マルチ・キャリア・パス(multi-career path)とは、従来の正社員を想定したキャリアパスのみでなく、多様な人材に対応した複数のキャリアパス(複線型キャリアパス)を設定することで、人材の処遇、キャリアを実現していく仕組みのことだ。
昨今、多様な雇用形態の必要性を受け、これまでの人事制度で想定している昇進制度では処遇しにくい人材が増加している。そのため企業としても多様化した人材を適切に処遇することで、人材流出を防ぎ、モチベートしてコア戦力として最大限活用することが必要となってきている。
そこでマルチ・キャリア・パスをとおして、従来の雇用形態にとらわれずに複数の昇進コースや昇進ルールを設定することにより、たとえば年功序列ではなく、自らの意思でプロフェッショナルを目指すか、マネージャーを目指すかなど決めることができる。労働者本人の能力や希望に沿って、管理・処遇する制度を実現していく必要性はますます高まりつつある。