オーバーオールレイティング法(overall rating system)とは、人事考課において相対的に考課する評価方法のことである。一般的に人事考課とは、「職種」「職位」「等級」など複数設けられた項目に基づき評価をおこない、その結果を集計する分析的な評価で決定する。
しかし、この評価方法では以下のような懸念が発生することがある。
・各評価項目の結果値を積み上げた評価結果が、評価対象者の最終評価としては妥当性を欠くこともある
・同じ等級でも職種が異なると評価項目が異なるため、同等級の者を単純比較した場合に妥当性を欠く場合がある
これらの欠点を解消するのがオーバーオールレイティング法であり、この場合、比較対象となる範囲を包含する大きな視点で、横断的・共通的な評価項目によって評価をおこなうことができる。
現在、企業はオーバーオールレイティング法の有用性を理解しながらも、評価する側のスキルに依存しがちであり、分析的な評価方法と組み合わせるケースが多い。