「ち」から始まる人材マネジメント用語一覧

この記事では「ち」から始まる人事・人材マネジメントに関する用語を中心に採録しています。

チームビルディング

チームビルディングは、各メンバーが主体的に能力や多様性を発揮し、チームのゴールに向かって一丸となり進んでいく組織作りのための取組みのこと。チームビルディングが注目されている背景のひとつには、労働人口の減少による優秀な人材確保が困難になっている現状がある。与えられた人的資源を活用し、生産性を向上させるため、個人と組織(チーム)との関係に一体感を持たせることがビジネス上必須となっている。チームメンバーのパフォーマンスを活性化させることで、新しいチャレンジやイノベーションを生み出すようなチームビルディングの研修も増えている。

チェック・オフ

チェック・オフ(check off)とは、本来は組合員がお互いに組合費を徴収するべきだが、使用者が組合員に代わって組合費を徴収し、組合に一括給付をすること。労働基準法によれば、賃金は全額現金で支払うことが原則であるが、労働者の過半数で組織する企業労働組合(または労働者の過半数を代表する者)との文章による協定があれば、例外として一部を天引きできる。

中央化傾向/中心化傾向

中央化傾向/中心化傾向とは、人事評価時に評価者が陥りやすいエラーで、評価結果が両極端を避け、標準(中央)に集まる傾向を指す。
評価に自信が無い、部下の能力や実績を的確に把握していない。或いは評価に差をつけることで部下から嫌われたくないという心理作用といった自分に起因すること。評価基準が曖昧である、あるいは考課結果を用いた報酬(賞与など)の支払原資を勘案して、相対化(強制正規分布)させるような場合等、仕組みや運用に起因する場合も考えられる。

中央化傾向は、人事評価時における評価内容の正当性との乖離を表現する際に用いられ、人事評価時に評価者が留意する事項として捉えられている。中央化傾向の予防策としては、日ごろから部下の働きを観察して、記録をとること。目標設定の段階で、部下と達成基準(例:ここまで達成できれば、評価がAにな
る)を確認する。メジャーの段階を偶数にする等が考えられる。被考課者から見ると、がんばったのに差がつかない「がんばり損」であるために、モチベーションの阻害要因になる。

仲裁

仲裁(arbitratio)とは、労働関係調整法で定められた労働争議の調整法のこと。労使の双方から申請がなされたとき、労働協約の定めに基づき労使双方または一方から申請がなされたときに開始され、当事者の合意を前提とする。他方、公益事業の場合は、事業の公益性や国民生活へ影響の観点から、強制仲介も認められている。

忠実義務

忠実義務とは、労働者は広く使用者の不利益を不当に侵害してはならないのはもちろん、不当に侵害する行為も慎むべきとの義務をいい、誠実義務ともいう。労働者は信義則にのっとり債務の本旨に従って誠実に労働義務を履行することは当然である。

中小企業退職金共済制度

中小企業退職金共済制度(略して「中退共制度」という。)は、昭和34年に制定された中小企業退職金共済法に基づく制度で、中小企業が加入することのできる社外積立型の退職金制度のことを指す。
自社では、退職金制度を設けることが困難な中小企業について、事業主の相互共済と国の援助で退職金制度を設けることで、中小企業の従業員の福祉の増進と雇用の安定、中小企業の振興に寄与することが目的である。

独立行政法人 勤労者退職金共済機構の中小企業退職金共済事業本部(以下:中退共本部という)が運営している。事業主が中退共本部と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関に納付する。掛金の一部を従業員に負担させることはできず、従業員が退職したときは、その従業員に中退共本部から退職金が直接支払われる。

加入できるのは常用従業員数300名(ただし卸売業・サービス業100名、小売業50名)以下、または資本金・出資金3億円(ただし卸売業1億円、サービス業・小売業5千万円)以下の企業である。(中小企業基本法第2条の「中小企業」の定義に同じ)掛金月額は、従業員ごとに16種類の中から任意に選択ができる。また、「増額」は加入後いつでも可能、「減額」は従業員の同意があった時、または現在の掛金月額を継続することが困難であると厚生労働大臣が認めたときに限り可能である。

