「た」から始まる人材マネジメント用語一覧

対角線交渉

わが国では、企業内組合とその使用者が団体交渉を行うのが主であるが、企業内組合が加盟している上部団体の産業別組合が直接個々の企業と団体交渉を行うこと。

退職給付債務

企業の退職金や企業年金に感する新しい包括的な会計基準である退職給付会計において、退職一時金と退職年金を包括して、企業の債務として認識し、退職給付債務と年金資産等の差額を退職給付引当金とした際に発生する債務のこと。
退職給付債務は、期末時点において、全従業員の将来発生する退職後の支払総額を予測し、その支払総額を案税制の高い長期債権の利回りなどを基礎とした市中金利などを考慮して現在価値に割り引いて求められる。

退職給与引当金

新会計基準に基づく退職給付債務に対する引当金のこと。従来の法人税法による会計基準では、期末毎にその従業員が退職した場合の退職金を基に、一定割合を退職給付引当金として計上していたが、新会計基準では、会社が将来負担することになる従業員に対する退職一時金・年金の負債から、年金資産などを差し引いたものを退職給付引当金として計上する。

退職金算定基礎額

退職金算定基礎額とは、退職金を計算する場合の算定基礎とのなるもののこと。退職金は、一般的には、算定基礎額に勤続年数別支給率を乗じて計算されるが、このうち算定基礎額には退職時の基本給を用いる例がもっとも多く、役割手当てなどの諸手当を加算する方式をとるものも多い。
最近では、ベースアップに伴う賃金増額分の全額を自動的に算定基礎額にはねかえされる方式は見直されており、ポイント制などを導入する企業も増えている。

退職金支給率

退職金支給率とは、算定基礎額に勤続年数別支給率を乗じたもの。

支給率は以下の4タイプが考えられる。

  1. 支給率の格差が勤続1年毎に等差級数的に増加する一律増加型
  2. 支給率差が数年毎に段階的に大きくなる段階的増加型
  3. 勤続が長くなるにつれ支給率差が1年毎に増大していく累進的増加型
  4. 前述の3タイプを組みあわせた混合型。

昨今、頻繁に見られる定年延長においては、延長部分の支給率を頭打ちにする企業も増加している。

退職金制度

退職金制度とは、定年、自己都合、結婚などの様々な事由により企業を辞める場合に労働者に対して手当てを支給する制度のこと。支給額は、労働協約、就業規則、退職基底などで定められる。
退職金の性格としては、

  1. 在職中の企業への貢献に対して支払うためとする功労・勤続褒賞説
  2. 在職中の賃金を後で補填するためとする賃金後払い説
  3. 老後の生活を助けるためとする老後生活補助(保障)説 が代表的である。

退職金の前払い制度

退職時に支払われていた退職金を廃止し、給与または賞与などに手当てとして上乗せして支払う制度のことを言う。近年、企業のバランスシート上に現れる退職給付債務の問題を解消するため、あるいは日本版401K(確定拠出年金)等の法制化等により課税上従業員に不利にならない支払い方法等が整備されてきたために増加傾向にある制度である。

企業の利点は、退職金を各期で清算するため、積み立て不足の懸念がなくなることである。一方、従業員の利点は、中途退職によって退職金の算定が不利にならないことである。

退職時等の証明

使用者の退職時等の証明義務は労働基準法第22条に規定されている。労働者が退職する場合、以下について、労働者が証明書を請求した場合は、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない。

  1. 使用期間
  2. 業務の種類
  3. その事業における地位
  4. 賃金
  5. 退職の事由(退職事由が解雇の場合はその理由を含む)

(5)の退職の事由(退職事由が解雇の場合はその理由を含む)は平成10年の労働基準法の改正時に加えられた。

また、労働者が解雇予告をされた日から退職の日までに、当該解雇の理由についての証明書を請求した場合、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない。なお、証明書の内容は、法定記載事項であろうと労働者が請求しない事項を記入することを禁止されている。労働者が退職する場合とは、自己都合の退職のほか、解雇、懲戒解雇、契約期間の満了などが該当する。

労働者が退職時の証明を請求できる事項は2年に定められているが、2年内であれば、証明を請求できる回数の制限は設けられていない。労働者が退職時、使用者は労働者に離職票を交付するが、離職票は公共職業安定所に提出する書類であるため、退職時の証明に代替することができない。また、退職時等の証明は「使用者はあらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、身上、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は退職時等の証明書に秘密の記号を記入してはならない」(労働基準法第22条)とされている。

