「し」から始まる人材マネジメント用語一覧

この記事では「し」から始まる人事・人材マネジメントに関する用語を中心に採録しています。

目次

CDP

CDP(career development program)とは、従業員の長期的な視点でキャリア形成を支援する仕組み。中長期的なキャリアビジョンの策定や中長期的な研修計画のみならず、配置・ローテーション、職務経験等を包括的に勘案した実行施策となる。

CEO

CEO(chief executive officer)とは、最高経営責任者を意味し、株主の委託を受けて経営上の意思決定を行う取締役会で選任され、企業の経営方針について最終責任を負う。取締役会の会長と兼務するケースが多い。

CHO(シーエイチオー)

CHOとは、「Chief Human Officer」を略した言葉であり、経営資源の中で、人的資源における責任を担う存在として位置づけられており最高人事責任者などと訳される。

CHOの役割は、従業員と経営者の間に立ち、人的資源管理における責任を全することで、企業価値の向上に寄与していくことである。

元々、米国では、取締役会が意思決定と同時に監査を行い、実際の実務を行うのは執行役と役割が明確に分離されていた。それゆえ、米国の企業においてCHOは、実際に事業部門や機能部門を統率する立場の執行役として人的資源管理における責任を全する立場と位置づけられていた。

近年日本においても、執行責任を明確にする傾向が強くなったため(経営と執行の分離をする傾向が強くなった)、CHO等、執行責任を明確にする名称が活用されるようになった。

ただし、従来の日本企業で用いられてきた「役職」と責任が異なるものでは無いため、単に部門の長である人事部長を指していることもある。
CHOと似た呼称には、CEO(最高経営責任者 Chief Executive Officer) やCFO(最高経理責任者 Chief Finacial Officer)などある。
(※)現在日本では、法的に定義するものは存在していない。

CI(シーアイ)

CI(corporate identity)とは、当該企業が当該企業である所以である固有に持つイメージ、考え方、戦略、企業の取り組み姿勢等を指す。マーケティング・PRにおけるスローガン、コピー、デザイン等社外的な企業イメージの統一等を図る際に重要になるだけでなく、従業員の自社に対する意識の統一等を図る意味でも重要なものである。

COO

COO(chief operating officer)は最高執行責任者の意味で、企業の経営方針に則って企業活動の執行・統制に責任を負う。社長と兼務するケースが多い。

CPR

CPR(Cost Per Responce)とは、マーケティング領域で使われる用語で、見込み顧客1人(社)あたりの問合せや資料請求などにかかった広告宣伝費のことをいう。この指標を使用する目的は、広告の手法や媒体などによる費用の差を比較し、見込み顧客数を作る為の広告予算費の決定や費用対効果の良い媒体や手法などを検討するためである。

成果点は各社によって異なり、主な基準としては、問合せ・資料請求などがある。成果点までの広告宣伝費は、見込み顧客が顧客になった際の商品やサービスの購買額と比較して、低くなるようにするのが一般的である。

例)、ある健康食品会社が、商品A(2万5千円)を売り出すために100万円の広告費を使って資料請求が50人あった場合、CPRは2万円ということになる。

CSR(シーエスアール)

CSRは「Corporate Social Responsibility」の略語で、「企業の社会的責任」を意味する。一般に、コンプライアンス(法令遵守)、コーポレートガバナンス(企業統治)、ディスクロージャー(情報開示)など、企業が社会に対して果たすべき「責任」のこと。

企業活動には多くのステークホルダー(利害関係者)との関わりの上に成り立っているため、こうしたステークホルダーとの双方向のコミュニケーションが重要となり、企業の立場から積極的にコミュニケションを図って行く活動(CSR活動)が重要視されてきているため注目を集めている。

シェアードサービス

シェアードサービス(shared service)とは、各社内でにある人事や経理・情報システムなどの間接部門の業務を1つの組織へ集約することにより業務の効率化とコスト削減を図る手法である。

サービスの提供先を「顧客」として捉え、サービス価格を明示することで、付加価値の創造=価格のアップといった市場原理の働く環境を構築し、自律的にサービス品質の向上(付加価値向上)を実現し、効用の最大化を 図る仕組みである。

業務の集約プロセスにおいて各機能にあった重複業務や重複人材のスクラップが可能となり、コスト削減が可能になる。加えて、集約を図る際に、業務標準化を推進する必要があり、結果的に、画一的で均一なアウトプットの創出が可能になることでも、一定業務品質の維持が可能になる。また、標準化の推進により特殊技能を持たない人材による業務の代替が可能になりコスト削減効果がある。

最終的には、ノウハウを蓄積し、プロフィットセンターとして業務の受託など外販をしていくことを視野に入れるケースもある。

シェアードサービスは、米国のGE社が導入の起源とされており、各部門にあった伝票処理などの経理業務を1つの部門に集約し、 各部門における業務簡素化を実現する目的で実施された。

その後ERP (Enterprise Resource Planning 企業資源計画)が米国の大企業などで導入されたことにより、シェアードサービスの活用が広がった。

日本でもバブル崩壊後の不況や情報技術の発展を背景に、業務の集約化や標準化を図りコスト削減などを実現する目的で活用される例が増えてきた。

しかし、導入時の業務標準化の困難さ(グループ会社間で業務が異なるため、調整が不可避)や運用時には、単純化された業務を担う人材の動機づけやキャリアパスに対する取り組みが必要なこと等、課題も多い。

資格試験

企業内における昇進、昇格においてその昇進・昇格要件を満たしているか否かを判断するために設定される試験等を言う。

資格手当

企業内の報酬体系によって様々な位置づけがあるが、一般的には、資格等級制度の該当する資格・等級ごとに支払額が決まっている手当を言う。

時間外手当

時間外手当(overtime pay)とは、1日8時間を超過した勤務に関して、2割5分増以上、深夜に及んだ場合には5割増以上、法定休日に労働させた場合には3割5分増以上、深夜に及んだ場合には6割増以上の割増率で割増賃金を支払う必要がある。

割増賃金の算定方法は以下のとおり
1時間当たりの賃金額※×時間外労働・休日労働・深夜労働の時間数×割増賃金率
※1時間当たりの賃金の算出方法

月の所定労働賃金額÷1ヶ月の所定労働時間数

  • 臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、以下の注意をする必要がある。
  • 時間外労働時間・・・年720時間以内
  • 時間外労働+休日労働・・・月100時間未満、2~6か月平均80時間以内

原則である月45時間を超えることができるのは、年6か月まである。

  • 大企業は2019年4月~、中小企業は2020年4月~時間外労働の上限規制が導入された。
  • 残業時間の上限は、原則月45時間・年360時間になり特別な事情がなければ超えることはできない。
  • その為、より一層企業は、時間外労働について対策を立案する必要がある。

指揮命令権

労働契約において使用者は労働の対価として賃金を支払うが、同時に当該従業員に対してその労働の内容・遂行方法・勤務場所等に対して指揮命令する権限を有する。

始業・終業時刻

始業・終業時刻とは、組織で働く人々が仕事を始める時刻と、終える時刻である。1日の労働時間は原則8時間(週40時間)であるため、9時が始業時刻の場合は、12時から1時までは休憩時間で、18時が終業時刻となる。

労働者の始業・就業時間は記録を残す必要がある。記録は通常、以下のいずれかの方法を用いなければならない。

  • 使用者(雇用者・事業者)が労働者の始業・就業時刻を確認・記録
  • タイムカード
  • ICカード・IDカード
  • パソコン入力等

※記録に関しては、最低3年間保管しなくてはならない。

事業部別組織

事業部別組織とは、本社機能と、製品別・地域別・顧客別などの基準で編成された事業部で編成された組織のことを指す。

メリットとして、各事業部に、権限委譲することで、事業部それぞれが、外部環境の変化を捉え、迅速な意思決定を行なうことが可能になる。また、事業部ごとの業績責任が明確になるため、業績達成へのコミットメントを誘発しやすくなることが挙げられる。

他方、デメリットとして、事業部がそれぞれ経営機能を持つことで、リソースの重複が発生することや、事業部最適に陥り、事業部間のコミュニケーションが希薄になることなどが挙げられる。

このため、本社機能には全体最適の視点で、事業部間を調整・統括したり、経営資源の合理化を図ることが求められる。

失業

失業(unemployment)とは、雇用されて就業する意思とその能力を持ちながら、就業できない状況となっていること。

季節的失業(季節による需要の偏りによる失業)、摩擦的失業(産業構造の変化による失業)、自発的失業(労働者が現在の賃金で働くことを拒否することによる失業)、構造的失業(経済構造上の問題による失業)、潜在的失業(就職難により就職を避ける、あるいは企業内失業にある等)がある。

失業等給付

失業時には主に4つの給付がある。「求職者給付」「就職促進給付」「教育訓練給付」及び「雇用継続給付」である。
平成10年の法改正により、「教育訓練給付」が創設された。加えて「雇用継続給付」に介護休業給付が追加された。
失業等給付の全体像は以下の通りである。

「求職者給付」

  1. 一般被保険者に対する給付(基本手当、技能取得手当、寄宿手当、傷病手当)
  2. 高年齢継続被保険者に対する給付(高年齢求職者給付金)
  3. 短期雇用特例被保険者に対する給付(特例一時金)
  4. 日雇労働被保険者に対する給付(日雇労働求職者給付金)

