「き」から始まる人材マネジメント用語一覧

この記事では「き」から始まる人事・人材マネジメントに関する用語を中心に採録しています。

QWL(キューダブリューエル)

QWL(quality of working life)とは、労働者の労働生活の質のことを指す。近代産業以降、労働の機械化、標準化、画一化の推進により、仕事に人が適応していくことが推進されてきたが、その結果、人間性の喪失、健康・精神衛生上の問題等多くの課題が発生してきている。その反省から、人間性の回復を図り、人間が人間らしく仕事ができるよう仕事の質を向上させる取り組み(QWL)が提唱された。

機会均等調停委員会

男女雇用機会均等法によって都道府県ごとに設定された紛争調停機関のこと。学識経験者等3名の委員で構成され、男女雇用機会均等法に定める事項のうち、雇用、配置、昇進、福利厚生、退職にかかる紛争が調停が対象になる。

企画型裁量労働制

会社運営、事業所運営に関わる企画立案、調査・分析等を行う労働者が対象となるいわゆるホワイトカラー系業務実施者の時間管理の適用除外の仕組み。企画に関する業務に従事しつつ、仕事の方法・時間配分に関して自己裁量権があり、時間による拘束なく成果を挙げる働き方をしている労働者に対し、通常の時間管理ではなく、一定時間働いたものとみなす「みなし労働時間」を適用することができることとなっている。

法的には、単なる時間外手当を支払わなくてよい仕組みと解釈されることを防ぐため、自己裁量権の保持、時間ではない成果で仕事を把握できることが必要とされている。また、闇雲に範囲拡大をすることを防ぐために、①対象業務、②労働者の範囲、③みなし労働時間、④健康・福利の確保措置、⑤苦情処理機関の設置、⑥本人同意(不同意の場合の不利益取扱は禁止)を定め、所轄労働基準監督署に届け出る必要がある。

企業年金

企業年金(corporate pension)とは、公的年金に対する私的年金の中で、企業内に設定される年金の総称。日本の年金制度は、全国民に共通した「基礎年金」を基礎に、「被用者年金」、「企業年金」の3階建ての体系となっている。
現在は、企業年金には3種類あり、「確定給付企業年金」、「厚生年金基金」、「企業型確定拠出年金」がある。これまでは厚生年金基金と適格退職年金がその中心的な仕組みであったが、平成13年6月に確定給付企業年金法、確定拠出年金法が制定され、平成24年3月末には適格退職年金が廃止され、企業年金の位置づけや仕組みも制度移行等の過渡期にある。

企業別組合

企業別組合(enterprise-based union)とは、企業あるいは、事業所単位に組織される労働組合のこと。嘗ての日本企業の成長神話の1つの理由として位置づけられたこともある仕組みで、各企業の実態を反映した柔軟な労使交渉や対応を図ることが可能である。一方で、企業側に迎合するといったデメリットもある。欧米の産業別組合、職種別の組合と対を成す仕組みである。

企業理念

企業理念とは、創業者が会社の創業に託した想いのことであり、会社の不変の価値観と会社の存在理由・目的からなる。有名なものに、ソニー株式会社の「設立趣意書」や、ヒューレット・パッカード社の「HP Way」、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の「我が信条」などがある。

世界中から広く尊敬を集める企業の企業理念には以下の特徴がある。

  1. 企業理念があり、かつ公言(文書化)している
  2. 簡潔、明快、率直である
  3. 社員の行動指針となり活力を与えている
  4. 会社の文化や組織風土に影響を与えている
  5. 利益の追求よりも優先されている
  6. 経営戦略や組織設計との一貫性がある

基準外賃金

一般的には所定外労働等を行なうことで発生する追加分の賃金で、毎月変動する賃金のことをいう。残業手当や休日出勤手当、深夜手当、宿日直手当などが挙げられる。基準外賃金も基準内賃金同様に、それを規定する定義や法律上の定めがなく、会社独自で就業規則や賃金規程等に定めるものである。