退職準備プログラム

退職準備プログラムとは、定年退職前の従業員に対して、退職後の職業や生活などについて個々に相談に応じたり、就業教育をしたりすること。定年退職は従業員にとって大きな生活の変化を生じさせるため、定年を境として生活環境の変化に対応できずに身体的・精神的に不調をきたすものもいる。

退職所得控除

退職所得控除とは、退職にあたって、その年中の退職一時金収入から勤続年数の長さに応じて控除される金額のこと。退職所得は他の所得と切り離して分離課税される。

対比誤差

対比誤差とは、絶対基準ではなく、自分自身(評価者)、あるいは誰かを基準にして、被評価者を評価するエラーのこと。対比誤差により、被評価者の評価を過大あるいは、過小に評価してしまう危険性がある。

エラーは、得意分野を有する評価者や不得手な分野を持つ評価者に発生しやすい。特に、優秀なプレーヤーだったマネジメント評価者)が、部下を評価する際に「何故こんなことも出来ないのか」と自身(評価者)の経験や実績と比較して部下を過小評価するケースが多い。逆に、自分自身(評価者)を基準として、優れたスキルをもつ被評価者に対しては、実際の評価以上に高く評価してしまうケースもある。

評価者(評価者)の得意な事については、比較的厳しく評価する。不得意な事については比較的甘く評価してしまう傾向があるため、自身(評価者)と反対または同じ特性を有する被評価者を評価する際、特に注意する必要がある。
対比誤差は、人事評価時における評価内容の正当性との乖離を表現する際に用いられ、人事評価時に評価者が留意する事項として用いられる。

タスクフォース

タスクフォース(task force)とは、通常の組織内で行う仕事とは別に、特別なミッション(役割)、作業を一時期的に担うこと。場合によって、その一時的役割を担うメンバー構成員全体を指すことも多い。

本来は、与えられた仕事の短期間での処理が中心となり、問題の解決や課題の達成を目的とするプロジェクトチームとは分けて使用されていたが、近年は、プロジェクトチームと同義に用いられることも少なくない。
組織横断的にメンバーが集められることも多いため、その場合にはクロス・ファンクショナル・チーム(CFT:Cross Functional Team)と同義で用いられる。近年、非常に注目されている業務の取り組み形態である。

タックマンモデル

「タックマンモデル」とは、チームビルディング(組織進化)モデルの4段階を指す。心理学者のタックマンが唱えたモデルである。チームは形成されただけで機能し始めることはない。チームを形成していくプロセスには4段階あり、チームは形成後、混乱を経て、期待通り機能するようになる。

意見の対立を避けて各メンバーが自由に意見を発している状態であれば、チームは統一されず、機能しない。チーム作りに重要なことは、混乱期を避けずに如何に早く通過し、統一していくかである。

  1. Froming:形成:メンバーはお互いのことを知らない。また共通の目的等も分からず模索している状態。
  2. Storming:混乱:目的、各自の役割と責任等について意見を発するようになり対立が生まれる。
  3. Norming:統一:行動規範が確立。他人の考え方を受容し、目的、役割期待等が一致しチーム内の関係性が安定する。
  4. Performing;機能:チームに結束力と一体感が生まれ、チームの力が目標達成に向けられる。

タフ・アサインメント

困難な課題を割り当てられること。ビジネススキルやリーダーシップを開発する場合、実務において、困難な課題を割り当てること(タフ・アサインメント)が、最も効果が高いとされている。

タフト・ハートレー法

タフト・ハートレー法(Taft-Hartley Act)とは、労働者の団結権や労使交渉の対等性を保障したワグナー法の制定によって生じた「労働保護の行き過ぎ」によってもたらされた労使の不均衡を是正した法律のこと。
主な修正点は、労働組合員以外の労働者の雇用は認めないクローズドショップ協定を禁止したことや、使用者の不当労働行為と並んで労働者側の不当労働行為を定めたこと、組合員の役員は共産主義者などではない旨の宣誓を提出しなければならないことなどである。

多面評価

上司だけでなく、部下・後輩、同期・同僚、他部署、及び取引会社等、仕事において関係を持つ人物が、対象者を評価すること。360度評価とも呼ばれている。上司からの一方的な評価だけでなく、関係者からの評価も盛り込むことで、公平且つ正確な評価が可能となる。被評価者(評価される人物)にとっても、客観的な目線で自分自身を振り返ることが可能となる。

タレントマネジメント

人材マネジメントにおいて『タレント』とは、組織のパフォーマンス向上に大きな影響を与える能力を持つ人材のことを指して言います。自社における『タレント』が、どのような要件(素養・能力・スキル等)を持つ人材となるのかを特定し、これらの人材の力を最大限に引き出すような投資や教育を行うことを『タレントマネジメント』と言います。

