新しい働き方の一つとして、導入する企業が増えているワーケーション。ただ、ワーケーションを取り入れているのは大手が中心で、事業によってはなかなか取り入れにくい部分もあるので、導入に踏み切れない企業もあるでしょう。そこでここでは、ワーケーションとは何かに加えて、ワーケーションのメリット・デメリット、ワーケーションにおすすめの場所について解説します。

ワーケーションって何?

ワーケーションとはワークとバケーションを組み合わせた造語です。ちなみに英語圏では「Workcation(ワークケーション)」と呼ばれています。リモートワークの一種であり、リゾート地で働きながら休暇も取る働き方をワーケーションと言います。ワーケーションは2000年代のアメリカで誕生したと言われています。当時インターネットが普及し始め、エンジニアなどインターネット環境さえあればどこでも働ける仕事のリモートワークを採用する企業が増えました。そこでリゾート地にある会社が保有する保養施設などでリモートワークに取り組む社員が出てきたことから、リゾート地にあるオフィスをサテライトオフィスとして使うようになり、ワーケーションが広まったとされています。

ワーケーションの種類

ワーケーションの種類は主に4種類です。それでは、一つ一つ詳しく解説していきます。

休暇活用型

最もワーケーションで多いのが休暇活用形です。社員が有給を取得し、避暑地で過ごす合間にリモートワークに取り組みます。会社にとっても社員にとっても過ごし方の自由度が高いのが休暇活用形のメリットです。

日常埋め込み型

日常埋め込み型は普段から観光地にてワーケーションに取り組む働き方を言います。リゾート地にサテライトオフィスを設置し、日常的に社員がそこで勤務する形態が日常埋め込み型に当てはまります。

プリジャー型

プリジャー型は出張の前後に有給を組み合わせるワーケーションを言います。出張のついでにストレスを発散できる、有給を消化できるので、会社側のメリットも大きく、プリジャー型ワーケーションを推奨する企業も多いです。

オフサイト会議・研修型

オフサイト会議・研修型はチームのミーティングや研修をリゾート地で開催する形態のワーケーションを言います。合間に観光やレジャーを楽しめるので、社員旅行と仕事を兼ねられるのがメリットです。

ワーケーションのメリット・デメリットは?

ワーケーションは一長一短です。良い面もあれば悪い面や課題もあります。それではワーケーションのメリット・デメリットを解説していきます。

ワーケーションのメリット

ワーケーションのメリットは、ストレスフリーな環境で仕事に取り組める点です。オフィスで仕事をしていると、仕事に息詰まってしまうこともあるでしょう。そこで、環境を変えて開放感のあるリゾート地で仕事に取り組むことで、仕事に集中しやすくなることが期待されます。また、ワーケーションでは業務外の時間に観光やレジャーも楽しめます。社会人は長期の休みを取得するのが難しいです。そこで旅行と仕事を組み合わせれば、子供の夏休みなどに遊びに連れ出すこともできます。独身の方も仕事の合間に息抜きができるでしょう。

また、ワーケーションは会社側にとってもメリットがあります。ワーケーションは有給をまとめて取得する機会としても良いので、有給消化率の向上に繋がるでしょう。まとまった有給はチームの業務に支障が出るので、なかなか取得するのが難しいのが現状です。そこで、出張の前後という予定が空いているタイミングで有給をまとめて取得することで、社員は出張先でバケーションを楽しめる、会社は有給が取得できない社員の有給消化を進められると社員・会社双方がメリットを得られます。

ワーケーションのデメリット

ワーケーションのデメリットには、労働時間の管理が難しい点が挙げられます。ワーケーションは休暇を前提としたものです。休みの間に働くことになるので、労働時間を正確に把握しにくくなってしまいます。また、社員からしてもオン・オフの切り替えが難しくなってしまいます。人によっては休みに仕事のことが頭から離れず、せっかくリゾート地に出かけたのに休んだ気になれないのもワーケーションのデメリットでしょう。

加えて、ワーケーションはセキュリティ面で課題もあります。ワーケーションに限らずリモートワークは社外で業務を行うので、個人情報など機密事項の管理に入念な注意が必要です。特にリゾート地のような場所では気分が浮かれやすいのでセキュリティインシデントも起こりやすくなるでしょう。したがって、ワーケーションは細かくルールを決めたうえで運用しなければいけません。

ワーケーションにおすすめのスポットを紹介!

ワーケーションをするならどこの場所が良いのでしょうか。ワーケーションにおすすめの土地を紹介します。

軽井沢

昔から避暑地・別荘地として人気の軽井沢。軽井沢は夏場でも涼しく過ごせる環境に加え、飲食店など長期滞在に便利なお店も充実していてワーケーションに適しています。また、ホテルがワーケーション向けのプランを用意していたり、ワーケーション向けのコワーキングスペースも増えていたりして、ワーケーションで軽井沢を訪れる人のための施設も充実しているので、仕事場所にも困りません。

鎌倉

鎌倉は歴史風情のある街並みや海・山に囲まれた自然豊かな環境が魅力的な土地。首都圏から手軽にアクセスできるので、関東に住む会社員から人気のワーケーションスポットとなっています。鎌倉市もワーケーション客の勧誘に力を入れており、市内にコワーキングスペースを増やしたり、企業の誘致に力を入れたりしています。特に由比ヶ浜周辺はワーケーション向けの施設が充実しており、潮風を感じながら仕事に取り組めます。

伊豆

温泉地として人気の高い伊豆も自治体がワーケーション客や企業の誘致に力を入れています。ちなみに伊豆は観光庁の既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業に採択されており、ワーケーションの実証事業を行っています。そのため、伊豆の場合交通費や宿泊費の補助を受けられるのも魅力的です。リゾートホテルを中心にワーケーション向けプランも充実しており、個人だけでなく企業でのワーケーションができる環境も整っています。

志摩

志摩も自治体をあげてワーケーションを推進しています。2022年3月には自治体の補助金を使ってできたコワーキングスペース・シェアオフィスも誕生しました。他にも志摩は格安料金で利用できるワーケーション向け施設が充実しています。志摩は海に面した街であり、マリンレジャーが楽しめます。その他にも郷土料理やレジャースポットがたくさんあり、仕事の合間に様々な過ごし方ができるでしょう。

札幌

都市型ワーケーションを推進しているのが札幌です。ワーケーションと言えば自然豊かな土地のイメージが強いかもしれませんが、札幌は北海道の観光所在地。ただし、札幌駅周辺は経済が栄えており、繁華街の面が強いものの、札幌駅から離れると自然に恵まれていて、札幌は都会と自然が共存した街と言えます。都市部の観光も自然のレジャーもどちらも楽しめるのが札幌でワーケーションをするメリットです。また生活に必要なスーパーなどの施設も揃っており、長期滞在もしやすいでしょう。

ワーケーションは社員にも企業にもメリットがある!

ワーケーションは社員からすると仕事のついでに観光地で息抜きができる、会社からすると有給の消化を進められるといった、双方にとってメリットがある働き方です。ワーケーションという言葉が広まったことで、ワーケーション目的の観光客向けの施設も全国各地で増えつつあります。社員のパフォーマンス向上の一環として、ぜひワーケーションを取り入れてみてください。

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