主に賃上げや賞与・残業等の算定基礎額以外の金額を示すことに利用するために定義されることが多い。

基準内賃金

一般的には所定労働条件下で提供される労働に対して支払われる所定内賃金中の固定的部分をいう。基本給や、職能給、役職手当、扶養手当、通勤手当、住宅手当などが挙げられる。
※所定内賃金とは、所定労働時間内の労働に対して支給される賃金のこと。基本給に加え、継続的に支給される諸手当が該当する。割増賃金の算定基礎額として用いられる。

基準内賃金は、それを規定する定義や法律上の定めがなく、賃金管理上の用語・概念であり、会社独自で定めるものである。そのため、基準内賃金=時間外労働の基礎賃金として用いられる場合もあれば、ボーナスの基礎賃金として用いられる場合もある。

主に賃上げや賞与の算定基礎額を示すことに利用するために定義されることが多い。賃金を固定額、変動額に分けることにより、要員計画、賃金管理を行う上での考え方の基礎とすることができる。

偽装請負

契約上は注文主と労働者との間に指揮命令関係を生じない「業務請負」の形式をとっているにも関わらず、実際には注文主の指揮命令下で労働者に業務を行わせること。「業務請負」では労働安全衛生法に基づく事業者責任は請負業者が負い、注文主には業務上一切責任がない。「労働者派遣」や、実態が労働者派遣となる「偽装請負」の場合は、当該事業者責任は派遣先(注文主)が負うことになるため、注文主が事業者責任を負わない「業務請負」が広まった。

「労働者派遣」か「業務請負」かは、契約形式ではなく実態に即して判断され、労働者と注文主との間に指揮命令関係があれば、労働者派遣と見なされるため、『偽装請負』は「職業安定法第44条」及び「労働基準法第6条(中間搾取の排除)」に抵触する。

製造業では、2004年2月までは労働者派遣が禁止されていたために、それまではコスト抑制対策の為に「業務請負」の形式をとっている業者は多かった。2004年3月の製造業への労働者派遣解禁後も、製造業への労働者派遣は派遣期間が1年と限定されており、派遣期限後は労働者へ直接雇用を申し込む義務があったため、「偽装請負」の実態が減ることはあまりなかった。

製造業に限らず、IT業界でも個人事業主や請負業者が業務を請け負っているにも関わらず、現場の指揮管理責任者がおらず、注文主から直接の指揮命令により業務を行っていることも多い。最近の事例として、偽装請負と黙示の雇用契約の成立した事件(東京高裁 平27.11.11判決)がある。

注文者の工場における業務の一部が元請業者から下請業者へと再委託されていたところ、①注文者の工場内で労務を提供していた下請業者の労働者について、注文者が直接具体的な指揮命令をして作業を行わせているような場合には当たらないため、偽装請負には該当せず、②注文者と下請業者の労働者との間に黙示の雇用契約が成立していたものと評価することはできないと判断した。

機能別組織

機能別組織とは、研究開発・購買・生産・営業・財務など経営の機能別に編成された組織を指す。機能別組織には以下の様な利点がある。

  • ⅰ:同様の業務を行なう従業員が同じ組織に集まるため、知識、スキル、ナレッジが共有されやすい。
  • ⅱ:同じ業務を集中して行なうため従業員の業務の習熟度が高まる。また、共有したナレッジの活用などにより生産性の向上が図りやすい。
  • 他方、以下の様な欠点がある。
    • ⅰ:会社の規模が大きくなり、組織が細分化されることで、部分最適が進行し、個々の機能の効率性追及が優先となり、機能不全になる。
    • ⅱ:社員に備わるスキル知識の汎用性が低くなる(専門性が高い)。また、専門性の高い社員を異動させることで当該機能の生産性が低下するリスクもあり、社員のローテーションは実施し難い。
  • 希望退職

    希望退職とは、業績が悪化した企業が人員整理の手段として整理解雇に先だって行う期限を設けた制度である。希望退職とは,労働者の自発的な意思による退職の申し出を誘引することであり、応募は労働者の自由意志に委ねられることが大前提となっている。一般的には、労働者が希望退職を申し出れば、これが合意退職の申込となり、使用者の承諾で合意解約が成立することになる。

    希望退職の場合、通常の退職条件より有利な条件(退職金の増額など)を提示して退職を誘引することが多い。使用者が希望退職に応じるよう圧力をかけたり、脅しまがいの行為を行った場合は、実質的に解雇とみなされ、退職の意思表示の取り消しが可能となっており、不法行為に当たるとして損害賠償の責任が認められることもある。

