総資産利益率とは、ROA(return on assets)ともいい、企業に投下された経営資源である総資産を、その会社でいかに効率的に運用できているかを表す財務指標のことを指す。
資金提供者(株主や債権者)にとって、提供した資金がどのように有効活用され、リターンに結びついているのかを示す指標となる。つまり総資産利益率の数値が高ければ、効率良く利益を上げていることを示す。
総資産利益率は次のように分解することが出来る。
総資産利益率=(利益/売上高)×(売上高/総資産)=売上高利益率×総資産回転率(分子の利益には、営業利益、経常利益、当期純利益が使われる)
総資産利益率を改善するには、次のような策が考えられる。
・売上高利益率の改善:売上高が一定の場合、費用を削減し利益を増やす
・総資産回転率の改善:売上高と利益が一定の場合、総資産を圧縮する
なお、総資産利益率の分母は期末資本ではなく、期中平均を用いる場合もある。なぜなら、利益は1年間という期間を通じて得られた結果であるため、期首と期末の期中平均を使うという考え方によるものだ。
アメリカでは、企業の収益性判断に、株主資本利益率とともに、総資産利益率が広く活用されており、株式投資の重要な指標となっている。昨今、日本でも投資判断基準として、総資産利益率が重要視されるようになっている。
関連用語
当期純利益
売上総利益
売上高成長率
営業利益
経常利益
限界利益