「就職促進給付」

  1. 就業促進手当(就業手当、再就職手当、常用就職支援手当)
  2. 移転費
  3. 広域求職活動費

「教育訓練給付」

  1. 教育訓練給付

「雇用継続給付」

  1. 高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金、高年齢再就職給付金)
  2. 育児休業給付(育児休業基本給付金、育児休業者職場復帰給付金)
  3. 介護休業給付(介護休業給付金)

各給付の詳細(受給資格等)は、各給付の用語欄へ。

失業等の給付は第二次世界大戦後、失業者をはじめ、復員軍事等失業問題が取りざたされていた。そのため、失業者の生活安定を図るため、1947年11月に「失業保険法案及び失業手当法案」が成立し、12月に交付された。
その後適用規模の見直しを図られながら、1974年雇用保険法として、成立した。
失業等給付は失業者の生活安定を図り、新しい仕事探しへの専念を実現するために給付されるため、いくつもの制約事項がある。

失業率

失業率(unemployment rate)は雇用失業情勢を把握するために使用される指標。総務省の労働力調査によって完全失業者数を労働力人口で序したものを完全失業率という。

シックスシグマ

シックスシグマ(Six sigma)は、業務オペレーション品質管理手法や経営改善方法論の一つであり、統計分析手法や品質管理手法を体系的に使用して、製品製造やサービス提供に関連するプロセス上の欠陥を識別・排除することにより、不良率の引き下げや顧客満足度を改善していくものである。

シックスシグマは、「製品100万個作ったときの不良率を3~4個にする」という高レベルな目標を達成するための全社的な取り組みである。シグマ(σ)とは、統計学上のバラツキを示す標準偏差のことであり、100万に3~4個という確率は、統計学で「6シグマ(σ)」に相当することから、シックスシグマと呼ばれるようになった。

シックスシグマは、1980年代初頭に米国モトローラ社が生産プロセスを改善するために開発した手法で、日本の製造メーカー等で実施されていたQC/TQCを研究して生み出された。
日本のQC/TQCは、現場作業者がQCサークルを作って現場の問題を現場で解決するという日常活動として展開されるが、シックスシグマは、トップマネジメントが改善し
たいポイントと要件を定義し、ブラックベルトと呼ばれるシックスシグマのエキスパートの下に現場作業者チームが編成され、数ヶ月間の有期的プロジェクトとして改善活動が展開される。

シックスシグマの活動の内容は、「COPQ(cost of poor quality:製品やサービスの品質不良のために生じる無駄なコスト)」と「CTQ(critical to quality:経営品質に決定的な影響を与える数少ない要因)」を2つの指導原理として、特定の要因やプロセス等を「MAIC」や「DMAIC」のサイクルにあてはめることで、各プロセスをチェックし、欠陥が起こる部分を改善する作業を継続的に行うというものである。

執行役員制度

執行役員制度(corporate officer)は、株主総会によって選任され、企業を管理監督・経営する取締役と企業における業務遂行を司る執行役を分離した制度。

執行役員とは、会社の業務執行に対する責任と権限を持つ役員であり、「代表取締役の指揮命令下にある会社使用人」であり、法的定義のある取締役とは異なる。近年のコーポレートガバナンスの強化の流れを汲んで、「経営に専念する人(取締役)」と「業務の執行に専念する人(執行役員)」を分離してそれぞれの役割分担を明確にする執行役員制度が導入されてきた。

取締役が取締役会による会社経営の観点での意思決定を行うのに対して、執行役員は取締役から委任された日常の業務遂行の執行権限によりに業務上の意思決定を行う。執行役員は商法上の役員ではなかったが、2006年の会社法施行により、委員会等設置会社においては、商法上の位置づけが明確になった。

支払報酬

支払報酬は、弁護士、公認会計士などの専門家に対する支払の勘定科目のこと。科目属性は、借方科目である。

処理例:弁護士に顧問料105,000円(内消費税5,000円)から源泉徴収 所得税を差し引き、現金で支払った場合
(借方)支払報酬 100,000円 / (貸方)現金 94,500円
(借方)仮払消費税 5,000円 / (貸方)預かり金 10,500円

事務員給与

管理部門などに属する事務職員(役員を除く)に対する給与であり、費用計上する
際に用いる勘定科目で借方科目である。事務員給与は、販売管理費の一部である。

一方、製造に関わる人材など製造部門の社員の給与については、製品を製造するた
めに費やした製造原価となるため、労務費として費用計上される。

社外取締役

社外取締役(outside director)とは、これまでその会社または関連子会社で勤務した経験のない、社外から任用する取締役を指す。社外取締役は会社にとって第三者であるため、しがらみや利害関係に縛られることなく、中立な立場から会社経営を監督することができる。通常は、日常の業務執行権限を持たず、企業統治(コーポレートガバナンス)の観点より、企業や経営の執行状況を監視する。
主に、他企業の経営者、大学教授、学者などが社外取締役として起用されており、日本でも、企業の経営不祥事が相次ぐ状況下で経営の透明性、また株主重視の経営の必要性が求められ、社外取締役の導入が広まりつつある。

社内FA制度

社員が自らの経歴や保有する能力を持って、希望する仕事を担う職種や部署に売り込み、受入れ部門がその従業員と面接し、選抜する仕組み。

組織の機能分化による適材配置の硬直化、キャリアパスの実現施策として導入される仕組みであり、社内人材の活性化に寄与する。

社員がFAを宣言する場合、勤続年数や年齢、現部門での在籍年数などの一定の条件等を設定しルール化されているケースが多い。また人材を嘱望する組織が、社内求人情報として、人材要件を公示し求人する「社内公募制度」と同時に制度化する企業も多い。

会社として個人のキャリア形成に積極的に応える仕組みであり、従業員のモチベーション向上等に効果が高い。

社内カンパニー制

社内を事業部等の単位に分割し、それぞれを1つの会社に見立てる分権化の仕組み。

カンパニー単位に権限委譲され、意思決定を行うため、意思決定の迅速化、責任の所在の明確化を図るといった効果がある。また、B/S、P/Lを分割して作成することで、財務的な面でも透明性が増す。

社内公募制度

社内公募制度は、空きポスト、あるいはプロジェクトメンバー、新規事業の要員等を社内に公募して人材を集める仕組み。既存のキャリアパスやローテーション、職種を超えた人材を集めることができる。また、人材の流動化や従業員のやる気に応えることができるため、社内活性化に資する仕組みである。
バブル崩壊後の企業業績低迷期に各企業がローテーションを抑制する傾向があり、社内における仕事と本人の希望のアンマッチが発生しているような場合も多い。そういった問題を解消するための施策のひとつでもある。

ただし、既存の人事慣行や序列を崩すこともあり運用には経営のコミットと全社的な制度の理解を得る必要がある。社内FA制度などとセットで導入されるケースが多い。

従業員持株会

従業員持株会(employee stock ownership)とは、従業員が持株会を設立して、自社の株式を継続的に購入する制度。

一般的に、従業員持株会には企業側が購入資金の補填等を行うため、従業員は有利な条件で株式を購入することが可能となる。また企業としても、最も信頼できるステークホルダーである従業員が安定株主として株式を継続保有するメリットがあると同時に、従業員に経営参画意識を醸成することも可能となる。

就業規則

就業規則(working rule)とは、使用者が労働条件、服務規律等について定めた規則の総称のこと。

10名以上の労働者を使用する事業所では就業規則を策定し、当該事業所の過半数を代表する労働組合(組合が無い場合は代表者)の意見聴取した書面を添付し、労働基準監督署長への届出が必要になる。

就業規則の施行に当たっては労働者に周知することが必要となる。

就業率

就業率とは、満15歳以上人口のうち就業者の割合のことである。総務省統計局が毎月実施している「労働力調査」において完全失業率と共に公表されている。今後、人口減少が加速する中で日本が成長していくためには労働力の確保が必要となり、政府は労働市場改革案を立て10年後に達成すべき就業率の数値目標を設定した。
改革案としては、結婚や出産で退職する既婚女性や、大量退職を抱える団塊世代を中心とした高齢者の就業を促す「税制・社会保障制度の改革・就職支援」、家庭と仕事が両立できるような働き方の実現を上げている。

終身雇用

嘗て年功序列、企業内組合とともに日本企業の競争力の源泉と考えられてきた仕組みで、定年退職まで従業員を継続雇用する仕組み。

囚人のジレンマ

囚人のジレンマとは、個人の最適化を図ろうとした選択が、結果として全体の最適選択とはならないことを示唆するゲーム理論のモデルである。このモデルは、環境保護問題や値下げ競争等幅広い状況で使用される。

(例)
同一の事件で逮捕された2人の囚人が、互いに意思疎通をできない牢獄にいる。そこで2人に対し、個別に提案を出される。「自白すれば司法取引により釈放されるが、もう1人も自白した場合は2人に懲役3年が科せられる。1人が自白し、もう1人が黙秘した場合、自白した者は釈放され、黙秘した者は懲役5年が科せられる。また両方が黙秘した場合は、懲役1年が科せられる。」

