キャリアアンカー

キャリアアンカーとは、キャリアを形成していくうえでのひとつの概念である。提唱したのは、心理学者のエドガー・Ｈ・シャインだ。これによると、人が自らのキャリアを選択する際、「アンカー（錨・不動点）」となる、他に譲ることのない価値観や欲求があるという事を指す。キャリアアンカーは一度形成されると変わりにくいとされ、その人キャリアパスにおいて生涯、影響を与え続けるとされている。

キャリアアンカーは、以下の８つに分類することができる。

１）管理能力：組織の中で責任のある役割を担うことを望む、経営者やマネジャーなど
２）技術・機能的能力：自らの専門性を高めることを望む、技術職、研究者など
３）安全性：１つの組織に長く安定して属することを望む、大企業、公務員など
４）創造性：新しいことを生み出すことを望む、起業家や芸術家など
５）自律と独立：自分のスタイルで独立することを望む、研究職、在宅ワークなど
６）奉仕と社会貢献：仕事を通じて世の中に貢献することを望む、医療従事者や教育など
７）チャレンジ：困難なことに挑戦することを望む、さまさまな職を経験したい
８）ワークライフバランス：仕事とプライベートのバランスを望む、働きやすい環境や制度がある職場。

個人にとって、自らのキャリアアンカーを見極めることは今後のキャリア形成を考えるうえで重要な基軸となる。また組織にとっても、従業員のキャリアアンカーを見極めることで、異動や配置などの局面において活用することができる。