    希望退職を募る場合、使用者側には、退職者に対して、説明会を開くなどし、会社の状態や希望退職を募る経緯や必要性、再就職の斡旋や特別加算措置などを説明することが望まれる。また、希望退職の募集を行うと、退職して欲しくないと考えている労働者が応募することもあり、会社にとって支障をきたす場合があるため、希望退職制度の適用を受けられるのは会社の承認が必要との条件を付ける方法なども考慮する必要がある。
    労働者は転職の難しさや生活不安など大きな不利益を被ることも考え、募集に応じるか否かを総合的に判断しなくてはいけない。

    基本給

    基本給とは、能力、職種、年齢などを要素に会社で決めた月例賃金の基本部分の賃金である。また、年俸であっても基本部分を基本給と呼ぶこともある。つまり、基本給とは報酬のベースとして支給される部分と捉えられる。基本給は法律で定義された用語ではないため、何を基本給とするのかは各社によっ
    て異なるということである。尚、基本給は賞与や退職金の算定基礎額として用いられる場合が多い。

    期末効果

    人事評価時に評価者が陥りやすいエラーで、評価期間全ての事象(業績や態度、行動等)を評価の対象にするのではなく、期末(評価結果が評価を実施するタイミングに近い時点)の事象が強く印象に残り、評価結果に影響する傾向を指す。
    評価対象期間が半年、一年など長期になる場合に起こりやすい。原因としては、被評価者を評価するための情報が少なすぎるため(適切に評価出来なくて)に、直近の事象をもって評価してしまうことなどが考えられる。

    期末効果は、人事評価時における正当な評価との乖離を意味し、人事評価時に評価者が留意する事項の一つとして捉えられている。期末効果の予防策としては、部下の行動や実績に関する事象を、日ごろから書き溜められるチェックツールを作成し、活用することである。また、半年、1年の長期間の評価期間の間に、中間評価を挟み刻むことで事実に即した評価を図ることなどが考えられる。尚、類似する効果で直近効果が存在する。

    期末手当

    公務員において6月1日、12月1日に支給される手当を指す。(指定職職員を除く)これは民間における賞与等のうち定率支給分に相当する手当として支給されている。

    支給額の算出方法は下記の通りである。(人事院勧告より抜粋)
    {(俸給+専門スタッフ職調整手当+扶養手当)の月額+これらに対する地域手当等の月額+役職段階別加算額(※1)+管理職加算額(※2)}×(期別支給割合)×(在職期間別割合)

    ※1:{(俸給+専門スタッフ職調整手当)の月額+これらに対する地域手当等の月額}×役職段階等に応じて定められた加算割合(5%~20%)
    ※2:俸給月額×管理・監督の地位に応じて求められた加算割合(10%~25%)

    期別支給割合は、一般職員で約1.4ヶ月~1.6ヶ月、特定幹部職員(本府省課長等)では約1.2ヶ月~1.4ヶ月と期毎の支給割合が人事院勧告へ定められている。在職期間別割合は6ヶ月在籍で100%、それ未満であれば80~30%の割合で減額されていくように決められている。
    平成30年度の東京都職員の冬季の期末手当は、1人当たり平均959,523円(税等控除前)の2.325ヶ月分支給された。昨年は、977,734円(税等控除前)の2.375ヶ月分と比較をすると-1.9%増減である。(参考:東京都庁)

    逆算化傾向

    逆算化傾向とは、人事評価時に評価者が陥りやすいエラーの一つである。評価者が求める最終的な結果(昇降格、昇降給、賞与等の処遇)になるように、最終評価結果から逆算して評価項目を調整することによって、実態と評価が一致しなくなる傾向を指す。

    原因は、評価結果に対する部下からの不平を避ける。或いは、部下から尊敬や感謝を受けたいといった心理面での要因が考えられる。そして原因として最も多いのは、最終の評価調整で相対化をすることが前提である場合、最終的に相対化された結果(標語など)をイメージして評価を付けてしまうことである(評価者の立場において、最終的に相対化されてしまうなら、絶対評価を行う心理が働き難い)。