自分にとって最適なのは、自分の自白と相手の黙秘によって釈放されることである。しかし、相手も自白してしまうと双方に3年の懲役が科せられる。その一方、もし自分が黙秘し相手も黙秘した場合、双方が自白した場合の懲役3年より短い懲役1年となる。しかし相手が自白した場合、自分にとって懲役5年という最大不利益を被ってしまう。

全体としてみれば、2人の囚人の黙秘による懲役1年が最適な選択であるのにも関わらず、自白をした場合自分にとって釈放という最適化があるため、自白か黙秘かの選択にジレンマが生じてしまう。

出張日当

日当とは、一般的に労働者が勤務地を離れて業務に従事する出張時に、交通費や宿泊費以外に出張に伴う精神・肉体的疲労に対する慰労や諸雑費の補填といった意味合いで支給される事が多い。

支給基準としては、出張先(距離)、出張の日数、出張者の職位などを考慮するのが一般的である。なお、具体的な支給基準は、各企業の就業規則や規程によって異なる。

日当は、慰労、諸雑費(一般的には昼食代などの実費弁済分)の補填ための手当といった意味合いが強いため、税法上では賃金として扱わない。また、社会通念上妥当な範囲に限り、非課税とされている。

障害者雇用促進法

障害者雇用促進法とは障害者の雇用および職業生活上の自立を促進するための措置を講じ、障害者の職業の安定をはかることを目的とした法律である(昭和35年に制定)。当初は身体障害者雇用促進法と呼ばれ、昭和62年の改正で「障害者の雇用の促進等に関する法律」(障害者雇用促進法)となった。この法律では労働省(現厚生労働省)令で定める身体障害者や知的障害者、精神障害者に関して、障害者雇用率制度、障害者雇用納付金制度などを定めると同時に、障害リハビリテーションの推進による障害者の職業的自立を支援する措置なども定めている。

障害者雇用率制度とは一般労働者と同じ水準において常用労働者と同じ機会を与えることを目的とし、常用労働者数に対する障害者の雇用割合(障害者雇用率)を設定し、事業主に対しその達成を義務付けるものである。一般民間企業における障害者雇用率の計算式は

障害者雇用率=身体障害者及び知的障害者である常用労働者の数+ 失業している身体障害者及び知的障害者の数/常用労働者数+ 失業者数- 除外率相当労働者数

で求められる。ただし短時間労働者(週20時間以上30時間未満の労働者)は1人につき0.5人、重度身体障害者および重度知的障害者は2人としてカウントされ(短時間労働者の場合1人)、精神障害者については雇用義務の対象でないものの、各企業の実雇用率の算定時には障害者として算入することができる。

(※除外率とは障害者の就業が一般に困難であると認められる業種について雇用する労働者を計算する際計算から控除する労働者の割合のことを指す。但し平成16年に廃止が決まり、現在は経過措置として段階的に引き下げられている)障害者雇用率は同法により種類別に定められており(法定雇用率)、民間企業(常用労働者数56人以上の規模)は2.2%、特殊法人(同48人以上の規模)は2.5%となっている(国、地方公共団体も2.5%)。(平成30年4月1日)

障害者雇用納付金制度とは障害者を雇用するには、作業施設や設備の改善、特別の雇用管理等が必要となるなど障害のない人の雇用に比べて一定の経済的負担を伴うこともあり、障害者の雇用に関する事業主の社会連帯責任の円滑な実現を図る観点から、この経済的負担を調整するとともに、障害者の雇用の促進等を図るために設けられた制度である。

制度では法定雇用率未達成の事業主に対して不足する障害者一人に対して月額50000円の障害者雇用納付金の独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構への納付を義務付けているが、常用労働者が201人以上300人以下の事業主に対しては平成22年7月から平成27年6月まで1人当たり40000円とする減額特例が適用される。

また障害者雇用納付金には時効があり(2年)、この間に申告義務があることが確認された場合当該年度のみならず、過年度分も支払わなければならない。

逆に法定雇用率を達成している事業主に対しては201人以上の常用雇用者がいる場合、法定雇用率を超えている障害者一人につき月額27000円の障害者雇用調整金が、200人以下の場合は各月の雇用障害者数の年度間合計数が一定数(各月の常時雇用している労働者数の4%の年度間合計数又は72人のいずれか多い数)を超えて障害者を雇用している時その一定数を超えて雇用している障害者の人数に21,000円を乗じて得た額が報奨金として支給される。

他にも障害者雇用納付金申告もしくは障害者雇用調整金申請事業主であって、前年度に在宅就業障害者又は在宅就業支援団体に対し仕事を発注し、業務の対価を支払った場合にも特例調整金が支給される場合がある。

障害者雇用促進法は現在に至るまでに知的障害者の追加、精神障害者の追加、法定雇用率の変更など何度か改正されている。

障害者雇用率

障害者雇用率とは、事業主に義務付けられている、全従業員数における障害者の雇用の割合のことである。この割合は、障害者雇用率制度において、民間企業では2.2%、国・地方公共団体・特殊法人等では2.5%、都道府県等の教育委員会では2.4%と定められている。(平成30年4月1日)

平成29年の時点で、50.0%の民間企業(従業員数50人以上)が雇用率を達成しており、前年より4.5%増加している。
うち身体障害者は333,454人、知的障害者は112,293.5人、精神障害者は50,047.5人といずれも前年より増加傾向である。

雇用率が未達成の場合の措置は以下の2点である。

  1. 不足人数1人につき1ヵ月あたり5万円を納付する(障害者雇用納付金制度)。
  2. 雇い入れ計画の作成。なお、それでも改善が見られない場合は、企業名が公表される。

障害者の求職の増加や、中小企業での障害者雇用の遅れを受け、平成21年4月に障害者雇用促進法が改正されたが、雇用率制度での主な変更点は以下の2点である。

  1. 雇用納付金制度の対象事業主の拡大。現在、雇用納付金制度の対象は、全従業員数が301人以上の事業主であるが、平成22年7月1日からは、201人以上300人以下の事業主へ、平成27年4月1日からは101人以上200人以下の事業主へも順次拡大されることとなった。更に平成30年4月1日からは45,5人以上に拡大となった。
  2. 短時間労働への対応。これまで、週の所定労働時間が30時間未満の短時間労働者は、雇用率制度の対象外であったが、改正により、平成22年7月1日から、週20時間以上30時間未満の短時間労働者についても、雇用率の算定に加えられた。これにより、高齢障害者の雇用促進や、定型的な単純作業を目的とした雇用の増加につながる等、より現実的な雇用ニーズに幅広く対応できるようになった。

生涯賃金

生涯賃金(Lifetime Earnings)は、労働者が一生の内に得ることができる賃金総額のこと。
一般的には学校卒業から、定年までの間に得られる賃金の総計となる。大卒男子で約2億9千万、高卒男子で約2億2千万程度といわれる(男女の性別、企業規模の差により、生涯賃金は異なる)。
嘗ては終身雇用を前提とした社会であったため、生涯賃金のモデルは重要な指標のひとつであったが、近年働き方の多様化や終身雇用が崩れていること等により、モデルの重要性は相対的に低下してきている。

紹介予定派遣

紹介予定派遣(temporary to permanent)とは、平成11年の労働者派遣法改正によって一部解禁、平成16年「紹介予定派遣」として定義された、紹介を目的とした派遣のこと。

禁止されていた派遣前の面接・履歴書の送付等が紹介派遣においては可能となる。

昇格

現在、従業員が位置づけらている資格等級制度上の格付けが、上位へ以降すること。資格が上がるため、一般的には給料も上がる。

試用期間

試用期間(probationary period)とは、主に正社員の採用において、雇用後の一定期間、能力や適性を見極めるために設定される期間のこと。一般的には就業規則に規定され、3ヶ月、あるいは6ヶ月程度とする場合が多い。

当該期間は使用者の解約権が留保された労働契約(解約権留保付労働契約)とみなされる。

また、試用期間開始後14日以内の解雇である場合には解雇予告、解雇予告手当の支給は必要ない。

使用者

労働基準法における使用者とは、「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」をいう。(労働基準法第10条)

使用者とは、労働基準法上の義務についての責任を負う者を意味する。使用者は社長と同義語ではなく、もっと広い概念である。例えば、取締役のみならず、人事部長、工場長なども該当する。(但し、これらはあくまでも概念であり、使用者かどうかは実態で判断される)
この実態とは、人事労務管理等において一定の権限を与えられているか等で判断される。事業主とは、事業の経営主体を意味する。個人であれば、事業主個人を意味し、法人の場合は、法人そのものを意味する。事業の経営担当者とは、事業経営一般について責任を負う者を意味する。(法人における取締役)

昇進

昇進(promotion)とはm組織における役職(職務/職位等)がより高い地位になること。

一般的には、課長⇒部長等のポストの上位方向への変更が、昇進となる。また、通常、昇進に応じて、昇格及び昇給(手当の付与)等が実施される。

賞与

賞与(bonus)とは、夏・冬・期末等に支給される支給額が確定していない一時金のことである。別名、ボーナス、一時金、報奨金、年末手当、夏季・冬季手当。
賞与は一定期間勤務した上で納めた業務成績や業務目標の達成度合いを考慮し、支給金額が判断される。賞与支給においての条件は、使用人(企業)が自由に定めることができる。そのため、賞与は通常、夏と冬の2回支給されるが、支給しなくてはならないというわけではなく、法律で義務付けられているわけでもない。

