プランド・ハップンスタンスとは、「計画された偶発性」理論を意味する。スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱したキャリア論で、キャリアは偶然の出来事、予期せぬ出来事にたいし、最善を尽くすことを積み重ねることで(ポジティブシンキングによって)形成されるという考え方である。これは、成功を収めたビジネスパーソンを対象におこなったキャリア分析の結果、約8割の人が「今のキャリアは予期せぬ偶然に因るところが大きい」と答えたという研究データに基づいた理論だ。
予期せぬ偶然の出来事を、プランドハプンスタンスに変えるには、次のような力を磨いておくことが重要である。
1)好奇心:新しい学習機会を模索する
2)持続性:失敗に屈せず努力をする
3)楽観性:新しい機会が「必ず実現する」「可能となる」と捉える
4)柔軟性:信念、概念、態度、行動を変える
5)リスク・テイキング:結果が不確実でも行動を起こす
また、キャリア論の中では、自分の適性を見つけてキャリアゴールを目指す「キャリアアンカー理論」と、偶然発生したことに対応していく積み重ねで形成される「プランドハプンスタンス理論」が対峙して論じられることがよくある。