「うちの会社、入社2・3年目で辞めちゃう子が多いんだよな…」

多くの中小企業の人事担当者の方から、よくこんな声をお悩みとしてお聞きします。苦労して採用した人材が、やっと仕事に慣れてきたと思ったら「もっと成長できる環境を求めて」と去っていく…。それは、企業にとっても本人にとっても、非常に残念なことです。

特に、従業員数1〜200名規模の中小企業では、大手企業のような充実した研修制度やキャリアパスが整っていないことも少なくありません。そのため、「入社2・3年目の壁」に直面する社員へのフォローアップは、企業の成長を左右する重要な課題となります。

なぜ入社2・3年目が重要なのか

入社1年目は、新しい環境に慣れることに精一杯。2年目、3年目になると、ある程度の業務はこなせるようになり、責任のある仕事も任されるようになります。しかし、その一方で、「このままで本当に良いのだろうか?」「自分の市場価値は上がっているのか?」といった漠然とした不安を抱え始める時期でもあります。
この時期に適切なフォローアップがないと、

モチベーションの低下: 成長実感がない、評価が不明確といった理由から、仕事への意欲を失ってしまう。
業務負荷の過多: スタートアップや中小企業のケースで多いですが、裁量範囲が大きい・人材も仕組みもフォロー体制まだ整いきれてないからこそ、本人のキャパシティを大きく超えた業務責任を負ってしまう。
キャリア不安: 将来のキャリアパスが見えず、この会社で働き続けることへの疑問を抱く。

といった問題が発生し、結果的に離職へとつながるケースが多く見られます。

「分かってはいるけど、対応できない」中小企業人事の現実

「2・3年目のフォローアップが大事なのは分かるけど、うちの会社じゃ難しいんだよな…」

そう思われる人事担当者様も多いのではないでしょうか。中小企業において、入社2・3年目の離職問題に対応しきれない背景には、以下のような現実があります。

人手不足と多忙な業務:少ない人数で幅広い業務をこなしているため、個別のフォローアップに割く時間や人員が物理的に不足しているケースが少なくありません。日々の業務に追われ、目の前の課題解決が優先されがちです。
専門知識・ノウハウの不足:大手企業のような専門の人事部がない、あるいは少人数であるため、体系的な育成プログラムの企画・実行に関する専門的な知識やノウハウが不足していることがあります。どのようなフォローが効果的なのか、具体的にどうすれば良いのかが分からない、という声もよく聞かれます。
予算の制約:大規模な研修や外部の専門家を招くには、相応の予算が必要です。中小企業では、人材育成にかけられる予算が限られていることも多く、理想的なプログラムの導入に踏み切れない事情があります。
経営層の理解不足:人材定着や育成への投資が、短期的な売上には直結しにくいため、経営層の理解が得られにくい場合があります。「社員が辞めるのはその人が良くない・仕方がない」といった旧来の考え方が根強い経営層もいます。

これらの要因が重なり、「重要性は認識しているものの、具体的な対応ができていない」という状況に陥っている中小企業が少なくありません。しかし、この問題を放置することは、将来的な企業成長の足かせになります。

中小企業で実践できる!入社2・3年目向けフォローアップ教育のポイント

では、具体的にどのようなフォローアップ教育が必要なのでしょうか。中小企業の特性を踏まえ、以下の3つのポイントに注目しましょう。

個別の成長目標設定と定期的な面談

一律の研修ではなく、社員一人ひとりの強みや課題、そしてキャリアプランに基づいた個別目標の設定が重要です。目標設定後は、上長が定期的に面談を実施し、進捗を確認し、フィードバックを行うことで、社員は自身の成長を実感できます。この際、単なる業務進捗の確認だけでなく、キャリアに関する相談や悩みをじっくりと聞く時間を設けることが大切です。

進捗状況の定期的な確認とサポート体制の構築

若手社員が業務を抱え込みすぎないよう、上長や先輩社員による定期的な進捗確認が不可欠です。例えば、業務の進捗だけでなく困っていること・不安なことがないかを聞くショートミーティングを設けることや、必要であれば業務量の調整や優先順位の見直しを一緒に行うことが重要です。また、上司以外にも相談できる社内の窓口を設けたり、年齢の近い先輩社員をメンターとしてつけたりすることで、若手社員は悩みを抱え込まずに済む対策も有効です。

社内コミュニケーションの活性化

部署を超えた交流や、先輩社員とのフランクな交流の場を設けることも重要です。例えば、ランチミーティングや、社内イベントなどを企画することで、普段は話す機会の少ない社員同士が情報交換をしたり、悩みを共有したりできる場が生まれます。こうした非公式なコミュニケーションは、社員のエンゲージメントを高め、孤立感を解消する上で大きな効果を発揮します。

最後に

入社2・3年目の社員へのフォローアップは、単なる離職防止策に留まりません。彼らが会社の中核を担う人材へと成長することで、組織全体の生産性向上や活性化にもつながります。「うちは人が少ないから、そこまで手が回らない…」「どんなプログラムを組めばいいか分からない…」

弊社では、そういった中小企業様の規模や課題に合わせて、「入社2・3年目向けフォローアップ教育プログラム」を用意しています。これまで多くの企業様で導入いただき、社員の定着率向上やパフォーマンス改善に貢献してきました。個別のご相談も承っておりますので、貴社の現状や目標を是非お聞かせください。

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