企業側のメリットとして、掛金が、法人企業の場合は損金、個人企業の場合は必要経費として全額非課税となることが挙げられる。また、新規に加入する事業主には、掛金の2分の1(上限5,000円)を加入後4か月目から1年間、国が助成するなどの助成制度がある。この制度を活用することで、中小企業で働く人材の働く意欲の向上、安定確保などが効果として見込まれる。

従業員側のメリットとして、転職の際、転職先も中退共制度を利用している場合、通算制度により、掛金納付実績を新しい企業へ通算でき、退職金をまとめて受け取ることができる。退職金は、掛金月額と掛金納付月数に応じて計算されるが、掛金納付月数が11か月以下の場合には、退職金は支給されないことになっている。小規模企業(常用従業員数20名(ただし卸売業・小売業・サ-ビス業は5名)以下)向けの制度には独立行政法人中小企業基盤整備機構の小規模企業共済制度がある。

中小企業労働力確保法

中小企業労働力確保法の正式名称は、「中小企業における労働力の推進及び雇用の機会の創出のための雇用管理改善の促進に関する法律」。経済産業大臣及び厚生労働大臣および経済産業大臣は、環境の改善など中小企業の雇用管理にかかる措置を策定する法のこと。

懲戒

懲戒とは、企業の規律、秩序維持のため、企業秩序違反に対し使用者から課せられる一種の制裁罰のこと。企業においては、使用者は企業秩序の違反し、これを乱した者に対する制裁として行う。懲戒の種類として、減給、出勤停止、降格、懲戒解雇などがあり規定を設けているが、他の懲戒処分も基本的には法や公序良俗に反しない限りは禁止するものではないとされている。

懲戒解雇

懲戒解雇(punitive dismissal)とは、懲戒処分において最も重い処分で、労働者を解雇することを言う。解雇予告も解雇予告手当ても支払われずに、即日解雇となるケースもある。また、企業によっては退職金の一部、あるいは全額が不支給になる場合もある。懲戒解雇にあたる行為としては、勤怠不良、虚偽報告、二重就労の禁止義務違反等が挙げられる。

長期雇用システム

長期雇用システムとは、終身雇用システムと同様、日本型の長期間安定した雇用の仕組みを指す。終身雇用を標榜しつつも実際には、雇用を引退まで保障したものではないことや、近年、出向や転籍後に関連企業で定年を迎えるケースも増えてきたことから、この用語が使用されている。

調整手当

調整手当とは、各種の原因によって生じる労働者の賃金の不均衡を是正し、調整するための手当てのことを指す。
内容としては、以下3点などがある。

  1. 賃金体系の改定に伴い賃金水準がダウンするものを無くすために支払われる賃金調整手当
  2. 初任給を世間相場に合わせて引き上げるような場合、現行の賃金体系が崩れることを避けるため一時的な措置として支給する初任給調整手当
  3. 物価、生活水準などの地域格差を一定期間カバーする目的で支給する地域差調整手当

公務員の場合には、物価、生活費などが特に高く、人事院規則で定める地域などに在勤する職員に対して支給される手当のことを指す。

調停

調停(mediation)とは、労働関係調整法で定められた労働争議の調整方法のひとつ。
公労使三者の委員からなる調停委員会が、争議の労使双方の意見を聴いた上で、調停案を作成し、労使双方にその受諾を勧告する。調停案は労使双方が受諾してはじめて当事者を拘束することになるが、受諾するかどうかは当事者の自由。

重複型職務・職能給

重複型職務・職能給とは、職務・職能給の設計方法のひとつ。ある等級に対応する職務・職能給の範囲が、その上下の等級の範囲と重複する形のもの。したがって等級が低くても、長期勤続者や熟練度の高いものは上の等級において下端にいる者よりも高い賃金をもらうことが出来る。

直間比率

直間比率とは、税収全体に占める直接税と間接税の比率のこと。日米は所得税などの直接税の比率が高いが、一方、フランスなどは間接税の比率が高い。間接税は消費税などがあたり、財やサービスを購入する段階で公平に課税される性質をもつため、不公平感を生みづらい。

直近効果

直近効果とは、人事評価時に評価者が陥りやすいエラーで、ハロー効果の一種である。考課対象期間に渡って評価するのではなく、評価するタイミングの直近の事象(業績や態度、行動等)に引きずられて評価してしまうことを指す。