    逆算化傾向は、適切な人事評価との乖離を表現する際に用いられ、人事評価時に評価者が留意する事項として捉えられている。
    尚、逆算化傾向の予防策として以下が考えられる。

    • 達成度基準を明確にした上で、分析評価行うこと。
    • 処遇のことを考えず、部下の行動を観察、記録するなどして、事実を正確に把握した上で評価するという手順を踏むこと。
    • 直属の上司だけではなく、関連部署の上司も一次評価者として評価することで、その2者が下した評価のギャップを補正しながら妥当な評価をつけること(評価者を複数にすることで、客観的に評価しようという心理が働くことなどを期待する)。
    • 最終評価を出すための計算ロジックを非公開、或いは複雑にする。(ロジックが分からないので、逆算出来ない)
    • 個別の評価項目だけを評価させる。(総合評価はつけさせない。)

    キャッシュ・マネジメント・システム

    キャッシュ・マネジメント・システム(cash management system)とは、グループ企業の資金を親会社や中核会社が同一銀行内に専用口座を設置し、集中管理することにより、効率的な連結運営や資金運用をする手法、またはそのシステムのこと。

    導入するメリットは、支払い業務の自動化・一本化などにより効率化・コスト削減が実現できることがあげられる。具体的には、グループ各ごとに資金管理担当者の配置が必要がなくなるとともに、プールされた資金を設備投資や運転資金を必要な会社に優先的に振り分けることによって、都度の資金調達が不必要になり、余剰資金を減少、借入金利を削減することができる。
    また、グループ内の債権・債務を相殺することにより決済手数料の削減等も可能となる。以前は、グループ会社が数十社もある売上高1兆円超の大企業に導入されていることが多かったが、1997年に解禁になった純粋持ち株会社制度により効率的な経営を目指す企業が増え、近年では中堅規模の企業でも導入が増えている。導入には監査法人、金融機関の支援のもと、ITコンサルティング会社等を介すことが一般的である。

    キャリア

    D.ホールによると「キャリアとは、あるひとの生涯にわたる期間における、仕事関連の諸経験や諸活動と結びついた態度や行動における個人的に知覚された連続である」 と定義されている。

    キャリア・パス

    キャリア・パス(career path)とは、昇進・昇格のモデル、あるいは人材が最終的に目指すべきゴールまでの道筋のモデル、仕事における専門性を極める領域に達するまでの基本的なパターンのこと。企業がキャリアパスを示すことで、従業員は中長期的にどのようなスキルや専門性を身につけていくべきかを理解できるともに、自己の目指すべき道を自己で考察する材料ともなり、自己啓発意識の醸成、モチベーション向上に資することができる。

    キャリア・ビジョン

    キャリア・ビジョン(career vision)とは、従業員が将来どのような人材になりたいか、あるいはどの様な仕事をしているかといった、職業人生における、ゴールや目標のこと。

    キャリアアンカー

    キャリアアンカーとは、個人が自らのキャリアを選択する際、最も大切にし、他に譲ることのない価値観や欲求のことを指して言う。キャリアアンカーは、一度形成されると直ぐに変わりづらく、生涯に渡ってその人が重要な意思決定を行う際に影響を与え続けるとされている。(アンカーは「碇」の英訳であり、停泊するときに船が碇をおろすように、キャリアアンカーも一度決まれば簡単に変わることがないことを表している)

    心理学者/エドガー・H・シャインが提唱するキャリアアンカーは、5つに分類されており、その分類は以下の通りである。

    『キャリアアンカーの5つの分類』

    1. 『管理能力』 ⇒組織の中で責任のある役割を担うことを望むこと
    2. 『技術・機能的能力』 ⇒自分の専門性が高まることを望むこと
    3. 安全性』 ⇒1つの組織に長く属することを望むこと
    4. 『創造性』 ⇒新しいことを生み出すことを望むこと
    5. 『自律と独立』 ⇒自分で独立することを望むこと

    個人にとって、自らのキャリアアンカーを見極めることは、職業選択を行う際の欠かすことが出来ない重要な判断の基軸となる。また組織にとっても、従業員のキャリアアンカーを見極めることで、自社の研修体系の構築や異動・配置を行う際など様々な局面において役立てることが可能となる。

