アサーションとは、自分と相手の双方を大事にしながら適切に自己主張をするコミュニケーションスキルである。自分の意見を述べつつも相手に不快な思いをさせたり傷付けたりしないようなコミュニケーションがアサーションの考え方だ。
アサーションの発祥は1950年代のアメリカ。自己主張を苦手とする人を対象としたカウンセリング手法として生まれた。このアサーションの理論によると、コミュニケーションにはおおきく3つのタイプがある。
アグレッシブ(攻撃タイプ):自分を中心に考え自身の考えを主張する
ノン・アサーティブ(非主張タイプ):自身の意見を押し殺し他に合わせる
アサーティブ:相手の主張を尊重しつつも自身の主張を発する
これを、遊んでいる子供にお使いを頼む場合どのようになるかというと、
アグレッシブ(攻撃タイプ):「遊んでばかりいないですこしは手伝いなさいよ」
ノン・アサーティブ(非主張タイプ):「ねぇ……いやなんでもない」
アサーティブ:「もうすこし遊んでいたいと思うけど、お使いに行ってもらえるとうれしいな」
このように、アサーティブなコミュニケーションで相手の気持ちを汲みながら自分の意見を述べることができれば、相手に不快な思いをさせないコミュニケーションが可能となる。
また、アサーティブなコミュニケーション能力を高める方法のひとつは、主語を発信者(I)にすることだ。これにより、相手(YOU)ではなく相手の行動に対する感情を伝えることができるため、相手はそのメッセージを受け入れやすくなり、結果として発信者が望む行動へ促すことができる。
さらに、私たち(WE)という主語を使うと、範囲が広いため、より相手の行動にも変化が出やすいとされている。