賞与引当金

賞与引当金(reserve for bonus)とは、従業員に支払う賞与のための準備金として法人税法上一定基準で認められていた損金算入が可能な引当金。

平成10年に廃止され、現在は実際の支給時に損金算入することとなる。

職業紹介

求人および求職の申し込みを受け、求人者と求職者との間に雇用関係を成立させることを斡旋すること。
当該事業を専門に実施する事業を、職業紹介事業と言い、有料職業紹介事業、無料職業紹介事業が存在する。有料職業紹介事業については、港湾運送業務に就く職業及び建設業務に就く職業のみ禁止されている。

有料職業紹介事業については許可制で、有効期間は新規では3年、更新では5年となる。
無料職業紹介事業については、以下の項目以外は許可制となり有効期限は5年となる。

  1. 学校等が、学生生徒等を対象としておこなうもの
  2. 農協、商工会議所、商工会等の特別な法律により設立された法人が、構成員等を対象にして行うもの
  3. 地方公共団体が、自らの施策に関する業務に附帯しておこなうもの

職業選択の自由

憲法に保障された職業選択の基本原則で職業安定法においても「何人も、公共の福祉に反しない限り職業を自由に選択することができる」としている。

職業能力開発促進法

職業訓練および職業能力検定の内容の充実・強化、施策の円滑化、労働者自ら職業に関する教育訓練・能力検定を受ける機会を確保するための施策等を総合的に講ずることで、職業に必要な労働者の能力を開発・向上させることを促進し、職業の安定と労働者の地位向上を図ることを目的とした法律。(昭和44年)

職業別組合

職業別組合(trade union)とは、産業、企業横断的に組織される同一業種の労働者による労働組合のことを指す。

職群

職群は職務の区分のひとつであるが、一般に職種より更に大きな区分の概念で、職種等によって区分される職務を更に種類や系統で分類したもの。

食事手当

就業時における食費支出をカバーすることを目的として支給する手当てのひとつ。

支給方法としては現物支給・現金支給・食券支給等がある。

現物支給の場合、福利厚生費として会社が処理をすることで、給与にかかる所得税が徴収されなくなる為、個人所得の節税が可能となる。その場合の要件は以下の通りである。(所得税法基本通達36-24、36-38、36-38の2)

  1. 支給する食事代の会社負担分が月額3,500円以下で、かつ従業員もしくは役員が食事代の50%以上を負担していること。
  2. 残業や宿日直の場合の食事代は、原則として会社負担額、従業員負担割合の制限はなく、全額非課税となる。

現金支給の場合は給与となり、所得税の課税対象となるので注意が必要である。ただし深夜勤務者に対しての食事代が1回300円以下であれば、非課税となる。
※「食事代」とは、会社が調理して支給する場合は、その原価にあたる金額、会社が弁当などを購入する場合は、その購入金額を指す。

法人に対しては、福利厚生費と給与のどちらで処理をしても基本的には損金扱いとなり、法人税は課税されない。(ただし役員給与に関しては損金扱いとならない場合もある)

職種

職種は、職務の区分のひとつであるが、一般に職務より大きな区分の概念で、組織目標を達成するために同じようなスキルを行使して同じ役割を担っている仕事の単位、あるいは企業の中で受け持つ機能(仕事)。一般的に、各種人材マネジメントの仕事の区分として広く活用されている

職種別採用

職種別採用は、採用の際に、採用する単位を職種に区分して採用を行う仕組み。中途入社に関しては、一般的に当該業務に精通した社員を採用し即戦力化することが必要なため、当該名称を用いていない場合であっても、概ね同様の考え方が用いられている。
近年では、新卒採用においても、本人のキャリア志向に応えるため、あるいは、会社として専門性の高い人材の採用を行うため(理工系人材の確保等)職種別採用の考え方を用いるケースが増えている。

職掌

職掌とは、職務分類の際、最も大きな分類区分をさす。仕事をするために要する労働内容が類似している職務または職種をグループ分けしたもの。
通常は職務の機能(人事、販売、営業など)、職務の態様(机上事務か現場作業か)などによって作業職掌、事務職掌、技術職掌、特務職掌、監督職掌、管理職掌、専門職掌などに区分される。
職掌に区分することによって職務の性質、機能が類似したものをまとめることが可能になり分析、評価、人事管理上都合がよい(マネジメントを行いやすい)。

また、昭和61年の男女雇用機会均等法施行を契機に、役割の違いに応じて総合職、一般職、といった職掌を設け、複線型雇用管理制度を採用する企業も多くなった。

しかし、男女雇用機会均等法の改正に伴い総合職と一般職というコース別人事は廃止される動きもある。
採用、配置、能力開発、昇進昇格、評価などについては、職掌の特性に応じて、コースごとに方法、内容を決定して管理し、節目ごとに能力、適性の見直しを行うこと、などに活用されている。また、企業によっては、従業員のコース選択やコース転換の機会を設けるなど柔軟な対応を図るケースもある。

職場懇親会

職場単位で従業員間でのコミュニケーション向上、意思疎通の促進を図るため定期的、あるいは不定期に行われる懇談の機会。日本社会では、新年会、忘年会、などが職場単位で行われる傾向が強く、これらも、非公式な職場懇親会として機能してきた。しかしながら、近年、社会的な風潮の変化により、こういった懇談の場が減少傾向にあり、企業として意識的に懇親の場を設定することが見直されてきている。

職務給

職務給とは、職務の難易度、責任の範囲・重さなどによって決定される賃金。主に職務分析を行った後定義される職務記述書に記載される当該職務に関連を持つよう設計される。欧米では、同一職務(同じ仕事)、同一賃金の考え方が一般的で広く適用されている。

職務分析

職務分析(job anaiysis)とは、職務の情報を広く調査・分析し、職務内容を明確化することである。具体的には、職務に求められている仕事の内容を洗い出したうえで、当該職務の遂行に必要な知識や能力、経験、責任、権限または職務の難易度等を明らかにすることである。
職務分析の結果は職務記述書として整理され、職務評価のみならず、採用や配置、昇進・昇格管理、人事考課、職務給の決定、教育訓練の基礎資料として広く活用することができる。職務分析の方法には、以下の4つがある。

  1. 観察法:
    分析担当者が実際に従業員が行なっている仕事を観察して調査する方法。調査に時間はかかるが、分析担当者に経験と観察力があれば、客観的な事実を収集することができる。
  2. 面接法:
    あらかじめ作成しておいた質問項目に沿って、職務担当者やその監督者に面接して調査する方法。短時間で情報を収集することができるが、職務担当者の主観が入り事実を正確に把握できにくいというデメリットもある。観察法で得た情報を確かめる目的で行なわれる。
  3. 記述法:
    職務担当者が自身の担当する職務内容を所定の質問表に書き込む方法。面接法と同様に、他の調査方法と併用することが多い。
  4. 体験法:
    従業員が実際に行なっている職務を分析担当者が直接体験して調査する方法。職務遂行時における意識や疲労度等にまで踏み込んだ調査ができるが、その分調査にかなりの労力と時間を要する。

所定外賃金

所定外賃金(non-scheduled wages)とは、所定労働時間外の労働に対して支給される賃金で、主に時間外手当、休日勤務手当、深夜業手当、宿直手当等の賃金を指すことが多い。

所定内賃金

所定内賃金(scheduled wages)は、所定労働時間内の労働に対して支給される賃金のこと。基本給に加え、継続的に支給される諸手当が該当する。所定内の労働に対する対価であるため、労働基準法上の割増賃金の算定基礎額として用いられる。

所定労働時間

所定労働時間(scheduled working hours)とは、労働協約、労働契約、就業規則などで定められた始業時から終業時までの時間から休憩時間を除いた時間こと。

所定労働日

所定労働日とは、労働協約及び、就業規則などに定められた休日以外で、労働義務が発生する日のことを指す。正当な労働争議を除いて、使用者の許可を得ぬままに労働者が就業を怠った場合、その労働者は懲戒の対象となる。

初任給

初任給(starting salary)とは、学校を卒業して正規社員として企業に就職した人に対して初めて支給される給与額を指す。日本における初任給の金額は、企業、学歴、職種によって多少変動する。しかし、その人が保持する能力や過去の経験が初任給額に反映されるケースは少ないため、企業内で各個人の初任給に差が生じることはまれである。

シルバー人材センター

シルバー人材センターとは、定年退職者などの高年齢者に、「臨時的かつ短期的又はその他の軽易な就業(その他の軽易な就業とは特別な知識、技能を必要とする就業)」を提供するともに、ボランティア活動をはじめとするさまざまな社会参加を通じて、高年齢者の健康で生きがいのある生活の実現と、地域社会の福祉の向上と活性化への貢献を目的とする組織である。

シルバー人材センターは、原則として市(区)町村単位に置かれており、国や地方公共団体の高齢社会対策を支える重要な組織として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づいて事業を行う、都道府県知事の許可を受けた公益法人である。