短時間勤務

育児・介護休業法23条に定められた、3歳に達するまでの子を養育する労働者や介護休業をとらずに家族介護を行う労働者に対して、事業者が講じなければならないとされている措置のひとつのこと。一般的には、1日6時間未満、又は月20日未満勤務とされている。

男女雇用機会均等法

男女が社会の対等な構成員としてあらゆる分野の活動に参画する機会が確保され、ともに責任を担う男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に促進することを目的として、平成11年6月に施行された法律のこと。職場における採用・配置・昇進などの人事上で男女の差別を行ってはならないとされれている。正式名称は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」という。

単身赴任

単身赴任とは、自宅通勤ができない地域への転勤を命ぜられた場合、子供の教育、家族の病気、出産などを理由に単身にて勤務地へ赴任すること。経済的ならびに精神的な負担が大きくなるため、別居手当や帰省交通費等といった経済的援助が会社から実施されることもある。

WCL(ダブリューシーエル)

WCLとは、国際労働組合連合の意味。

WFTU(ダブリューエフティーユー)

WCLとは、世界労働組合連盟の意味。

第二組合

第二組合とは、企業などにおいて、既存の労働組合が存在する状況で、非組合員の労働者が新たな組合を結成した場合や既存の労働組合が分裂し、別の組合が結成された場合、既存の労働組合に対して表現される新たな組合のこと。

第二新卒

第二新卒とは、新卒入社1年目から3年目の25歳以下の若手社員で、退職を希望している者、あるいは、退職し就職先を探している者で、新卒者とほぼ同じ条件で採用される者のことある。雇用制度の変化に伴い労働者の意識も変化し、転職することに抵抗を持たない人材が増えた。厚生労働省の調査によると新卒入社の約3割が3年以内に退職(退職理由は「雇用のミスマッチ」参照)している。

新卒ではないが、キャリアと呼べる実務経験もなく、これらの背景から、第二新卒という言葉が生まれたと言われている。第二新卒を採用する側のメリットして、新入社員研修等を受けているためビジネスマナー等が身についている、特定の企業文化の影響をまだ受けていない、個々の成長の可能性、ポテンシャルなどが挙げられる。

一方、デメリットとしては、強い意志を持っていない人材は、またすぐに辞める可能性もあり、面接の段階で第二新卒の意思や志を見極めることが必要とされ、一定レベルの難度がある。第二新卒側にとってのメリットとして、2007年以降の団塊世代の大量退職に伴う世代交代が進む中、企業が少子化による若年層労働者の減少を見据え優秀な若手の人材確保に本腰入れている背景もあり、キャリアチェンジを実現する機会が豊富な時期が存在する。
従って、自分が本当にやりたい仕事に就ける、前職場より労働条件や待遇が良くなるなどの可能性も広がっている。一方、デメリットとして転職癖がついたり、「またすぐやめるのでは」と見られる可能性もある。

第二本給

第二本給とは、基本給の中を更に分割し、重要な部分と副次的な部分に分けた場合の後者のこと。当該制度を導入することによって、退職金や賞与の算定基礎は第一基本給のみとすることで、退職金や賞与などへのはね返りを少なくする企業もある。

ダイバーシティ

ダイバーシティ(Diversity and Inclusion)とは、雇用の機会均等、多様な働き方を指す。
もともとは、アメリカにおいてマイノリティーや女性の積極的な採用、差別ない処遇を実現するために広がったもの。その概念が広がりを見せ“多様な働き方”を受容する考え方として使われるようになった。
日本においては、人種、宗教等よりは、性別、価値観、ライフスタイル、障害等の面に注目した多様性として捉えられている傾向がある。現在、人権等の本質的な観点だけでなく、将来的な少子高齢化による労働力人口の減少等に対応した人材確保の観点から“ダイバーシティ”に取り組む企業が増加している。

妥結権

妥結権とは、労使交渉において、妥結をする権利のこと。団体交渉権が競合する場合において、加盟下部組合が上部団体に委譲する三権のひとつのこと。

団体交渉

団体交渉(collective bagaining)とは、労働者が、労働条件を維持・改善するために団結してその代表者を通じて使用者または団体と交渉すること。団体交渉は、交渉結果を労働協約として締結することが最終目的とする。

団体交渉権

団体交渉権(right of collective bargaining)とは労働者が団体で使用者(雇用者)と交渉をすることができる権利のこと。立場の弱い労働者保護の観点で保障されている権利となる。憲法28条で保障されている。

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