原因として、被評価者を評価するための情報が少なすぎるため(適切に評価出来ないため)に、直近の事象をもって評価してしまうことなどが考えられる。直近効果は、人事評価における正当な評価との乖離を意味し、人事評価時に評価者が留意する事項の一つとして用いられる(本来は評価対象期間全てを評価する基本原則との乖離)。

直近効果の予防策としては、部下の行動や実績に関する事象を、日ごろから書き留められるようなチェックツールを作成し、活用することである。尚、類似する効果で期末効果が存在する。

賃金格差

賃金格差(Wage Differential)とは、同一時点における賃金水準を年齢・勤続年数・学歴・職種・性・雇用形態・産業・企業規模・地域などの違いごとに比較した場合に見られる賃金の差のこと。100分率で示されることが多い。

賃金曲線

賃金曲線とは、初任給から始まって、その後の賃金水準を年齢別などで図として示したもの。

賃金契約説

賃金契約説とは、アメリカの労働経済学者J.T.ダンロップなどが唱える賃金理論で、賃金は、労使交渉の結果による契約で決まるとする労使関係重視の賃金理論。

賃金交渉

賃金交渉(Wage Negotiation)とは、労働組合と使用者(会社)が、従業員の賃金に関して交渉すること。労働組合法によって労働組合と使用者(会社)は労働条件を対等に話し合うことができることとしている。特に、春闘・秋闘等の労使交渉においては、賃金交渉が最も大きな議題となる。

賃金構成要素

賃金構成要素とは、賃金を構成する、基本給や各種手当てなどの様々な要素のこと。賃金全体に占める各賃金構成要素別の金額割合を賃金構成比率という。どのような賃金をどの割合で支払っているかを分析することで、企業として、どのような賃金を重要視しているかを把握することができ、賃金に込められているメッセージを読み解くことができる。

賃金構造

賃金構造(Wage Structure)とは、各種の賃金格差がどのような関係になっているかを総合的に分析したもの。産業、企業規模、地域などの企業属性で区分し分析したものと、年齢、性別、学歴、勤続年数、職種等、従業員の属性によって区分し分析したもの等がある。最も一般的なものとして、厚生労働省などの統計データ等がある。

賃金支払形態

賃金支払形態とは、支払賃金がどのような単位(形態)で支払われるか、その類型区分のこと。定額制もしくは出来高支払制に分かれる。定額制は、一定の労働時間を単位として賃金を計算する形態で、時間給、日給、週給、月給、年俸に区別される。出来高支払制は、出来高の量に直接対応して賃金を計算する単位請負制、もしくは時間当たりの出来高を基準として時間当たりの賃金率によって賃金を算定する時間請負制するものがある。

賃金支払の5原則

賃金支払の5原則とは、労働の対価としての賃金を支払う際の原則で、労働基準法24条に定められているもの。以下の5つを指す。

  1. 通貨払い
  2. 直接払い
  3. 全額払い
  4. 毎月最低1回支払い
  5. 一定期日払い

賃金支払能力

賃金支払能力(ability to pay wages)とは、企業としてどこまでの賃金を支払えるかの限度のこと。
労働組合は、主として物価や生活水準などの生計費をベースにして賃上げを要求するが、これに対して企業側は通常、支払能力の限度を切り札にして賃金交渉を行う。支払能力については、企業の長期的に安定した発展を阻害しない範囲として考えられている。

賃金水準

賃金水準(Wage Level)とは、労働者に支払われる賃金の金額の水準のことを指す。国や企業、年齢などによる水準を算出する際には、通常、平均値で示される。
各企業が自社での賃金を決める際に、同業他社や世の中一般の水準を参考にする場合などに活用される。賃金水準に比較にあたっては、名目賃金/実質賃金、手取り/税込み、職種、役職などの比較する範囲を統一する必要がある。

賃金請求権

賃金請求権とは、使用者に労務を提供した場合に賃金を請求できる労働者の権利のこと。ノーワーク・ノーペイの原則により労働者の労務提供に対し使用者はその提供の範囲で賃金を支払う。

賃金台帳

賃金台帳とは、使用者は各事業場ごとに賃金台帳を調整し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。(労働基準法第108条)

