事業者は、常時使用する労働者に対して1年以内ごとに1回(特定業務に常時従事する労働者に対しては6ヶ月ごとに1回)、定期的に健康診断を受けさせなければならない。(労働安全衛生規則第44条)医師による診断項目は次のとおりである。

・既往歴および業務歴の調査
・自覚症状および他覚症状の有無の検査
・身長、体重、視力及び聴力の調査
・胸部エックス線検査
・血圧の測定
・血色素量および赤血球数の検査
・肝機能検査
・血中脂質検査
・血糖検査
・尿中の糖および蛋白の有無の検査
・心電図検査

これらの受診は、正社員だけではなくパートタイマーなど労働時間が短い社員でも受けさせる必要がある。
(1年以上継続勤務している者あるいは継続勤務が見込まれる者で、かつ1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上の者)

常時50人以上の労働者を使用する事業者は、定期健康診断をおこなったら遅滞なく「定期健康診断報告書」を所轄労働基準監督署に提出する必要がある。健康診断(一般健康診断)の費用は事業主が負担するべきである。なお、健康診断に要した時間の賃金は、必ず支払わなければならないわけではないが、受診に要した時間の賃金を払うことが望ましいとされている。

そして、一般健康診断の結果は遅滞なく受診労働者に通知する必要がある。これを通知しなければ、50万円以下の罰金が処される。また健康診断の情報を漏洩した場合は、罰金刑だけではなく6ヶ月以下の懲役を課される場合もある。なお、定期健康診断の受診は労働者の義務でもあるので、労働者がこれを拒否した場合には、就業規則等の定めにより懲戒処分の対象となる。

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