから始め、自社で取り組める分野を探した上で、経営者や人事担当者が主体的に関わっていくことが大事になります。
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