賃金台帳に記載しなければいけない事項は以下の通りである。

  1. 賃金計算の基礎となる事項、賃金の額
  2. その他厚生労働省令で定める事項
    • 氏名
    • 性別
    • 賃金計算期間
    • 労働日数
    • 労働時間数
    • 労働基準法33条若しくは36条に基づく労働時間の延長・休日労働・深夜業の時間数
    • 基本給・手当その他の賃金の種類ごとにその額
    • 賃金の一部を控除した場合にはその額
    • 賃金の種類中に通貨以外のもので支払われる賃金がある場合にはその評価額
  3. 賃金台帳に記載する時間外労働時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数は、就業規則において労働基準法の規定と異なる定めをした場合には、その就業規則に基づいて算定する労働時間を記載する
    • 尚、賃金台帳に記載する対象は、日々雇入れられる者以外全てのものであり、会社役員も同様に記載しなければならない。
    • 賃金台帳は3年間の保存が義務付けられている。
    • 本条(第108条)に違反した場合は、30万円以下の罰金に処される。

賃金積上げ方式

賃金積上げ方式とは、賃金表に基づいて、毎年、資格・等級別、考課ランク別に定めた昇給額を積み上げていく方式のこと。賃金は入社してから年々上がり続けることを前提にしており、多くの企業で取り入れられていた。しかし、この方式では、一度賃金格差がつくと、その差は後々まで影響することから、昨今では、過去の人事考課を累積させない方式に切り替える企業が増えている。

賃金の支払の確保に関する法律

賃金の支払の確保に関する法律とは、企業が倒産した場合、賃金や退職手当、社内預金等の支払いの確保を目的として制定された法律のこと。

賃金の非常時払い

賃金の非常時払いとは、労働者が非常時の費用に宛てる為に請求した場合においては、使用者は支払期日前であっても賃金を支払わなければならないこと。非常の場合とは、以下の4つを指す。

  1. 労働者の出産、疾病、災害
  2. 労働者の収入によって生計を維持するものの出産、疾病、災害
  3. 労働者またはその収入によって生計を維持するものの結婚、死亡
  4. 労働者またはその収入によって生計を維持するもののやむ得ない事由による1週間以上の帰郷

賃金表

賃金表とは、条件毎(職能、職務、勤続年数、年齢、学歴等)の賃金支給額を定義した一覧表である。主なものに、号棒表、昇給表、複数賃率表があり、昇給方針と昇給管理方法によって使われる賃金表も変わってくる。
号棒表は、等級別、号別に賃金額を記載した賃金表である。賃金の全体額と昇給額の両方を管理することができるため、人件費に関する予算が立てやすいというメリットがある反面、年功的な運用になりやすいというデメリットもある。

これに対して昇給表は、等級毎の昇給額または昇給率のみを記載する。号棒表に比べてシンプルで分かりやすい賃金表になる。号棒表と同じように等級毎の基準額や上限額をあらかじめ設定するのが一般的であるが、それらを設定せずに毎年の業績等によって変更することも可能である。複数賃率表とは、号棒表を基準としながらも、各号に複数の賃金額を設定し、毎年の評価によって賃金額を決定する賃金表である。複数賃率表の特徴は、年功序列的な運用に、洗い替え方式の要素を加味している点にある。

極端な成果主義が馴染まない場合や、本人の努力が業績にあまり直結しない場合等に、従業員のモチベーションを喚起する手法として用いられることが多い。上記の賃金表を活用することで、計画的な賃金管理を行うことができると共に、賃金額の決定に対する公平性と納得性が担保されることになる。また、賃金表は固定的なものではなく、物価の上昇や昇給管理方法の変更、賃金改定等によって随時改定される必要がある。

賃金ベース

賃金ベース(Wage Base)とは、一般的には、各企業における平均賃金水準を指すことが多い。賃上げ交渉など際には、「当社の賃金ベースはXX円」といった表示を行い、賃上げ額や賃上げ率を算出する算定基礎額として用いる。ただし、企業によって、当該賃金ベースに含まれる賃金の範囲は異なるために、単純比較できない部分もあるため、注意が必要になる。

中途採用

中途採用とは、高校、大学、大学院などを卒業後、一旦就業経験のあるものを採用すること。従来の日本の採用は新規学卒者が中心であり、中途採用はやむを得ない場合にのみであった。しかし、昨今の厳しい経営環境の中では、企業が新規学卒者を育成するための費用や時間を削減したいなどの理由から即戦力を求める傾向がある。

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