    キャリアカウンセリング

    ビジネスパーソンが将来のキャリアゴールを考える、あるいはキャリア(ビジネスパーソンとしての中長期的な自己実現の道筋)を選択する際に一定の方向性を選択できるよう、ビジネスパーソン(相談者)の性格や適性等を勘案した上でカウンセリングを行なうこと。
    自己のキャリアに関して問題を解決すべく援助を求めている相談者が、カウンセラーのさまざまな援助行動(アドバイス等)を通して、自己理解を深め、自己のキャリアに関して最適な方向性を見定めるよう促すもの。

    キャリアビジョン

    キャリアビジョンとは、人生・仕事において自分自身のなりたい姿を指す。以下の事柄に重点をおくと、具体的、且つ実現可能なキャリアビジョンを描くことが可能となる。絶対に譲れない価値感、考え方、欲求:将来像を検討する際には、大切にしている価値感等が反映されていることが重要である。
    仕事、人生における過去・現在:自身が興味を持っていること、過去どのような事柄に活気を与えられたか等を洗い出すことで、自身の事をより理解することができ、なりたい姿がより明確になる

    休暇

    休暇とは、労働者の申し出により労働義務が免除された日のことである。休日がもともと労働義務がない日であるのに対して、休暇は労働義務がある日の労働義務を免除するという点に違いがある。
    休暇には、労働基準法などで定められた法定休暇と、慶弔休暇・リフレッシュ休暇等各企業が独自に定めた法定外休暇の2種類がある。企業は、これらの休暇について就業規則で定める必要がある。

    法定休暇には以下の5つがある。

    1. 年次有給休暇
    2. 生理日の就業が著しく困難な女子に対する休暇
    3. 産前・産後休暇
    4. 育児休業
    5. 介護休業

    休暇中の賃金支払の有無については、年次有給休暇は労働基準法で有給と定められているのに対し、その他の法定休暇、法定外休暇については各企業が任意に定めることができる。

    企業は、休暇の消化を促す努力をするだけでなく、休暇の申し出・取得によって当該労働者へ不利益な取り扱い(解雇、賞与の減額等)をしてはいけないことになっている。

    休業補償

    労働者が仕事中あるいは通勤途中に被った怪我や疾病よって、それらの療養のために出勤できないとき、事業主は労働者の療養中の平均賃金の内60%の休業補償を行わないといけないというもの。労働基準法/第76条に定められている。

    これらの療養のために出勤できない日数が4日以上に及ぶ場合には、休業の最初の日から3日間については、事業主が労働基準法上の休業補償を行い、4日目以降に関しては、労働者災害補償保険(労災保険)の管轄になり、労働者災害補償保険法に準拠して支払われる。

    受給要件は以下の通り。

    1. 業務上又は通勤による負傷や疾病による療養であること事
    2. 療養のため、労働することができない事
    3. 賃金を受けていない事
    4. 労働者死傷病報告を提出している事

    休憩時間

    休憩時間とは、労働者が仕事をせず自由に使える時間であり、労働場所から離れることも許されている。ただし、坑内労働、警察官、養護施設等で働く労働者は除外される。労働基準法34条には、休憩時間に関して以下3つのことが記載されている。

    1. 休憩時間は一斉に与えなければならない(例外有り)。
    2. 労働時間が6時間以上の際には最低45分、8時間以上の際には最低60分の休憩を与えなければならない。
    3. 休憩時間は、労働者に自由に利用させなければならない。

    また、始業・終業の前後を休憩時間をすることは許されていない。

    上記2.を詳細に記すと、労働時間が6時間以内の場合は休憩時間はなし、6~8時間以内だと45分以上、8時間以上だと60分以上と最低限取得が定められており、使用者が休憩を労働者に与えなかった場合、以下の刑罰が科される場合がある。
    6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金(労基法119条、34条)

    休日手当

    • 所定休日における労働に対する対価として支給される手当等の報酬を言う。
    • 労働基準法により、法定休日に勤務した場合には、通常支払われる賃金の3割5分以上の率の割増賃金を支給する必要がある。
    • 基本的には法定休日の出勤は違法だが、会社と従業員間で36協定を締結した際は、休日出勤が可能になる。