運営は、会員である地域の高年齢者が自主的に行っており、会の役員(理事等)は会員の互選により決まる。国・市町村により運営されているわけではない。運営費の一部は厚生労働省が各都道府県のシルバー人材センター連合会に対して補助し、連合会から各センターに配分されるシステムをとっている。

シルバー人材センターは、地域の家庭や企業、公共団体などから請負又は委任契約により仕事(受託事業)を受注し、会員として登録した高年齢者の中から適任者を選んでその仕事を遂行し、仕事の完成は、契約主体であるセンターが負う。センターの会員になるためには、センターの趣旨に賛同し、入会の手続きをとることが必要であり、シルバー人材センターから受託事業による仕事の提供を受けた会員は、契約内容に従ってその仕事を実施し、仕事の内容と就業実績に応じて配分金(報酬)を受け取る。

提供している仕事は、事務、公園清掃、駐車場管理、毛筆筆耕、家事援助、襖貼(ふすまは)りなどがある。一般的に直接雇用をしたり労働者派遣を受けるより、安価なため多くの企業に利用されるが、正しく請負いにできない場合は偽装請負になってしまうこともある。非営利事業であるため、襖・障子張りや剪定などは地域の一般業者と比較し価格設定が安くなっているものもあり、民業圧迫との批判を受けることもある。

会員と発注者,会員とセンターの間にはいずれも雇用関係はなく、会員は請負または委任で働く個人事業者となるため、労働災害保険の適用はない。そのために各センターは独自に団体傷害保険に加入しているが、就業先から仕事に関して直接指揮・命令,管理・監督を受けている状況で事故が起きた場合は雇用関係があるとして労働災害保険が適用された判例がある。また、たとえ請負の状態であっても危険な仕事で事故が起こった場合には、センターが安全な仕事を提供しなかったとして安全配慮義務違反が認定され損害賠償を命じられた判例もある。

シルバー人材センター創設は、高齢化が進み、定年後も有意義で健康に過ごしたい、なんらかの形で仕事を続けたいと希望する高年齢者が増えた昭和50年、東京において「高齢者事業団」が設立されたのを契機に、全国各地に同様の事業団の設立が広まった。昭和55年には、国が国庫補助を行うことを決定し、名称が「シルバー人材センター」に統一されました。昭和61年には、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」において国及び自治体には高年齢者の就業機会の確保のために必要な処置を講ずるよう努めることが責務とされ、シルバー人材センターは法的に認められた。これにより、全国各地におけるシルバー人材センターの設立は飛躍的に伸びました。平成19年現在では、団体数は1,332団体、加入会員数は、754,391人となっている。

シングルレート

シングルレート(single rate)とは、等級やポジション毎にひとつの賃金額を設定している賃金制度のことである。一般的にはレンジレート方式(等級やポジション毎に賃金額に幅を持たせる方式)が採用される場合が多く、シングルレート方式が採用される場合はまれである。

シングルレート方式を採用するメリットは主に2点ある。1点目は、等級やポジション毎の期待役割を明確に示すことができ、かつ賃金ともダイレクトに結びつくという、設計上の単純さと社員の側からの分かりやすさである。
2点目は、成果主義への強い動機付けと、強い昇格インセンティブを示すことができる点である(定期昇給が存在せず、成果や業績を上げて昇格することでしか基本給が上がらないため)。

また、最近では、管理職層を中心に洗い替え方式を採用する企業も増えてきている。洗い替え方式とは、等級やポジション毎に複数の賃金額を設定し、単年度毎の評価によって賃金額を決める制度である。洗い替え方式では、過去の昇給額が蓄積されず単年度毎の評価によって賃金が上下するため、成果や業績の結果をストレートに賃金に反映することができる。

人材マネジメント

人材マネジメント(Human Resource Management)とは、企業のビジョン・ミッション・戦略を実現するための人材活用の仕組みを整備する事と、個人や組織に対する人の取組みの事を指す。

人材マネジメントの仕組みを構成するパーツには、採用、育成、配置・異動、評価、報酬、昇進・昇格などがある。これら構成パーツをそれぞれ独立したものとして捉えるのではなく、ビジョン、ミッション、戦略との整合性が保たれた、相互に有機的な連動性があるサイクルとして機能させなければならない。

このサイクルを繰り返し廻し、人材マネジメント上の問題を改善し、人材マネジメントの質を向上させていくことで、ビジョン・ミッション・戦略を実現する。但し、仕組みは社員全体に対して画一的に運用するだけでなく、社員の個別事情に応じて運用されることもある。具体的には、異動でも、組織改正や定期ローテーショ
ンといった社員をマスで捕らえた運用と、親の介護のために地元に戻る必要があるA氏を異動させるといった個別で捉えた運用がある。

つまり、人材は、感情や、成長がある生身の人間であるため、人材マネジメントを考える際には、企業の目標を達成するなどの経営者側の論理だけではなく、社員の論理にも配慮しなければならない。

尚、個人や組織に対する人の取組みとは、管理監督者が部下をモチベートし、キャリアを通じて自己実現させることなどの働きかけを指す。

人事ポリシー

人事ポリシー(Human Resource Policy)とは、ビジョンやミッションを実現することを目的に、組織や人に対する企業組織の取組みのあり方や方向性を指し示したものを言い、人事に関連する仕組みを構築していく上での大方針となるものである。

例えば人事ポリシーは、人事制度(等級制度、評価制度、報酬制度など)の個別の項目を検討し、決定していく上での判断基準になると共に、ビジョンやミッションと人事制度の整合が図れているかを確認する上でも、重要な役割を担っている。人事ポリシーは、仕組みの正否を判断する基準として機能するだけでなく、仕組みとの整合性が取れていることで、会社が社員に対して求める期待や役割に関するメッセージを、昇給や昇格と言った処遇を通して、社員に伝達する事が可能になる。

使用人兼務役員

使用人兼務役員とは、役員のうち、従業員としての身分を有し、かつ従業員として職務に従事している者のことである。使用人兼務役員は、「取締役営業部長」「取締役総務部長」等の肩書きを持つことが多い。

ただし、以下の役員は使用人兼務役員になることができない。

  1. 代表取締役、代表執行役、代表理事および清算人
  2. 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
  3. 合名会社および合資会社(および合同会社)の業務執行社員
  4. 委員会設置会社の取締役、会計参与及び監査役並びに監事
  5. 同族会社の役員のうち一定の要件を満たす者

使用人兼務役員は、善管注意義務や損害賠償責任といった役員としての義務や責任を負うという点では他の役員と変わらない。その一方で、役員として解任された場合、もしくは任期満了で再選されなかった場合でも、従業員としての身分と籍は会社に残ることになる。
使用人兼務役員への報酬は、他の役員と同様に、法人税法上、原則として損金参入が認められている。ただし、役員としての報酬と従業員としての報酬の総額が不相当に高額な場合は損金参入が認められない。また、役員としての賞与は損金参入が認められていないが、従業員としての賞与は、他の従業員と同時期に支給され、かつ適正な額であれば損金参入が認められている。

社内ベンチャー制度

社内ベンチャー制度とは、企業における新規事業開発の手法の一つで、大企業において導入されることが多い。

実力のある社員に対し、会社が資金や人員を提供し、新規事業の提案・企画・開発を独立した組織(社内の新規事業部門)として運営させる、あるいは子会社として分社独立させるケースもある。その担い手は主に社内公募等により選ばれる。

企業規模が拡大するにつれ、形式主義・官僚主義的傾向が強くなり組織の硬直化が進む等し、新規事業のアイデアや創意ある人材が組織の中に埋没する可能性が高くなることから、主に企業内起業家の育成や組織の活性化を目的として導入される。新規事業を行う側のメリットとしては会社が保有する既存の人材、設備、資金、販路、情報等の経営資源やブランド力を有効に活用できる点である。

デメリットとしては事業を開始するためには組織的な承認を必要とすることが多く、多大な時間を要する事態があることや既存のビジネスを脅かすような事業は認められないなどが挙げられる。制度導入企業側のメリットは主に新規事業への創出元として活用ができることや、企業風土の活性化の促進、人材の育成等に役立てられることなどが挙げられる。

デメリットは、事業実行者の決意、チャレンジ精神に甘さが見られ、想定していた程の成果が出ないこと等である。導入企業側にもベンチャーキャピタリストとして、事業計画に対し厳格な審査を実施することが求められる。

障害者基本法

障害者基本法とは障害者の自立および社会参加の支援のための施策を総合的かつ計画的に推進し、障害者の福祉を増進することを目的とした法律である(昭和45年に制定、平成16年に改正)。この法律により障害者の自立および社会参加の支援に関する基本理念がや国、地方公共団体の責務が定められた。

この法令により、国や地方自治体はそれぞれ障害者基本計画の策定が義務付けられており、他にも障害者に対する医療・福祉サービスの提供が義務付けられている。また「事業主は、社会連帯の理念に基づき、障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。」という努力義務の形で事業主の障害者雇用に関する責任も明記されている。

