成長ー市場マトリックスとは、事業拡大、または新たなビジネス戦略を考えるときなどに効果的なツールのひとつだ。提唱したのはアメリカの経済学者H・イゴール・アンゾフ(「戦略的経営の父」とも呼ばれるロシア系アメリカ人の経営学者)で、彼の名前にちなんで「アンゾフ・マトリクス」「アンゾフの成長マトリクス」などと呼ばれることもある。アンゾフは経営戦略に関しては、縦軸に「市場」、横軸に「製品」をとり、それぞれ「既存」と「新規」に分けた「2×2」のマトリクスを用いる。

各マトリックスは次の通りである。

1)市場浸透
 既存の商品、既存の市場のままで勝負(購買数・リピートを増やす)
2)新商品開拓
 既存市場に新商品を投入(関連商品開発)
3)新市場開拓
 既存商品を新市場に出す(海外進出)
4)多角化
 新しい事業を展開(新たな市場での収益)

またアンゾフは、4種類の戦略の中で最もリスクが高い成長戦略といえる「多角化戦略」をさらに4タイプに分類した。

1)水平型
 同じ分野、既存市場で事業を拡げる(ビールメーカーによる清涼飲料水の販売など)
2)垂直型
 既存製品の購買・生産・流通・販売などの諸段階に多角化する(完成品メーカーによる部品製造や販売業務への進出)
3)集中型
 既存の市場において生産技術のいずれかに関連する分野へ進出(パソコンメーカーによるオーディオプレイヤーの製造)
4)コングロマリット型
 まったく新しい製品を新しい市場に導入(不動産会社がアパレルに進出)

当成長マトリクスをもとに企業が取るべき戦略を考える際は、市場の変化を意識して、コストパフォーマンスを考慮しながら、事業の成長性が期待できるかどうか、長期的な視点で捉えることが必要である。
また自社の強みが「顧客」か「技術」なのかを見極めることが、成長ー市場マトリックスを用いて事業拡大を図るうえで重要と言える。

■活用するメリット

・4つの成長戦略を模索することで思いもよらぬ成長戦略を発見
・客観的に状況を分析できるため、経営資源を効率的に活用しながら現実的な事業運営

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