    求人倍率

    求職者数に対する求人数の割合を言う。2ヶ月以内の求人数である有効求人数を、2ヶ月以内の求職者数で序したものを有効求人倍率といい、労働力の需給を示す代表的な指数として広く用いられている。

    共済会

    民間企業、官公庁における福利厚生および福祉の向上を図るため、役員・従業員が会員となり自助・互助を行う組織。一般的には、企業からも補填があり、会員は安価な価格で、福利厚生サービス等を受けることが可能となる。具体的には、慶弔に関する給付金、住宅貸与、貸付金、災害給付、育児・介護の支援、保養所運営、レクリエーションの運営等がある。

    強制分布法

    強制分布法とは、人事考課における相対評価の方法の一つで、グループまたは部門毎であらかじめ評価結果の分布を決めておいて、それにもとづいて被評価者を割り振る手法のことである。(例 S評価:全体の10%、A:20%、B:40%、C:20%、D:10%)

    <メリット>

    • 強制的に分布を行なうことで人件費を予算内に納めることができる。
    • 厳密な評価基準や評価項目の具体性がなくても、対人比較による評価が可能になる。

    <デメリット>

    • 自身の努力や業績が必ずしも評価に反映されるわけではないため、評価結果に対する社員の納得性を得られにくい。
    • グループまたは部門内での優劣が評価に直結するため、信頼関係やチームワークの醸成に悪影響を及ぼす可能性がある。
    • グループまたは部門内での序列や能力の差が評価へ結びつけば、年功的な運用に陥る可能性がある。

    強制労働の禁止

    「使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神または身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない」(労働基準法第5条)この規定ができた背景としては、昔の労働慣行でもあった「タコ部屋」をより範囲を広く禁止するためである。通常は刑法で禁止はされているものの、さらに効果を高めるため、労働者の保護を目的とする労働基準法でも禁止された。

    注)タコ部屋:かなりの長い期間身体的に拘束して、非人道的な労働条件の下重い肉体労働をさせられる人を「タコ」と呼び、その労働者を監禁する場所を「タコ部屋」と呼ぶ。

    勿論、この暴行、脅迫、監禁はそれぞれ刑法208条、222条、200条でも禁止されている。この規定における不当に拘束する手段とは、不法行為・手段のみでなく社会通念上是認しがたい手段等もここに含まれる。この条文に違反した場合、1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金が科せられ、労働基準法では最も重い罰則となっている。

    業績連動型賞与

    会社業績に連動して支給される賞与のこと。定めた業績指標による会社業績、あるいは部門業績の達成基準を超過した場合に、その超過額、あるいは超過額の一定割合を賞与という形で配分する仕組み。判断する業績指標として一般的に経常利益が用いられるが、売上高、EBITA、粗利、営業利益、当期利益、EVA、フリーキャッシュフロー等がある。

    共有地の悲劇

    「共有地の悲劇(The tragedy of the commons)」とは、1968年に生物学者ギャレット・ハーディンが雑誌「サイエンス」に掲載したモデルのことである。
    このモデルは、Dawesによって1975年にゲーム理論として定式化され、社会的ジレンマ、特に環境問題を言及するときに頻繁に取り上げられる。
    ある集合体の中で、メンバー全員が協力的行動をとっていれば、メンバー全員にメリットがあった。しかしそれぞれが合理的判断の下、利己的に行動する非協力状態になってしまった結果、誰にとってもデメリットになってしまうことを示唆したモデルである。

    (例)
    ある共有の牧草地があり、5人の村人がそれぞれ20頭ずつ羊を飼っている。ここには羊100頭分の牧草しかなく、それが守られていれば、村人みんなが牧草地の恩恵に預かれる。また、この羊は1頭100万円で取引され、羊が1頭この牧草地に増えることにより餌となる牧草が減り、栄養不足のため99万円で取引される。以後、1頭増える度に、1万円ずつ取引価格は下がっていく。(初期の村人一人の取引高は2000万円)