障碍者雇用

障害者の雇用には日本国憲法第27条の勤労の権利や国際連合の国際障害者年行動計画におけるノーマライゼーションの理念などが根拠として挙げられる。戦後まもなくは障害者に対する社会の理解が十分ではなく、社会的条件の整備が遅れており障害者には非障害者に比べ十分な雇用の場が与えられていなかったが、昭和35年の身体障害者雇用促進法を始め、障害者の就労支援、雇用確保に向けた様々な施策がとられてきた。

民間企業に対しては障害者の法定雇用率の設定、それに関する雇用納付金制度の導入などの措置がとられており、平成29年6月1日では雇用障害者数は民間企業で、49万795人、法定雇用率2,2.%となっている。また法定雇用率達成企業の割合は50.0%である。一方、国、地方公共団体の雇用障害者数は、7,593人、雇用率は2,5%となっている。達成割合は、総計で97,6%である。

民間企業が障害者を雇用することはこうした法定雇用率の達成という法令順守(コンプライアンス)のほか障害者が自社の製品を買っていることを考えれば障害者に雇用機会を提供することも当然の義務であるといった企業の社会的責任(CSR)における側面、また健常者と変わりなく人材の「投資」と位置づける事業戦略的側面が指摘される。そうした場合それぞれの目的にあった人事評価制度、研修制度の構築、特例子会社の設立などが必要になる。

障害者雇用

障害者の雇用には日本国憲法第27条の勤労の権利や国際連合の国際障害者年行動計画におけるノーマライゼーションの理念などが根拠として挙げられる。戦後まもなくは障害者に対する社会の理解が十分ではなく、社会的条件の整備が遅れており障害者には非障害者に比べ十分な雇用の場が与えられていなかったが、昭和35年の身体障害者雇用促進法を始め、障害者の就労支援、雇用確保に向けた様々な施策がとられてきた。民間企業に対しては障害者の法定雇用率の設定、それに関する雇用納付金制度の導入などの措置がとられており、平成22年6月1日では雇用障害者数34万2973.5人(前年比3.1%増)、法定雇用率1.68%(前年比0.05%増)で過去最高となっている。

法定雇用率に関して企業規模別に見ると1,000人以上規模企業(1.90%)、同500~999人(1.70%)、300~499人規模企業(1.61%)、同100~299人(1.42%)、同56~99人(1.42%)となっている。また法定雇用率達成企業の割合は47.0%である。ちなみに特例子会社(親会社の実雇用率に算定できる障害者の雇用に特別な配慮をした会社)の設置もなされており、現在認定を受けている企業は283社、雇用されている障害者は14562.5人となっている。

民間企業が障害者を雇用することはこうした法定雇用率の達成という法令順守(コンプライアンス)のほか障害者が自社の製品を買っていることを考えれば障害者に雇用機会を提供することも当然の義務であるといった企業の社会的責任(CSR)における側面、また健常者と変わりなく人材の「投資」と位置づける事業戦略的側面が指摘される。そうした場合それぞれの目的にあった人事評価制度、研修制度の構築、特例子会社の設立などが必要になる。

障害者雇用促進法

障害者雇用促進法とは障害者の雇用および職業生活上の自立を促進するための措置を講じ、障害者の職業の安定をはかることを目的とした法律である(昭和35年に制定)。当初は身体障害者雇用促進法と呼ばれ、昭和62年の改正で「障害者の雇用の促進等に関する法律」(障害者雇用促進法)となった。この法律では労働省(現厚生労働省)令で定める身体障害者や知的障害者、精神障害者に関して、障害者雇用率制度、障害者雇用納付金制度などを定めると同時に、障害リハビリテーションの推進による障害者の職業的自立を支援する措置なども定めている。

障害者雇用率制度

とは一般労働者と同じ水準において常用労働者と同じ機会を与えることを目的とし、常用労働者数に対する障害者の雇用割合(障害者雇用率)を設定し、事業主に対しその達成を義務付けるものである。

一般民間企業における障害者雇用率の計算式は障害者雇用率=身体障害者及び知的障害者である常用労働者の数+ 失業している身体障害者及び知的障害者の数/常用労働者数+ 失業者数- 除外率相当労働者数で求められる。

ただし短時間労働者(週20時間以上30時間未満の労働者)は1人につき0.5人、重度身体障害者および重度知的障害者は2人としてカウントされ(短時間労働者の場合1人)、精神障害者については雇用義務の対象でないものの、各企業の実雇用率の算定時には障害者として算入することができる。(※除外率とは障害者の就業が一般に困難であると認められる業種について雇用する労働者を計算する際計算から控除する労働者の割合のことを指す。但し平成16年に廃止が決まり、現在は経過措置として段階的に引き下げられている)

障害者雇用率は同法により種類別に定められており(法定雇用率)、民間企業(常用労働者数56人以上の規模)は1.8%、特殊法人(同48人以上の規模)は2.1%となっている(国、地方公共団体も2.1%)。

障害者雇用納付金制度

障害者雇用納付金制度とは障害者を雇用するには、作業施設や設備の改善、特別の雇用管理等が必要となるなど障害のない人の雇用に比べて一定の経済的負担を伴うこともあり、障害者の雇用に関する事業主の社会連帯責任の円滑な実現を図る観点から、この経済的負担を調整するとともに、障害者の雇用の促進等を図るために設けられた制度である。

制度では法定雇用率未達成の事業主に対して不足する障害者一人に対して月額50000円の障害者雇用納付金の独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構への納付を義務付けているが、常用労働者が201人以上300人以下の事業主に対しては平成22年7月から平成27年6月まで1人当たり40000円とする減額特例が適用される。また障害者雇用納付金には時効があり(2年)、この間に申告義務があることが確認された場合当該年度のみならず、過年度分も支払わなければならない。

逆に法定雇用率を達成している事業主に対しては201人以上の常用雇用者がいる場合、法定雇用率を超えている障害者一人につき月額27000円の障害者雇用調整金が、200人以下の場合は各月の雇用障害者数の年度間合計数が一定数(各月の常時雇用している労働者数の4%の年度間合計数又は72人のいずれか多い数)を超えて障害者を雇用している時その一定数を超えて雇用している障害者の人数に21,000円を乗じて得た額が報奨金として支給される。他にも障害者雇用納付金申告もしくは障害者雇用調整金申請事業主であって、前年度に在宅就業障害者又は在宅就業支援団体に対し仕事を発注し、業務の対価を支払った場合にも特例調整金が支給される場合がある。障害者雇用促進法は現在に至るまでに知的障害者の追加、精神障害者の追加、法定雇用率の変更など何度か改正されている。

障害者自立支援法

障害者自立支援法とは障害者基本法の理念を基に、障害者の福祉サービスの一元化、障害者の就労支援の強化等を目指して2005年に成立した法律である。これによりサービス提供主体の一元化や各種福祉サービスが再編され各法律に該当する障害者は障害の種類を問わず、各自のニーズ、障害の程度に応じて公平にサービスを受けることが可能になった。

具体的なサービスとしては介護給付費や訓練等給付費の支給が該当し、利用者は所定の手続きを経て審査の後認定されると、利用費の9割が市町村から支給される。そのため実質利用者のサービス利用費は1割ということになるが所得に応じた上限がある。障害者の自立支援施策の一環として2006年に施行されたが、サービスの種類問わず利用者が1割を負担するという応益負担が利用者の生活を圧迫し、サービス利用の制限につながるとの批判もあり、2010年に改正され、利用者の支払い能力に応じた負担を求める応能負担が原則となった。

障害者特例子会社

障害者特例子会社とは、企業が障害者の雇用に特別の配慮をして設立した子会社のことである。特例子会社としての認定を受ければ、親会社と特例子会社、及び関係子会社も含めた企業グループでの雇用率の合算が可能となる。

特例子会社の認定要件は、主に以下の5点である。

  1. 親会社が、当該子会社の意思決定機関を支配していること。
  2. 親会社からの役員派遣を行う等、親会社と当該子会社の人的交流が緊密であること。
  3. 当該子会社において、雇用される障害者が5人以上、かつ全従業員に占める障害者の割合が20パーセント以上であること。また、全障害者に占める重度身体障害者、知的障害者、精神障害者の割合が30パーセント以上であること。
  4. 障害者の雇用管理を適性におこなうに足りる能力を有していること。
  5. その他、障害者の雇用の促進及び安定が確実に達成されると認められていること。

特例子会社を設立する主なメリットは、以下の3点である。

  1. 障害者を受け入れるための職場環境の整備、人材(専門スタッフ、指導員)の確保、雇用管理のノウハウ等が一元化できる。
  2. 特定の職場で集中雇用することで、障害者の特性に配慮した仕事の確保が容易になる。実際、特例子会社の多くは親会社からの受託作業(オフィスサービス、各種代行事業等)を集中的に請け負っている。
  3. 企業グループ全体で雇用率がアップすることで、報奨金(雇用率1.8パーセントを超えた場合)や、各種助成金の支給、税制上の優遇が受けられる。

なお、平成21年の障害者者雇用促進法の改正では、一定の要件を満たせば、特例子会社を設立しなくても企業グループ全体で雇用率を合算できるようになった(企業グループ算定特例)。企業グループ算定のハードルが下がったことで、より弾力的な障害者雇用が可能となった。(平成29年6月1日時点 252グループ)

