雇用のミスマッチとは、求人側と求職側のニーズが一致しないことである。
需要不一致に陥る状態は、求人需要は高いにもかかわらず休職需要が低いなどの不一致や、休職者が集まりすぎてしまう業種と求人不足になっている職種があるといった「業種間ミスマッチ、職種間ミスマッチ」、また能力・経験・年齢・勤務などの条件不一致による「条件ミスマッチ」、そして求職者の性格や意欲などが組織風土と合わない「性格・意欲ミスマッチ」などがある。
ミスマッチが起きてしまう背景には次のようなことが考えられる。
・バブル崩壊後の失業者増や、団塊ジュニア・女性の社会進出による人材過剰により若者の就職先選択の範囲が狭まった
・ビジネス環境の変化により、年功序列制度の崩壊や成果主義の導入で、労働環境の悪化が加速した
・雇用形態が多様化し、若年層の仕事に対する価値観や意識の変化していった
・企業は採用活動において職業能力や経験を重視する一方、求職者は「やりたい仕事」を重視するようになった
など、時代の変化にともない若者の働くことに対する意識も変化し、職業能力習得の必要性を従来より軽視している問題なども考えられる。
雇用のミスマッチを改善するため、国は対策として「総合雇用対策」を各地方自治体と連携し、規制・制度改革を通じた新市場・新産業の育成、官民の連携による職業紹介・能力開発を積極的に推進し、人材の適材適所の実現などの施策を講じている。