    合理的な村人は、自分の効用(利益)を最大限に高めたいと考える。村人にとって、羊を減らしたり、現状数を維持するより、増やしたほうが自分にメリットがあると考える。そこで村人Aはもう1頭羊を放牧した。結果、村人Aは2079万円の利益を得た(羊21頭×99万円)。他4人の村人は、1980万円と取引高が減った(羊20頭×99万円)。
    それを見た周りの村人も自分の効用を最大限に高めたいという合理的な考えの下、それぞれが自由に羊を共有地に放し始めた。結果として、牧草地が荒れ果て誰にとっても使えないものになってしまった。

    加えて、自由に放牧した場合の総利益は最適に管理された状況での総利益よりも少なくなってしまう。例えば、5人全員が1頭ずつ羊を増やした場合、一人当たり1995万円(羊21頭×95万円)となり、適正に管理をしていたときに受け取れる利益2000万円(羊20頭×100万円)より少なくなってしまう。

    また、全体の利益を考えても、最適な管理下での総利益は1億円(羊20頭×100万円×5人)であったはずが、自由な放牧下では、9975万円(羊21頭×95万円×5人)と、こちらも減少する。

    周りと協力すれば誰にとってもいい結果であったものが、自らの利益追求図ろうとしたため、最終的には誰にとっても悪い結果になってしまうことを意味している。

    極端化傾向

    人事評価時に評価者が陥りやすい評価エラーのうちのひとつをいう。中心化傾向とは反対に、評価が最高或いは最低に偏ることを指す。
    中央化傾向とは、評価結果が両極端を避け、標準(中央)に集まる傾向を指すが、極端化傾向は、評価差をつけなければならないという意識が強い評価者において生じる傾向がある。

    予防策としては、以下のようなものが挙げられる。

    1. 日ごろから部下の働きを観察して、記録をとること。
    2. 目標設定の段階で、部下と達成基準を確認すること。等々。

    つまり、何をどれだけ達成すれば、どういった評価になるのかを決めておくことが大事である。定量的な目標であれば、達成度を評価しやすいことは自明だが、非定量的(定量化が不可能)な目標については、達成度を数値ではなく、状態で設定しておくことも一手である。

    記録保存義務

    使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他の労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。(労働基準法第109条)

    記録保存期間を計算するに当っての起算日は以下の通りとなる。

    1. 労働者名簿・・・労働者の死亡、退職又は解雇の日
    2. 賃金台帳・・・最後に記入をした日
    3. 雇入れ又は退職に関する書類・・・労働者の死亡又は退職の日
    4. 災害補償に関する書類・・・災害補償の終わった日
    5. 賃金その他労働関係に関する重要な書類(出勤簿、36協定等)・・・その完結の日

    これに違反した場合は、30万円以下の罰金となる。

    均衡失業率

    自然失業率とも呼ばれ、労働市場において労働力の需要と供給が一致した場合であっても存在する失業率のこと。
    事実上の失業率の下限値として位置づけられる。近年、労働市場の需給のミスマッチが構造化しており、均衡失業率は上昇基調にある。

    金銭報酬

    従業員に支給される報酬のうち、金銭で支給されるもの。主に、非金銭報酬(賞賛、学習機会、職場環境、やりがい等)に対する用語として用いられる。

    勤続給

    年功賃金の基本的な仕組みである、年齢給と同様に用いられる報酬。
    勤続年数に応じて、年単位で昇給額を決め、昇給していく給与。

    金品の返還

    使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他の名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない、(労働基準法第23条)

    前条の賃金又は金品に関して争いがある場合において、使用者は異議のない部分を7日以内に支払い、又は返還しなければならない。(労働基準法第23条)

    権利者とは、退職の場合は労働者本人であるが、労働者が死亡した場合は労働者の相続人となる。この場合、相続財産となる。しかし、課税対象になるかならないかは、ケースバイケースである。(詳細は国税庁HPへ)尚、一般債権者は権利者に該当しない。

    金品とは、金銭のみならず労働者の私物も含まれる。(住み込み労働者の布団等)
    この規定ができた背景として、労働者の退職時における賃金、積立金を迅速に使用者に返還させないと、労働者の引きとめ策に悪用される場合は元より、労働者家族、労働者死亡時の遺族の生活を困窮させることになりかねないため、制定された。