企業グループ算定特例の主な認定要件は、以下の3点である。

  1. 親会社が障害者雇用推進の専任者を配置していること。
  2. 企業グループ全体で障害者雇用の促進及び安定を確実に達成することができると認められること。
  3. 各子会社で、全従業員数に占める障害者の割合が1.2パーセント以上であること(ただし、中小企業については、一定の優遇設定がある)。

嘱託制度

嘱託制度とは、主に定年後も引き続き社員を雇用する再雇用制度のことをいう。ただし、法律上の明確な定義はなく、対象となる社員の基準や就業条件、待遇等は各社により、まちまちである。

2006年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法では、社員の雇用期間を段階的に65歳まで引き上げるよう努力義務を課しているが、具体的な雇用方法として、嘱託制度等の再雇用制度が導入される場合が多い。

2012年8月29日に改正高年齢者雇用安定法が成立した。主な改正は以下の5つがある。

  1. 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止
  2. 継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大
  3. 義務違反の企業に対する公表規程の導入
  4. 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針の策定
  5. 厚生年金の受給開始年齢者の所要の規定整備

嘱託制度に代表される再雇用制度導入のメリットは、一度退職した後に新たに雇用契約を結ぶという形をとるため、柔軟に就業条件や待遇を設定できる点にある。

職位等級制度

職位等級制度とは、資格等級の区分を職位(ポジション)で行う仕組み。部長・課長等の組織の地位(職位)をいくつかの階層に分けて等級とする制度。組織・職位構造が安定している企業では運用が容易、職位に応じて処遇できるため、理解しやすい(等級数が職位に合致)といったメリットがあるが、組織・職位が安定的に運用されている必要があり、事業領域等に変化がる場合には運用し困難、職位を外れることによって報酬が下がる(モチベーションの低下要因)、職位の入れ替え等が硬直化する等といったデメリットもある。

職能給

職能給とは、従業員が保持する職務を遂行するために必要となる能力(職務遂行能力)に対して支払われる賃金。能力に対して支給されるため、異動等により配置転換されても、同一賃金が維持される。従業員そのものにフォーカスした賃金となっており、その能力を捉える方法として、職能・能力の序列化による格付けや経験年数、技能試験等による方法がある。

職能資格制度

職能資格制度とは、資格等級の区分を業務遂行能力で行う仕組み。対象者に求められる職務遂行能力を明確にして、その能力に応じて資格等級を定める制度。安定成長期には平等主義的な運営が可能、ポストの有無とは無関係に昇格機会を与え、動機付けを維持することが可能といったメリットもあるが、経営ビジョン・戦略と人材像との関連付けが困難、職能基準の曖昧さ、降格の困難さなどにより年功運用に陥る恐れがある。

職務等級制度

職務等級制度とは、資格等級の区分を職務(仕事:ジョブ)で行う仕組み。職務の内容を「職務記述書」として明確にし、その内容により等級を区分する制度 (職務を分析・評価する)。職務構造が安定した企業では実力主義的な運用が可能、各職務の比較が可能、人材の流入出への対応が比較的容易等のメリットがあるが、職務構造が変動する場合の制度メンテナンスが煩雑、担当職務のみに固執する傾向が生じがちで、業務全体の硬直化を招く恐れがあるといったデメリットもある。

職務特性モデル

職務特性モデルとは、ハックマン=オルダムは「職務特性モデル」で職務特性を(1)技能多様性(2)タスク完結性(3)タスク重要性(4)自律性(5)フィードバックの五つの次元で説明している。

時季指定権

時季指定権とは、従業員が年次有給休暇を取得する時季を決められる権利である。この権利は法が付与した形成権である。(この権利は請求権であるという学説もあるが、年次有給休暇は従業員が請求して作用する権利(請求権)というより、権利者(従業員)の一方的な権利の行使により作用する権利(形成権)という学説の方がより、判例で支持されているため、今回は形成権で定義している)

時季とは、「季節と具体的時期」を含んだ考えである。時季指定をする方法としては、季節を指定後、詳細時期は随時使用者と調整をする場合と、初めから労働者が具体的時期を指定する場合がある。
使用者は、基本的には従業員が時季指定権を行使した日に、従業員に有給休暇を付与しなければならない。但し、請求された時季に有給休暇を与えることで、事業の正常な運営を妨げる場合は、時季の変更をすることができる。(時季変更権)

時季変更権

時季変更権とは、事業の正常な運営を妨げる場合において、使用者が従業員の有給取得の時季を変更できる権利である。事業の正常な運営を妨げる場合とは、「事業の規模、内容、当該労働者の担当する作業の内容、性質、作業の繁閑、代行者の配置の難易、労働慣行等諸般の事情を考慮して客観的に判断すべきである。」(S53.1.31大阪高裁判決)とされている。客観的に判断されるべきものであるとともに、事業の正常な運営を妨げる事由が消滅後できる限り速やかに休暇を与えなければならない。

例えば、年末年始等業務の繁忙時期、同一期間に多くの従業員が有給休暇の取得を申請し、全員に有給休暇を付与したら事業が正常に回らない場合などが該当する。最高裁の判決で、「使用者に対し、できる限り労働者が指定した時季に休暇を取得することができるように、状況に応じた配慮をすることを要請していると解すべきであって、そのような配慮をせずに時季変更権を行使することは、右趣旨に反するものといわなければならない。」とされている。(平成元(オ)399 時事通信社けん責事件)

時季変更権は、あくまでも従業員が在籍している期間内のみで有効であり、使用者がいかに繁忙であろうとも当該従業員の解雇予定日を超えての時季変更権の行使は認められていない。労使協定において、計画的付与が決まった日数に対しては、従業員の有給取得の時期指定権はなくなり、同様に使用者の時季変更権の行使はできない。

時効

労働基準法における時効とは、賃金や補償、手当等を請求する権利の消滅時効のことを指し、ある一定期間継続して権利が駆使されないときに、その権利を消滅させることを言う。労働基準法における時効は主に以下の事柄に適用される。

  1. 賃金(退職手当を除く)、災害補償等(2年間)
  2. 退職手当(退職後5年間)
  3. 年次有給休暇(2年間)

自己啓発

自己啓発(self development)とは、従業員自らの意思によって能力開発、スキル習得を図る取り組みのこと。企業から与えられるものだけでなく、自己のキャリアを実現する観点から積極的に自己啓発に取り組むケースが増えている。企業や国も自己啓発への取り組みを支援するため、補助金・支援金を支給するケースがある。

自己申告制度

自己申告制度とは、人事考課、配置・ローテーションのために従業員の希望等を聞くことを公式に実施する仕組み。直属の上司を通して、人事考課等と合わせて実施する場合と、従業員から直接人事部等に自己の要望を伝えるような仕組みとして運用する場合がある。後者の方がより本音の従業員ニーズを把握できると考えられている。

実質賃金

実質賃金(Real Wages)とは、従業員に支払われた賃金額(名目賃金)をその時点の消費者物価で除して算定した賃金のことを言う。賃金額が2割増しの状況であっても、消費者物価が2割上がれば、実質賃金に変化は発生しない。

実労働時間

実労働時間(actual houre worked)休憩時間は含まない労働者が実際に働いた時間。労働基準法では実働8時間を定めているが、この場合には待機時間等を含んでいる。

自動昇給

自動昇給は、定期昇給の内、能力や業績に関係なく年齢や勤続年数によって自動的に昇給する仕組みや昇給する部分のことを指す。どの従業員も均等に昇給するため積極的に能力向上を図る等への動機付けとはなり難い。

ジュニアボード制度

ジュニアボード制度(junior board of directors)若手社員や中堅社員を中心とした会議体で経営に対して企業の諸課題等の解決施策等の提言を行う仕組みのことを指す。若手・中堅社員等の優秀な人材の活用、経営参画意識を醸成するとともに、意思決定の経験を通して人材育成を図ることが可能となる。

情意考課

情意考課とは、業績考課、能力考課と並んで人事考課を構成する要素。一般的に規律性、協調性、積極性、責任性の4つの観点で日常の服務規律を観察し評価するもの。若年層の評価として用いられる傾向が強い。

ジョハリの窓

ジョハリの窓とは、自分をどのように公開し、隠蔽するか、コミュニケーションにおける自己の公開とコミュニケーションの円滑な勧め方を考えるために提案されたモデル。米心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムが発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」のこと。ジョハリの窓には、「公開された自己 」(open self)、「隠された自己」がある (hidden self) 、「自分は気がついていないものの、他人からは見られている自己 」(blind self) 、「誰からもまだ知られていない自己 」(unknown self) があるとしている。

これらを4つの面として捉え図解し、誰からもまだ知られていない自己の面が小さくなれば、それはフィードバックされているという事であるし、公開された自己が大きくなれば、それは自己開示が進んでいるととる事が出来る。

ジョブ・シェアリング

ジョブ・シェアリング(job sharing)とはひとつの仕事を曜日や時間などによって2人以上で分け合う労働形態のこと。育児や介護と仕事を両立させる働き方の一つとして注目されている。

