カスタマーインティマシーとは、顧客と親密な関係を築いて関係性を固めていく戦略的な優位性構築方法である。1995年にトレーシーとウィアセーマが発表した『ナンバーワン企業の法則』において示された考え方だ。
同書では、企業はすべての顧客にあらゆること・ものを提供しようとするのではなく、企業独自の価値を提供できるところに“集中”すべきだと説いてある。また、その戦略の方向性は、3つある。
業務の卓越性:業務の効率性を高めることで、ベストなプライスを提示する
製品リーダーシップ:製品の競争優位性を高めることで、ベストなプロダクトを提供する
カスタマーインティマシー:顧客と密接な関係を築き、ベストなサービス(対応)を提供する
これら3つを同時に追求するには、膨大な経営資源の投入と優れたビジネスオペレーションが求められる。まずは一つに絞って、実行していくことが望ましい。
たとえば「カスタマーインティマシー」を選択した場合、マネジメントにおいては顧客に密着した営業担当に意思決定の多くを委ねることが重要だ。そうすることで、顧客が抱える問題解決に協力して解決策提示ができるようにしなければならない、という考え方である。