    勤勉手当

    公務員において6月1日、12月1日に支給される手当を指す。民間における賞与等のうち考課査定分に相当する手当として、勤務成績に応じて支給されている。(指定職職員、特定任期付職員及び任期付研究員を除く)
    6月期の勤勉手当に用いられる評価結果は10月~3月の期間に係る業績評価の結果であり、12月期の勤勉手当に用いられる勤務成績は4月~9月の期間に係る業績評価の結果である。

    支給額の算出方法は下記の通りである。(人事院勧告より抜粋)
    {(俸給+専門スタッフ職調整手当)の月額+これらに対する地域手当等の月額+役職段階別加算額(※1)+管理職加算額(※2)}×(期間率)×(成績率)
    ※1:{(俸給+専門スタッフ職調整手当)の月額+これらに対する地域手当等の月額}×役職段階等に応じて定められた加算割合(5%~20%)
    ※2:俸給月額×管理・監督の地位に応じて求められた加算割合(10%~25%)

    「期間率」は基準日以前6箇月以内の勤務期間に応じて0~100/100(14段階)の率を設定している。「成績率」は4段階の勤務成績毎に範囲が決められており、その範囲は下記の通りである。(人事院勧告より抜粋)

        一般職員の場合(6月期/12月期)

      • 「特に優秀」:1.8ヶ月以下1.1ヶ月以上/1,9ヶ月以下1,15ヶ月以上
      • 「優秀」:1.1ヶ月未満0.985ヶ月以上/1.15ヶ月未満1.035ヶ月以上
      • 「良好」:0.87ヶ月/0.92ヶ月
      • 「良好でない」:0.87ヶ月未満/0.92ヶ月未満
        特定幹部職員(本府省課長等)の場合

      • 「特に優秀」:2.2ヶ月以下1.34ヶ月以上/2.3ヶ月以下1.0ヶ月以上
      • 「優秀」:1.34ヶ月未満1.195ヶ月以上/1.39ヶ月以下1.245ヶ月以上
      • 「良好」:1.07ヶ月/1.12ヶ月
      • 「良好でない」:1.07ヶ月未満/1.12ヶ月未満

    (平成30年度時点)

    勤勉手当の支給基準として期間率と成績率が定められたのは、勤務成績の評定が陥りがちな評定者の主観に偏り、公平性を失う弊害を排除するためである。客観的に把握しやすい勤務期間に対応したものとして職員の欠勤等の勤怠状況を示す期間率と所属長の判定による公務への貢献度等の勤務実績を示す成績率の二つの評定要素を基準として定め、この二つの要素にほぼ同等の重みをもたせることが合理的であるとされたものと解される。

    勤労者財産形成促進制度

    財形制度とも呼ばれる、労働者に計画的な貯蓄を支援し、生活の安定を図ることを目的とした仕組み。企業によっては利子補填等を図る場合もあり、一般的な貯蓄より高い利子率で貯蓄できるメリットもある。
    当該制度は、(一般)財形貯蓄制度、財形年金貯蓄制度、財形住宅貯蓄制度、財形給付金制度、財形基金制度、財形助成金制度、財形貯蓄活用給付金・助成金制度、財形持家転貸雄融資制度、財形持家分譲融資制度、財形共同社宅用住宅融資制度、財形教育融資制度等で構成されている。

    企業内失業

    企業内失業(Excess Employment 、Excess Labor)とは、企業活動を行うにあたって必要とされる以上の社員が企業内に存在することを指す。正規雇用社員でありながら仕事がない状態を「失業」になぞらえている。

    2009年度の年次経済財政報告によると、景気悪化に伴い、2009年1月期から3月期の企業内失業者数は過去最悪の607万人と想定された。

    景気悪化の状況下において企業内失業は、超過人員を抱えた企業が人員削減を進める原因にもなり得る。

    技能実習制度

    技能実習制度は、外国人研修を終了し、一定の要件を充たす研修生に対し、使用者との雇用関係のもと実践的な技術、技能を身に付ける制度であり、1993年に創設された。
    技能実習制度は、研修生が技能、技術を日本で修得し、それを諸外国への移転を図ることで、開発途上国の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的としている。

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