ジョブ・ディスクリプション

ジョブ・ディスクリプション(job description)とは、従業員の職務内容に関する責任や権限、職務の難易度、必要な能力や資格、経験年数等の詳細を個別に定義し、書面化されたものを指して言う。主に職務分析によって属性情報(組織・職名等)、職務の概要に関する情報、職務遂行に関する情報、職務遂行の要件等が記載されるのが一般的である。
職務給制度における基礎給与の決定の前提条件等、主に処遇に用いられるが、採用、人材育成の観点で用いられる場合もある。

ジョブ・ローテーション

ジョブ・ローテーション(job rotation)とは、従業員をひとつの職務だけではなく、他のいくつかの職務を定期的に経験させる方法のこと。人材育成の方法の一つであり、業務におけるマンネリズムの発生を打破し、視野の広い人材を育てる狙いから実施される。

ジョブリターン制度

ジョブリターン制度とはワークライフバランスを推進する取り組みの一つであり、特定の理由で退職した従業員を本人が希望した場合に限り再雇用する制度。

<ジョブリターン制度が適応される主な退職理由>

  • 結婚
  • 出産・育児
  • 介護

<従業員側の主なメリット>

  • 過去の就業経験を活かした形で就労することができる

<企業側の主なメリット>

  • 優秀な人材の確保
  • 即戦力人材の獲得
  • 企業としてのイメージアップ

ジョブレス・リカバリー

ジョブレス・リカバリー(jobless recovery)とは、雇用拡大をともなわない景気回復のこと。近年、IT化の推進、オフシャアリング等による効率性の追求により企業の雇用抑制が推進されているため、景気回復が必ずしも雇用の拡大に直結しない状況を生んでいる。

序列法

序列法(ranking system)とは、職務評価方法のひとつ。個々の職務の難易度や責任度に応じて順序を付ける方法のこと。評価手続きが簡単でわかりやすくなる反面、職務数が多くなると、全職務に精通した評価員の選定が困難になり、個人的な主観が介在し、また評価結果の具体的理由を示すことが難しくなる恐れがある。

人員整理

人員整理(Reducation in Personnel)とは労働者を削減する行為を指し、人員整理の主な目的は経費削減である。

人員削減には以下の様な方法がある。

  • 解雇(リストラ)
  • 早期希望退職の募集

早期希望退職の募集とは、定年前の従業員に対して、退職金加算を行うことで退職希望者を募る制度を指す。
人員整理においては、以下4つの事柄が満たされない場合、解雇は違法となる可能性がある。

  1. 人員削減の必要性はあるか
  2. 解雇回避のための施策を検討し、配置転換や希望退職者募集等、最大限回避のために努力したか
  3. 解雇者の選出方法に妥当性(客観的、合理的、公正)はあるか
  4. 使用人と労働者の間で話し合いは行われたか

人件費計画

長期経営計画あるいは予算計画の一環として、将来の人件費の計画を立てること。この場合の人件費は、所定内・外賃金、賞与などを含んだ現物給与のみを用いて考えることが一般的であったが、昨今では、現物給与以外の支給、法定外福利や退職金などの人件費が増大してきているため、これら現物給与以外の支給も含めて計算される考え方が用いられるようになっている。

人材銀行

人材銀行は厚生労働省管轄の機関であり、全国の主要都市の庁舎施設などに12カ所設置されている。原則として概ね40歳以上の管理的職業、専門的・技術的職業の求人及び求職に特化した自己完結型の無料の職業紹介を行っている。
求人及び求職の有効期間は、申込日の属する月を含めて6カ月となる月の末日まで(最長6カ月間)である。取り扱う地域は、当該人材銀行を管轄する公共職業安定所の管轄区域と同一であるが、当該地域以外の求人及び求職であっても当該人材銀行を利用することが便利な場合は、受け付けられる。

全国の人材銀行のうち3カ所(東京人材銀行、神奈川人材銀行及び福岡人材銀行)については、平成19年度からの、「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」に基づき、市場化テストの対象事業として民間事業者に委託されており、人材銀行の運営とともに、運営期間中に人材銀行を利用した者の満足度等の調査が実施されている。

人材派遣事業

人材派遣事業とは、派遣元事業主が自社と雇用のある派遣労働者を、派遣先企業の指揮命令を受けて、その派遣先企業のために働かせることを業として行うことを指す。

人材ポートフォリオ

人材ポートフォリオとは、企業の事業戦略に応じて、必要な人材を採用・調達し、適切な配置を行うことを指す。人件費の変動費化を実現し、経営環境の変化にも対応させるため、正社員だけではなく、アルバイトやパート、人材派遣社員なども含めて構成させる。企業戦略上、その人材がどういった位置づけで、どのような役割を担うかについて、十分な検討を行った上で構築をする必要がある。

人材ポートフォリオ分類

人材ポートフォリオ分類では、人材は個性タイプによって4種類に分類している。

  1. タグボート型
    • 市場成長性は大きいが市場占有率が小さいケース。ニッチでシェアを取れるが不明だが、将来性がありそうな領域でチャレンジしていくタイプ。
  2. リーダーシップ型
    • 市場成長性が大きく市場占有率を大きく獲得していくケース。そのような組織を率先していくタイプ。
  3. マネジメント型
    • 市場成長性がだんだん緩やかになっきて、参入してくる競合が増え、市場競争性が増してくるケース。柔軟に現状を受け入れて、工夫・改善していくことで利益を生み出せるように、管理・調整能力を発揮していくタイプ。
  4. アンカー型
    • 市場成長性は小さく、市場占有率も小さく、撤退が望ましいケース。この領域で活躍するのは、徹底的に現状を死守できる、徹底的にリスク回避できるタイプ。

人事異動

人事異動とは、昇格、昇進などの従業員の動きと、配置転換や出稿などの横の動きを指す。人事異動を大別すると、社外への動きと社内への動きがある。社外への動きは、出向や転籍などがそれにあたり、社内への動きは昇進、昇格、職種変更、勤務地変更などがあたる。

人事院勧告

人事院勧告とは、人事院が毎年行う国会および内閣に行う、国家公務員の労働条件改善への勧告を言う。
毎年、民間企業の賃金水準の調査等を行い、その調査結果より、国家公務員の給与、賞与、諸手当、諸労働条件(労働時間短縮、定年後の再任用制度等)の変更について差を埋めるよう国会および内閣に対して行う勧告を行う。国家公務員は、通常の民間企業の従業員が認められている団体交渉権が制約されているため、その代償処置として人事院が置かれている。

人事考課

人事考課(personnel rating)とは、社員の能力や仕事振り、成果等について、会社が自社の考え方に基づいて行う個々の社員の評価のことを指す。人事考課結果は、社内での処遇(役職、等級、報酬等)に反映し、適切に仕事の成果に報いるとともに、更なる成長を促すために動機付け、人材育成を図ることに用いる。
適切なタイミングで適切に人事考課を行うことで、社員の動機付け、あるいは危機感の醸成を図ることが可能となる。人事考課の方法は会社として適切に社員を統制するとともに、社員の納得性を得る必要があり、各社各様、様々な方法を用いている。

人的資産管理

人的資産管理(human resource management)とは、人的資産を有効に活用するために、従業員の持っている能力を大いに発揮できる状況をつくり、可能性のある能力を開発すること。

人物比較法

考課集団の中から各評価項目の各段階ごとに優れたもの、劣るもの、中間のものの標準的人物を選出して、これを基準として他の従業員を評価する方法のこと。各標準の代表人物を選定することが必ずしも容易でないことが導入における難点である。

人物評語法

人物評語法には次の2点がある。

  • 気質や執務態度などをあらわす評語を複数用意しておき、被考課者の特色を選択する方法と評語を幾つかのグループに分けて並べておき、該当する評語をチェックする方法。
  • 考課者が考課表に記述する用語に苦慮することを避けて、評価を円滑に実施出来ることに利点がある。

事業価値

事業価値とは、会社が行っている事業もしくは事業に利用される資産が将来にわたって生み出す価値の総和を指す。ここでいう価値とは経済的価値のことで、事業価値は事業から得られるフリーキャッシュフローの現在価値を会社が永続するという前提のもと将来にわたり算出し、それらを合算することで求められる。
ただし、計算方法に固定された方法はなく、将来のキャッシュフローを現在価値に計算する際に利用する割引率においてリスクを考慮する場合、一定期間のキャッシュフローを算出した後、ターミナルバリューを算出して合算する場合など目的に応じてさまざまな計算方法がとられる。また事業価値に金融資産や非遊休資産など非事業価値を加えたものを企業価値という。

事業転換

事業転換とは、広義には破綻に伴う事業の消滅や民事再生法の適用による事業の建て直しも含まれるが、一般には、生産品目、営業対象の全面的な転換または営業品目の大幅な変更を指す。事業転換はプロダクトライフサイクルにおける事業の衰退期に行われる。

特に市場環境の変化や情報革新の頻度が激しい現在では衰退期を早く迎えることもあり、M&Aを通じた事業転換が行われる場合もある。M&A以外の形で事業転換を行うには自社が獲得した企業資産(顧客も含む)や行動様式(組織としての強み等)を分析して自社の本質的な価値や資産を発見することで将来価値を生み出すものを探し出す方法がある。

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